初の絵本も話題のクリエイター芸人・山﨑おしるこがダンゴムシに込めた思い
女性コンビ「ねこ屋敷」としてセンスあふれるネタで頭角を現し、2022年に解散後は同期の渡邉直樹さんとの新コンビ「ムームー大陸」を結成した山﨑おしるこさん(29)。所属の吉本興業の出版プロジェクトをきっかけに出した初の絵本「だんごむしまつり」が話題になるなどクリエイターとしても注目されていますが、ダンゴムシに込めた思いとは。
去年、吉本興業の出版プロジェクトで機会をいただきまして、絵本を出すことになりました。テーマを何にするのか。それを考えた時に出てきたのがダンゴムシだったんです。
もともと生き物だとか虫も好きな子供だったんですけど、数年前にダンゴムシのかわいいおもちゃを手にした時に、直感的に「かわいい」と思ったんです。それ以来、実際に家で飼育するようになり、いろいろ生態を見る中で、もっと惹かれていきました。
皆さん、子供の頃に一回くらい公園でダンゴムシを手に取って丸まらせて遊んだりしたことはあると思うんです。
でも、実際に飼育して観察すればするほど、本当に愛くるしい生き物だなと思うようになっていったんです。
毒もない。攻撃性もない。やることは丸まって身を守るだけ。なんと健気な生き物だと。
さらに、普段目にするのはねずみ色のダンゴムシだと思うんですけど、世界には本当にたくさんのダンゴムシがいる。それぞれに特徴もある。
存在自体が健気。やさしい。しかも種類が多くて、ある種、多様性もある。なんと奥深い生き物なんだと思って題材にさせてもらいました。
劇団四季のミュージカル「キャッツ」じゃないですけど、いろいろなダンゴムシがそれぞれの思いを持ちながら生きている。そんな世界が作れたらなと思ったのがこの絵本の着眼点であり、込めた思いでもありました。
ダンゴムシの世界にもいろいろなダンゴムシがいて、それぞれが健気に生きている。そこから何かを感じてほしいなんてことは烏滸がましいことですけど、読んでくださった方がそれぞれに何かを感じてくださったら、それはそれでうれしいことだと思っています。
今回は絵本という形でしたけど、お笑いなのか、ボーカルをやらせてもらっているバンドなのか、形は変わるのかもしれませんけど、何かを発信できる。
それがこの仕事の意味でもあると思うので、そういうことがこれからも続けていけたらなと考えています。
(撮影・中西正男)
■山﨑おしるこ(やまさき・おしるこ)
1994年12月20日生まれ。福岡県出身。本名・山﨑愛子。吉本興業所属。大阪芸術大学卒業。NSC大阪校40期生。別のコンビを解散し、22年に同期の渡邉直樹と男女お笑いコンビ「ムームー大陸」を結成する。23年に行われた吉本興業主催の「出版チャレンジ塾」をきっかけに描いた初の絵本「だんごむしまつり」が発売中。3月31日にはMCとしてお笑いコンビ「エルフ」を迎え、出版記念トークショーを東京・芳林堂書店高田馬場店で開催する。3月30日にはボーカルを担当するバンド「ジュースごくごく倶楽部」のライブが東京・豊洲PITで行われる。