Yahoo!ニュース

菅原由勢、今季のオランダリーグで好スタッツを記録中【現地報道より】

中田徹サッカーライター
クロス・ラストパスの武器に磨きをかける菅原由勢(写真:REX/アフロ)

 日本代表の右SB菅原由勢(23歳/AZ)がオランダリーグの個人スタッツで上位を占めている。

・ビッグチャンスメイク 1位

・オープンプレーからのクロス成功回数 1位

・相手ペナルティーエリア内でのパス・クロス成功数 2位

・エクスペクト・アシスト 3位

・セットプレーでのチャンスメイク 3位

・ファイナルサードでのパス成功本数 8位

 並外れた攻撃陣の揃う今季のエールディビジに於いて、DFの菅原がチャンスメイク創出回数でトップに立っている。

『フットボール・インターナショナル』誌(12月17日付ウェブ版)でこの記事を執筆したバルト・フラウス記者は、そのことをこう強調している。

「今季のエールディビジで最もチャンスを作り出しているのは、フェールマン(PSV/MF/オランダ代表)、バカヨコ(PSV/FW/ベルギー代表)、ステングス(フェイエノールト/MF&FW/オランダ代表)、ベルフハウス(アヤックス/MF&FW/オランダ代表)といったアタッカー陣ではなく、AZの右ウイングバック、菅原由勢なのだ。彼はチームメート(主にCFパブリディス)に12回ものチャンスを作った」

 2位はフェールマンの10回。3位はクインティン・ティンバー(フェイエノールト/MF)とバカヨコの9回だ。

 AZに入団して5季目を過ごす菅原。「一昨年前の3アシストから昨季は8アシストを記録したように、その成長は明らかだ」とフラウス記者は書く。

「今季のアシストは4だが、チームメートたちがしっかりチャンスを決めていれば、その数値は上がっていた。エクスペクト・アシスト(5.4)で菅原は3位につけている」

 その印象は私も同じ。4アシストという数字では測れないほど、今季の菅原は決定機を作リ続けてチームに貢献している。

『90分当たりのチャンスメーク回数』のスタッツを見ると、過去4シーズンの菅原の成長曲線がくっきりと浮かび上がる。

2021/22 0.49

2021/22 1.02

2022/23 1.12

2023/24 1.56

この4シーズンで菅原は1試合あたり4倍ものチャンスを作っているのだ。

AZの攻撃は右42%、中央24%、左34%と、大きく右に偏っている。

「この数字は驚きではない。菅原は敵陣に向かって攻め込むAZで中心的な役割を果たしており、チーム内で一番攻撃に関わっているのだ」

 守備面での菅原の貢献もフラウス記者は特筆している。それはシュートブロック。20/21シーズンは0.2回だったシュートブロックが、21/22、22/23シーズンは0.3回に、そして今季は0.5本と飛躍的に伸びている。

「好スタッツを残す菅原とAZの契約は25年夏まで。24年夏にステップアップすることは十分ありえる。特に攻撃面に於いて際立つ彼は、エールディビジで最も過小評価されている選手の一人としてAZでの扉を閉めることになる」

サッカーライター

1966年生まれ。サッカー好きが高じて、駐在先のオランダでサッカーライターに転じる。一ヶ月、3000km以上の距離を車で駆け抜け取材し、サッカー・スポーツ媒体に寄稿している。

中田徹の最近の記事