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関根貴大、欧州移籍後初ゴールに「印象に残るゴール」とコメント。鎌田大地も「気持ちがわかる」と喜ぶ

中田徹サッカーライター

 シント・トロイデンの関根貴大が4月28日のベールスホット戦のアディショナルタイムに、鎌田大地とのワンツーから劇的な同点ゴールを決めてチームに貴重な勝ち点1をもたらした。結果は2−2だった。試合後の関根は「本当に素直に嬉しかったです。海外に来て初ゴールでしたので、印象に残るゴールになると思います」と声を弾ませた。

■ 「今日、ゴールを取れたのはコンディションが上がってきた証」(関根貴大)

 昨季、浦和からドイツ2部リーグのインゴルシュタットに移籍したものの、出場機会を得られなかった関根は今季、シント・トロイデンへ期限付き移籍し、ベルギーリーグで再スタートを切った。デビューマッチは84分から出場した9月1日のオーステンデ戦だったが、ハムストリングを痛めてしまい、シーズン開幕早々に長期離脱してしまった。

 負傷が癒えても、関根の出場機会は少なく、悔しい日々を過ごしていた。しかし、プレーオフ2に入ってから徐々に試合に出られるようになり、前節のオイペン戦でようやく先発するチャンスを得てアシストを記録した。そして、今節のベールスホット戦では得点シーン以外にも小気味良いドリブル、鋭いクロスからチャンスを作り続け、遅まきながら復調を印象づけた。

「試合に出続けることによって、コンディションが徐々に上がってきます。今日、ゴールを取れたのはコンディションが上がってきた証かなと思います」(関根)

 以前、関根は「監督を見返したい」と言ってたが、それが果たせたのではないかと訊いてみると「そうですね」という答えが返ってきた。マルク・ブライス監督は試合後、「関根は怪我もあったし、うちのサッカーに慣れる時間も必要だった。今の彼のパフォーマンスに私は満足している」と労いのコメントを出した。

■ 関根のプレーに鎌田大地は「僕がすごく恩恵を受けている」と感謝

 この日、PKこそ外してしまったが、2アシストを記録した鎌田大地も、昨季はフランクフルトで出場機会を得られず、シント・トロイデンに来たということもあって、関根の気持ちがよく分かる。それだけに、鎌田も関根の復活弾を喜んだ。

「オフ・ザ・ボールの動きだったり、クロスの上げるタイミングだったり、攻撃では僕のことを常に見ていてくれるので、(関根がプレーすることによって)彼からの恩恵を僕はすごく感じてます。(昨季の)ドイツの時から、うまく行ってないときに、たまにタカくん(関根)とお互いに連絡を取り合ってましたので、彼が活躍するのは僕も嬉しいです。去年、(2人共)うまく行ってなかったので、彼の気持ちはすごくよくわかります。すごく嬉しいですね」(鎌田)

 プレーオフ2を経由してヨーロッパリーグ行きを目指すシント・トロイデンにとって、2部リーグのベールスホット戦は本来なら勝たないといけない試合だったはず。だが、1年間辛抱してきた関根の劇的ゴールによって、むしろチームのムードは高まりそうだ。

サッカーライター

1966年生まれ。サッカー好きが高じて、駐在先のオランダでサッカーライターに転じる。一ヶ月、3000km以上の距離を車で駆け抜け取材し、サッカー・スポーツ媒体に寄稿している。

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