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小川航基、日本代表復帰。前田遼一コーチに伝えたいこと

中田徹サッカーライター
(写真:REX/アフロ)

 ワールドカップアジア2次予選、北朝鮮と3月21日(東京)、26日(平壌)に戦うメンバーに小川航基(NEC/オランダ)が選ばれた。昨年、雨の三ツ沢で横浜FCのサポーターと交わした「次に日本に帰ってくるときは、必ず日の丸を背負ってきます」という約束を、オランダリーグでゴールを積み重ねることによって果たした。

 開幕から2試合連続ゴールと、オランダで最高のスタートを切った小川。しかし、その後3戦不発に終わると、6節目に早くもレギュラーの座を失い「もうスタメンから外れちゃうんだ」と言葉を失った。

「これから途中出場が続くかもしれません。プロに入ってから9年、10年やってきた。人として、プレーヤーとしてどうなっていくかが大事なので、ここからだと思います」

 11月5日の対フォーレンダム戦。5試合ぶりに先発した小川は開始6分に先制ゴールをマークし、さらに後半アディショナルタイム8分にチームを3−3に導く劇的弾を決めた。その後、オランダリーグで8ゴール、オランダカップで4ゴール、合わせて12ゴールを記録し、NECの新たなエースになった。

 多彩なシュートはオランダで高く評価されている。際立つのはCKでの決定力の高さ。CKからゴールを奪うことは至難の業だが、小川はなんとオランダでCKから5ゴールも決めている。

 屈強なDF陣にマークされる中、小川がいくら186cmと長身でも簡単には競り勝てない。しかし彼は小刻みなステップでマークの背後を獲ったり、味方に敵をブロックしてもらってニアに入り込んだりして、CKで冴えを見せている。

 桐光学園でキャプテンマークを巻き、9番を背負った男は、ジュビロ磐田に2015年入団すると4季に渡り18を着けた。その後、19(水戸ホーリーホック)→9(ジュビロ磐田)→18(横浜FC)→18(NEC)と、18は小川航基の代名詞になりつつある。

「自分は9か18の背番号が好きなんです。ジュビロ磐田ではエース番号が18で、前田遼一さんがつけていた番号でした。僕はすごい期待されて18をつけさせてもらったのに、何も出来ませんでした。だから『18番をつけて輝きたい』という思いがあります。他のチーム(NEC)ではありますけれど、『18番を背負って、責任を持って頑張ってます』というようなものを見せたいです」

  今回、日本代表に選ばれたことによって、小川は前田コーチのもとでプレーすることになる。

「代表に選ばれて(前田コーチに)教えていただく機会があれば『責任持ってやらせてもらってます』というような言葉をお伝えしたいです」

サッカーライター

1966年生まれ。サッカー好きが高じて、駐在先のオランダでサッカーライターに転じる。一ヶ月、3000km以上の距離を車で駆け抜け取材し、サッカー・スポーツ媒体に寄稿している。

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