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再び低気圧が発達 3月の気象災害で多いのは一番が風害、次いで雪害

饒村曜気象予報士
雨の日の運転(ペイレスイメージズ/アフロ)

2月と一転した3月

 今年の2月は、西高東低の冬型の気圧配置の日が多く、強い寒気が南下して全国的に寒くなりましたが、3月に入ると一転し、周期的に発達中の低気圧が通過して、暖気が北上するようになりました。

 今週の金曜日(3月9日)頃も、東シナ海で発生した低気圧が発達しながら日本付近を進むため、広い範囲で荒れた天気や大雨となるところがあります。低気圧に先行して東~西日本の南海上に停滞前線が発生する見込みですので、低気圧の接近前からところにより雨の可能性があります(図1)。

図1 予想天気図(平成30年(2018年)3月8日21時の予想)
図1 予想天気図(平成30年(2018年)3月8日21時の予想)

 また、低気圧の発達の程度によっては大荒れや大しけとなるおそれがあります。

 発達した低気圧が通過した週末は、西高東低の気圧配置が強まって、北陸地方と北日本を中心に寒気が南下します。北陸地方と北日本では週の後半は雨が主体の天気ですが、週末は雪が主体の天気となります(図2)。

図2 新潟と東京の週間天気予報
図2 新潟と東京の週間天気予報

3月の気象災害

 3月の気象災害を原因別で見ると、風に関する災害が最も多くなっています。

 資料は少し古いのですが、筆者が平成14年(2002年)に、昭和46年(1971年)から平成13年(2001年)までの気象庁資料をもとに調べたところ、3月の災害の26パーセントが風に関する災害でした。

 ついで多いのは、雪に関する災害の24パーセントで、以下、土砂災害の12パーセント、波に関する災害11パーセント、洪水・浸水害6パーセント、乾燥・干害5パーセント、その他16パーセントとなっています。

 つまり、3月の気象災害は、風害が一番多いと言っても、風害以外の災害も少なからず発生しています。

 春先は、天気変化が激しいので、色々な災害が起こることがありますので、週末をはさんだ一週間は、気象台等が発表する情報に注意する必要があります。

図1、図2の出典:気象庁ホームページ。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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