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野沢直子が痛感する老いと、見据える人生のゴール

中西正男芸能記者
還暦を前に、今の思いを語る野沢直子さん(写真は所属事務所提供)

 20代からオンリーワンの存在として活動し、30代で渡米、結婚したタレント・野沢直子さん(59)。長女で総合格闘家の真珠・野沢オークライヤーさんら3人の子どもの母でもありますが、来年3月で還暦を迎えます。来月には今の思いを込めたエッセイ「老いてきたけど」と小説「半月の夜」を上梓。日々迫りくる老いへの不安。そして、見すえる人生のゴールを明かしました。

老いへの不安

 このタイミングで本を2冊出すことになりまして。というのもね、来年で還暦なんですけど、やっぱり感じるんですよね。ひしひしと迫りくる老いを(笑)。

 それをテーマに本を書いてみようかとなったんですけど、非常に良い反応をいただき、小説とエッセイ、同時期に2冊出すことになりました。

 ただ、単にネガティブなことを書き連ねるわけではなく「ま、みんなそんなもんよ!」と前向きになれるような中身にすることを心がけました。

 私も完全にそうですけど、この歳になってくると、子育てや仕事も落ち着いてきて、やっと自分の時間ができるのかなとも思うんです。ただ、たまには好きなものをパーッと食べようと思って行くと、これがね、胃袋がついてこない(笑)。若い時にできていたことはそうはいかなくなる。こんなはずじゃなかったのに。この思いは絶対にあるんです。

 あと、シンプルに見た目の劣化も感じますしね。鏡を見るたびにほうれい線がくっきりしてくるし。

 頭の老化もしっかり来てますしね。集中力もなくなってます。例えば、コンタクトレンズを右目に入れた後に「そういえば、歯磨き粉を買ってたかな…」と洗面所に見に行って、戻ってきたらもう一回コンタクトを右目に入れてますから(笑)。ホントにね、そんなことの連続ですよ。

 仕事も頑張ってきた。家庭のためにも頑張ってきた。やっと自分のために時間を費やしてもいいんだというターンが見えてきたのに今の自分にがっかりする。

 SNSを見ていても今の流行りについていけないし、そうなると、世の中から蚊帳の外になっているというか、若い子らから疎外されている感覚にもなる。そりゃ、もうこんなこと言い出したらキリがないですよ(笑)。

人生の最終目標

 ただね、若い頃と同じではないかもしれないけど“人生100年時代”と言われる世の中になってきましたから、私たちの年代でも時間はまだあるとも言えるんです。

 もちろん先のことは分からないですけど、元気にいられたなら、あと30年くらいは何かできるんじゃないか。その時間を考えると、若い頃にやりたかったけどあきらめていたようなことを一からやってみるのもいいんじゃないか。

 歳を取ったことをマイナスにとらえるのではなく、もっと楽しい解釈ができないか。それを提案できたらなと今は思っているんです。今回の2冊の本もそうですし。

 来年3月で還暦。ま、一つの節目ではありますけど、還暦を特別意識するという感じではなく、来年は髪の毛を赤く染めて服装も赤を基調にして過ごしてみようかな。せっかくのタイミングだから。そんなきっかけをもらったという感じでとらえていますかね。

 今振り返ると、20代はテレビに出ていた時間だったなぁと感じますし、30代はアメリカに行って、結婚して、子どもができた。40代はとにかく子育て。50代になって少し落ち着いてきて今。ここからまだ続きますからね。

 ゆくゆくは、面白いおばあちゃんになってたい。それが今の最終目標です。

 アメリカで暮らしていると余計に感じますけど、今はSNSがありますし、そこから発信することで国も、年代も超えられる。

 90歳になっても派手なメイクをして、バカバカしい写真を撮ってアップする。それをいろいろな人に見てもらって「すごいばあちゃんがいるんだなぁ」と笑ってもらう(笑)。

 そんなことができていたら、この先も楽しいでしょうしね。そうなったら、良い時間を重ねてきたと思えるだろうなと考えているんです。

■野沢直子(のざわ・なおこ)

1963年3月29日生まれ。東京都出身。本名はナオコ・オークライヤー。高校在学時にテレビ東京系「ドバドバ大爆弾」に出演し、テレビデビュー。その後、叔父・野沢那智の仲介で吉本興業に所属する。83年に芸能界デビュー。「ダウンタウン」「ウッチャンナンチャン」らと共演したフジテレビ系「夢で逢えたら」、日本テレビ系「クイズ世界はSHOW by ショーバイ」などで人気を得るも、91年、芸能活動休止を宣言し渡米する。バンド仲間として知り合ったアメリカ人男性と結婚し、長女、二女、長男が誕生。長女の真珠・野沢オークライヤーは総合格闘家として活躍している。10月5日にエッセイ「老いてきたけど」を、10月11日に小説「半月の夜」を上梓する。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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