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育休からいつ復帰?出産前にしておくこと

なかのかおりジャーナリスト(福祉・医療・労働)、早稲田大研究所招聘研究員
出産前にしておくことは多い(写真:アフロ)

出産前にしておくことは意外と多い。まだ産んでいないのに、育休からの復帰時期を勤め先に届けたり、保育園を予約したり。妊婦服や入院中・産後に必要な最低限のものを用意し、健診やエクササイズで健康管理も。試行錯誤した体験を紹介する。

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妊婦さんへ・まめ情報編(子育て支援NPOサイトに連載した「アラフォー初めてママのときどきドキドキジャーナル」より)

2歳の娘がおなかにいたころの日記を開いたら、お伝えしたいことがあふれて、3回シリーズにしてみました。夫が海外に単身赴任中という特殊な状況ではありましたが、最終回はトライしたことや産前産後のグッズなど、こまごましたあれこれです。

いつ仕事に復帰するか届け出

初めに、仕事にいつ復帰するかですが…。まだ産んでないのに?って感じですよね。私は産休に入る前、会社に育休は1年半で届けました。1回は変更できると説明され、復帰を早めました。産後、保育園の空きが出る4月は逃せないと知ったのです。

公立で激戦の1歳クラスでしたが、単身赴任は優先点があり、幸いにも入れました。どうしてもこの時期に復帰したい!というママは妊娠中、順番待ちで空けば入れる都の認証保育園に予約したそう。保育園に入れなくて育休を延長し、4月を待って入園したママもいます。

妊婦服も試行錯誤

おなかが大きくなるのは生まれて初めて。手探りでした。重みで恥骨が痛くなり、毎日、骨盤ベルトを使いました。寝るときはあおむけが苦しいので、抱き枕を使って横向きに。

妊婦用のパジャマを通販で買うと、メーカーによってお相撲さん用?というぐらい大きかったり、ぴたぴただったりで交換したことも。百貨店の妊婦コーナーで買ったチュニックはあまり着なかったかな。授乳できる構造で着回せるのですが、オシャレ目的ではなく…。

プチプラ服やユニクロがお役立ち

普通のお店にも、おなかが入る服はあります。冬だったので、よく着たのは若者向けプチ・プライスのチュニックとカーディガンや、ゆったりしたコート。前開きのものは、授乳に抱っこの時期も活用できます。ベビーのお世話で汚れるので、自宅で洗えるシャツワンピースがおすすめ。

のびる毛糸のパンツや、ユニクロの一番大きいサイズのインナーは着られましたが、おなかが大きくなると妊婦用のタイツやレギンスは必要でした。

健診の高さにびっくり

夫が赴任する前には、おなかを出してマタニティフォトを撮りました。週数ごとに、鏡にうつして携帯カメラでも記録。おなかの皮が急激にのびると妊娠線がつくと聞き、オイルをそろえて塗り塗りしましたが、ベビーが大きくなってきたとき、みしみしっと線ができてショック! 主治医に「肌がのびるのは若い証拠よー」と励まされました。

ドキドキ体験はたくさんあります。週数に応じた健診は、自治体の助成券を使っても自己負担があり、高くて驚きでした。血液やベビーの様子を知る超音波など検査も多く、緊張…。

体重の増え方にも一喜一憂。私はスリムではなく「標準」の体形だったので、自分でプラス8キロまでと決めました。おなかに圧迫されて量を食べられず、何とかクリア。

ノンカフェインがお気に入り

大きなトラブルはなかったのですが、おなかが重いと早く歩けなくて、街で若い女性に「遅い!」と怒られたり、寒いお茶室で過ごしたらおなかがきゅうっと痛くなったり。

便秘にもなりました。足がつったときは、びっくり。特定の栄養が足りないため、妊婦はよくあるそうです。鉄分ドリンクがきいたのか、貧血にはならず。カフェインやお酒は受け付けなくて、友人にもらった妊婦向けハーブティーやノンカフェインのお茶を飲みました。

マタニティマークは見えないのか?

駅でもらったマタニティマークは、関心のない人もいますね。バッグにつけていても、電車の席が空いたと思ったら割り込まれた…。飲食店でやっと座れたのに、家族連れに「席を空けて」プレッシャーをかけられ、もめたことも。マークをもっと大きくしたらいいのかしら? 電車でつらいときは、こちらから声をかけると譲ってもらえました。

妊婦ならではのエクササイズもやってみました。つわりで弱った心身のリハビリにヨガスタジオのマタニティクラスへ。助産師さんが教えてくれるエアロビクスも体験しようと思ったのですが、主治医に「子宮口がやわらかいのでやめましょう。ヨガはいいですよ」と言われ断念。よく「お産に向けて動いて!」と言われますが、体調によりますね。

できなかった料理の教室へ

産休に入ったら、仕事ばかりでできなかったことを。お料理をならおうと教室へ。また、最後のランチ、とばかりにお店に足を運びました。奮発してバレエの公演にも行きました。おなかに「生のオーケストラ聴こうね」と話しかけ、すぐ出られるようにドア近くの席を確保して。産後すぐは行けない歯のクリーニングや、爪と髪のお手入れもしました。

ネット通販でたいていのものは買えるので、お買い物はシンプル派のママにリストアップしてもらいました。無添加の泡ソープは、抱っこしながら片手で洗えるから便利でした。台所のシンクに入るベビーバスや湯温計も。

最低限、必要と言われた新生児の肌着 なかのかおり撮影
最低限、必要と言われた新生児の肌着 なかのかおり撮影

入院中・産後のグッズは最低限で

ベビーの肌着は性別がなかなかわからなかったので、女の子っぽいものは買わず。入院に必要なグッズは病院で教えてもらえますが、前開きのロングパジャマ、おまたがぺりっと開くショーツ、授乳ブラジャーなど。

産んでから、病院で借りた搾乳&消毒グッズと同じものを注文。おむつも病院で使っていたメーカーを見て、近所のドラッグストアで。おむつはサイズや肌に合うかがあるので、一度に買いすぎないほうがいいみたい。

レンタル活用、ママごはんもストック

居間で過ごすときに使うベビーラックや、新生児OKのバギーはレンタルにしておき、どれを買うかは産後にじっくり考えました。ママのごはんとして保存がきく食材や、無添加の冷凍品を買っておきました。

なつかしく思い出すのは、出産前の静かな時間です。朝、おはようと呼びかけると、寝ぼけているのか弱めにぽこんぽこんと動くベビー。夜のお風呂では足の形がわかるぐらい、元気よくぐりんぐりんとけりました。

ベビーと一体の幸せを味わってくださいね。産前産後をすこやかに過ごせますように。

ジャーナリスト(福祉・医療・労働)、早稲田大研究所招聘研究員

早大参加のデザイン研究所招聘研究員/新聞社に20年余り勤め、主に生活・医療・労働の取材を担当/ノンフィクション「ダンスだいすき!から生まれた奇跡 アンナ先生とラブジャンクスの挑戦」ラグーナ出版/新刊「ルポ 子どもの居場所と学びの変化『コロナ休校ショック2020』で見えた私たちに必要なこと」/報告書「3.11から10年の福島に学ぶレジリエンス」「社会貢献活動における新しいメディアの役割」/家庭訪問子育て支援・ホームスタートの10年『いっしょにいるよ』/論文「障害者の持続可能な就労に関する研究 ドイツ・日本の現場から」早大社会科学研究科/講談社現代ビジネス・ハフポスト等寄稿

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