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「ガキ使」の「山-1グランプリ」優勝。現役女子高生芸人・はっぴちゃん。を衝き動かす思いとは

中西正男芸能記者
「山-1グランプリ」で優勝した現役女子高生芸人のはっぴちゃん。

 2月13日深夜に放送された日本テレビ「ガキの使いやあらへんで!!」の企画「山-1グランプリ」で優勝した現役女子高生芸人のはっぴちゃん。(16)。松竹グループの大型合同オーディション「松竹ジャパングランプリ2019」で審査員特別賞を受賞したことをきっかけに芸能界での活動を始め、今回の戴冠で注目度が急上昇していますが、はっぴちゃん。を衝き動かすエナジーの源とは。

歌手志望から芸人の世界へ

 今回「山-1グランプリ」で優勝できたことももちろんうれしいんですけど「山-1」を受けることになったきっかけというのが、また本当にうれしいものだったんです。

 今から1年ほど前に別番組でネタをやっているのをスタッフさんが見てくださっていて、それをもとに声をかけていただいたんです。

 「頑張っていたら、誰かが見てくれている」。よく、話としては聞きますけど、本当にそうなんだなと教えてもらいました。何重にも、うれしいことでした。

 小さな頃から歌手になりたくて、小学1年からミュージカルスクールに通わせてもらっていたんです。

 その頃は芸人さんという選択肢は考えてなくて、とにかく歌手に結びつくような大きなオーディションを受けようと思っていて。実際、3つほど受けたんですけど、どのオーディションでも最終までは残るけど優勝までは届かない。そんな状態だったんです。

 ただ「松竹ジャパングランプリ2019」を受けて審査員特別賞をもらった時に、松竹は松竹でも松竹芸能の担当者さんから「芸人という道はどう?」という打診をいただいたんです。

 先ほどもお話をしたように芸人という選択肢は自分の中になかったんです。でも、よく考えたら、小さな頃から自分がしゃべっていることで周りの人が元気になってくれていたかなと。

 さらに、いろいろなオーディションでも、結果的に評価してもらっているのはおしゃべりのところだったりもしたので、だったら、そちらの方に思い切って進んでみようか。そう思ったのが芸人の世界に足を踏み入れるきっかけでした。

クロちゃんからの学び

 今回、初めて一番という賞をもらって本当にうれしかったです。たくさんの方がオーディションも含めて参加された中で一番をいただく。この意味は本当に大きいと思いますし、特別な感覚になりました。

 ウチはママが一人で私を育ててくれているので、やっとママやおじいちゃんに喜んでもらえる第一歩というか、入口に立てたような気がしました。

 今回のこともそうですし、少しずつですけどお仕事も増えてきて、いろいろな方々とご一緒する機会が増えてきました。

 この間、千葉テレビの番組で事務所の先輩でもある「安田大サーカス」のクロちゃんさんとご一緒させてもらったんです。

 テレビで見ている印象だと、私が言うのも変な話なんですけどムチャクチャみたいなイメージもあったんですけど(笑)、本当に優しさが溢れる方で驚きました。

 あんまり言っちゃうと営業妨害になるのかもしれませんけど、私が「シロちゃんさん!」とか言っても全部受けてくださいますし、司会のアナウンサーさんとか、普通ならそこまで注目が集まらない方々にも一人一人出番を作るというか、細やかにそういうことをされているんですよね。みんなに光を当てるというか。

 やっぱり、世の中から求められる人はそれだけ優しいし、広い視野も持ってらっしゃるし、私はまだまだ何もできないんですけど、そういうところを目指したいなと思うきっかけをいただきました。

原点と武器

 まだ16歳の自分が何を言ってもおこがましいですけど、私の一番のアピールポイントは皆さんに元気になってもらえるところ。そして、そこは私が一番頑張らないといけないところとも結びついていると思っているんです。

 ママがパパと別れてシングルになって、一生懸命に働いて私を育ててくれているんですけど、ママはガラスのハートなところもあって。そこは私も気にかけているところではあるんですけど、私がミュージカルスクールに通い始めて、ママがすごく喜んでくれたことがあったんです。

 私がステージで頑張っている姿を見て、ママが「ありがとうね。本当に元気をもらったから」と言ってくれたんです。

 ママに元気を渡せる。ハッピーを届けられるのは私しかいない。だったら私がもっと頑張るしかない。それが今のはっぴちゃん。の原点だと思うんです。

 特に今は新型コロナの時代ですし、少しでもそのハッピーの力を多くの人に渡したいと思いますし、そのためにはたくさんの番組にも出ないとダメですし、結局ははっぴちゃん。が頑張るしかないんですけどね(笑)。

 そして、たくさんの人に喜んでもらって、いつになるかは分からないんですけど、ママに大きな家を建ててあげたい。それが今の目標です。

 もともとママは小さな家に住んでいたんですけど、パパがお金持ちだったので結婚してからしばらくはすごく大きな家に住んでいたんです。

 でも、パパがいなくなってまた小さなところに住むようになりました。今度は私が頑張ってママに大きな家を建てる。パパと住んでいた家よりも大きな家を建てる。それができるように頑張る。いつか、いつか、できたらなと。

 なんか、まじめな話になってスミマセン(笑)。

 「山-1グランプリ」では初めてお会いする「ダウンタウン」さんに緊張しないように「ずっと目の焦点を合わせずにネタをしていた」というボケも考えてきたんですけど、もう効き目は薄いですよね(笑)?

(撮影・中西正男)

■はっぴちゃん。

2005年9月20日生まれ。大阪府出身。「松竹ジャパングランプリ2019」で審査員特別賞を受賞し、芸能界入り。底抜けに明るいキャラクターとオンリーワンの存在感で注目される。日本テレビ「ガキの使いやあらへんで!!」の企画「山-1グランプリ」で優勝した。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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