ラニーニャ現象発生時の日本は、常に寒いというわけではないが、今週も続く寒さ

北海道 雪道(写真:アフロ)

ラニーニャ現象の発生

 気象庁は、平成29年12月11日に、日本に厳しい寒さをもたらすとされるラニーニャ現象が発生しているとみられ、来年の春まで続く可能性が平常の状態にもどる可能性より高いと発表しました。

 気象庁では、東部太平洋赤道域の海域(ペルーのはるか西海上のエルニーニョ監視海域)の海面水温を常時監視し、移動平均で平年より0.5度以上低くなる現象をラニーニャ現象、0.5度以上高くなる現象をエルニーニョ現象として情報を発表していますが、今後、平年より0.5度以上低くなるという予測がでたからです(図1)。

図1 エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5ヶ月移動平均値
図1 エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5ヶ月移動平均値

 ラニーニャ現象が発生すると、太平洋東部太平洋域の海面水温が通常より低くなると同時に、太平洋西部赤道域(インドネシア近海)の海面水温が高くなります。

 インドネシア近海の海面水温が高くなると、対流活動がより活発になり、より多くの空気が上昇します。この上昇した空気が北側で下降し、そこで高気圧を強化し、偏西風を大きく蛇行させることで、日本付近は北から寒気が南下しやすくなります(図2)。

図2 ラニーニャ現象の日本の天候への影響(冬季)
図2 ラニーニャ現象の日本の天候への影響(冬季)

 これが、ラニーニャ現象が発生すると、日本が寒冬となる理由です。

 ラニーニャ現象の影響は、日本の低温だけでなく、中国から東南アジアの低温、フィリピンの多雨、アメリカ南部に高温と少雨など、現象は違っていますが、異常ということが全世界に及んでいます(図3)。

図3 ラニーニャ現象発生時の世界の天候の特徴(北半球が冬の場合)
図3 ラニーニャ現象発生時の世界の天候の特徴(北半球が冬の場合)

 

統計的に日本は

 気象庁ホームページには、ラニーニャ現象がおきたときに、日本はどうなるかということをまとめています。

 気象庁が発表する情報では、通常の状態の「高い・並・低い」、あるいは「多い・並・少ない」の出現確率は、「33.3パーセント・33.3パーセント・33.3パーセント」です。

 ラニーニャ現象が発生している時の日本の冬(12月から2月)は、気温が低い確率が北日本では38パーセント、その他の地方が46パーセントとなっています(図4)。通常の状態の33.3パーセントより高くなっていますが、ラニーニャ現象が発生しているときの北日本の太平洋側の日照時間のように、「少ないが8パーセント、並と多いが46パーセントであるので統計的に有意である(図5)」と、はっきり言えない確率の値での「寒くなる」です。

図4 ラニーニャ現象が発生している時の冬(12月から2月)の平均気温
図4 ラニーニャ現象が発生している時の冬(12月から2月)の平均気温
図5 ラニーニャ現象が発生している時の冬の日照時間
図5 ラニーニャ現象が発生している時の冬の日照時間

 気象庁の1ヶ月予報によれば、今後1ヶ月は寒くなる確率は、関東甲信地方で40パーセントの他は、50パーセントと、ほぼ全国的に寒くなるという予報です。しかし、3ヶ月予報(11月25日発表)では、寒くなる確率は、北日本と沖縄・奄美地方で30パーセント、その他の地方が40パーセントと、全国的にほぼ通常の状態です。

 ラニーニャ現象が発生すると寒い冬といえますが、常に寒いというわけではありません。

 3ヶ月予報は毎月25日頃に発表されます。1週間後に発表される新しい3ヶ月予報で、寒いとなるかどうかを注視する必要があります。新しい3ヶ月予報で、寒い状態が続くとなった場合は、記録的に寒い冬になる可能性があるからです。

今週も続く寒さ

 寒い冬であると、はっきり言えない確率であるといっても、しばらくは寒気が南下しやすい状態が続きます。

 週初めに日本海に出現する寒気を伴った低気圧が通過するときには平野部での大雪や突風などに注意が必要です。

 また、この低気圧が日本の東海上に抜けたあとは、再び「西高東低の冬型の気圧配置」が強まって寒気が南下しますので、全国的な寒さと日本海側の地方での大雪に注意が必要です(図6)。

図6 予想天気図(平成29年12月19日9時の予想天気図)
図6 予想天気図(平成29年12月19日9時の予想天気図)

図1の出典:気象庁ホームページに説明(右側)を加筆。

図2、図3、図4、図5、図6の出典:気象庁ホームページ。