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もうすぐ連休 3歳と42歳の親子旅行

なかのかおりジャーナリスト(福祉・医療・労働)、早稲田大研究所招聘研究員
幼児との旅行は大変さもあるが、思い出になった(ペイレスイメージズ/アフロ)

大型連休は保育園や学校が休みで親も子も持てあます。娘が3歳の時、母子で仙台に1泊旅行した。乗り物酔いなどアクシデントもあったが、いい思い出だ。幼児と2人の新幹線や泊る場所、持ち物や食事のことなど体験を紹介する。

仙台へ母娘旅(子育て支援NPOサイトに連載した「アラフォー初めてママのときどきドキドキジャーナル」より)

5月の連休もママ業に休みはありません。3歳の娘は家でパワーを持てあまし、お出かけすると親は疲れるし…。私の場合、祝日は有給休暇から引かれます。「病気や保育園の行事もあるのに、足りなくなる」と思うと、長い連休は複雑。

今年は1泊の母娘旅を入れてみました。高校の同級生のNちゃん(40代)が仙台で出産したので、ベビーに会いたくて。娘は新幹線の旅も好きだし、ちょうどよい距離。家族でお出かけも考えましたが、共働きで予定を合わせ、ハイシーズン価格の宿に泊まるのも疲れる。年末年始に4日間、家族で旅行したとき、夫が仕事を持ち込み、大変でした。夫は移動中もホテルでもずっとパソコンを開けて、いらいら。ママは休まらず、腰痛が悪化しました。

ビジネスホテルで添い寝OK

大人ひとり、子どもひとりだと、泊まれる宿は限られます。いわゆるビジネスホテルは、広めのベッドでシングル利用、娘は添い寝でOKでした。主要な都市には、駅に近いビジネスホテルはありますよね。

新幹線の券は、連休で混むので往復とも買っておきました。娘は抱っこ。出入りしやすいよう、ドア近くの通路側で指定。荷物はななめがけの貴重品バッグと、着替えを入れた大きなトートバッグ。バギーや抱っこひもは持てません。娘は保育園にも持っていく、ママ手作りのななめがけバッグ。

移動中に遊ぶシールを用意

バスに乗って駅につき、本屋さんで移動中に遊ぶシール絵本を買います。それからランチを探しました。ふだんはお出かけのときにお弁当やおにぎりを持たせますが、今回は無理しないことに。

娘が「サンドイッチがいい」と言うのでサンド、温野菜、からあげ、キャップ付きのフルーツジュース(飲みきれないときしめられる)、お水を買い集めました。トイレに行ってから、新幹線に乗り込みます。「けろけろしちゃうからー」と言ってほとんど食べない娘。

着替えは多めに、手持ちも

先日、3歳になった記念にお出かけしたときのことを覚えていて、警戒しているよう。特急電車で酔ったのか、娘が吐いてしまったのです。座席で抱っこした状態でママのブーツや洋服にもかかり、身動きがとれません。周りにお客さんはいるし、泣くし…。ちょうど車掌さんが通りかかり、お掃除を頼み、「多目的室」を使わせてもらいました。具合が悪い人のための区切られたスペースで、いすを出すとベッドのようになります。

成長して服を汚さなくなったからと、手持ちバッグに着替えを入れていなくて反省。多目的室に夫がトランクを持って来て、着替えさせて抱っこしたら寝たので、母娘で休ませてもらいました。この経験から、「着替えは多めに、手持ちも」と気をつけています。

東京駅から1時間半ぐらいでついてしまう仙台。娘がうとうとしたところで到着。バッグと娘をかついでいかなければと、腰のコルセットを出してしめましたが、起きました。駅の外に出て、ベンチに座り、サンドで遅いお昼です。

タクシーに酔ってアクシデント

そこからNちゃんのおうちへ。タクシーで番地を言うも、なかなかナビを使わない運転手。お願いすると渋々、無線で聞いていましたが。子連れ旅行者に、やさしくしてね。おうちの近くで降ろされた瞬間、娘がけろけろ。お隣の駐車場でした…。バケツを借りてお掃除し、汚れたバッグや洋服を洗い、着替えが大活躍。無事にベビーに会えたのでした。

Nちゃんのだんなさんに車で送ってもらい、駅近くのホテルへ。娘が「おなかがすいた」というので、となりにあった牛タンのお店でお弁当を買いました。ホテル内にコンビニエンスストアがあり、おやつを買えて便利。娘はトイレで何度かおしっこをして、早めにお風呂に入り、わりとすぐに寝ました。お昼寝がほとんどなかったので眠かったのですね。

子どもいす、食器も借りられた

朝ごはんはビュッフェで、子ども用のいすや食器セットも借りられました。それから娘がホテルでパンフレットを見つけて「行きたい」というアンパンマンミュージアムへ行くことに。大きめトートバッグは、両肩に持ち手をかけて背負うとリュック風に重さが分散されます。手をつないで黙々と歩きました。

旅先で長い時間、初めて歩けたのも思い出 なかのかおり撮影
旅先で長い時間、初めて歩けたのも思い出 なかのかおり撮影

到着すると、有料エリアは35分待ち。無料エリアで楽しもう。本屋さんで絵本をたくさん見て、アンパンマンの物語や原画を初めて知りました。ほかのお店を見たり、すべり台に行ったり。本屋さんに戻ってカードゲームも。キャラクターが描かれたトイレやパン屋さんもあって、2時間ぐらい過ごせました。

駅まで長い時間、歩き通せた

新幹線の時刻めがけて、早めに出発。「頑張って歩こう」と約束し、手をつないで駅まで歩き通しました。いままでは「抱っこー」「歩けないー」と言っていたのに! 娘も「ついたね」と喜んでいます。新幹線のホームでアンパンマンのパンを食べ(あんは残して)、座席でシール絵本を見たあと、満足してママに抱っこ。1時間ぐらい、ぐっすりでした。

駅についたら「おなかすいた」。おにぎりがいい、いすがないとイヤと希望が多い娘。お弁当屋さんのいすでおにぎりを食べ、バスで帰りました。さらに「カレーがいい」というのでいそいで作り、けろけろのバッグを手洗いして夜に。2日間、自由に過ごしたはずの夫は、帰って来て娘のちらかした部屋にむかついていました(笑)。

夫は母娘で楽しく遊んで来たって思ったみたいですが、3歳児と荷物をかかえての遠出は、どれだけパワーがいることか。娘を喜ばせたくて、ママはがんばっているのだよ。体力勝負だけど、べったりできるのも小さいときならでは。貴重な時間でした。

ジャーナリスト(福祉・医療・労働)、早稲田大研究所招聘研究員

早大参加のデザイン研究所招聘研究員/新聞社に20年余り勤め、主に生活・医療・労働の取材を担当/ノンフィクション「ダンスだいすき!から生まれた奇跡 アンナ先生とラブジャンクスの挑戦」ラグーナ出版/新刊「ルポ 子どもの居場所と学びの変化『コロナ休校ショック2020』で見えた私たちに必要なこと」/報告書「3.11から10年の福島に学ぶレジリエンス」「社会貢献活動における新しいメディアの役割」/家庭訪問子育て支援・ホームスタートの10年『いっしょにいるよ』/論文「障害者の持続可能な就労に関する研究 ドイツ・日本の現場から」早大社会科学研究科/講談社現代ビジネス・ハフポスト等寄稿

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