YouTubeチャンネル登録者数173万人の動画クリエイター・カルマさん。昨年から1年間活動を休止した後、今年7月からエイベックス所属となり新たな一歩を踏み出しました。オンリーワンの存在感を見せますが、その原点を語りました。

 小さな頃から「有名人になる」という思いを持っていて、16歳で東京に出てきました。

 ただ「有名人になる」というのは超アバウトじゃないですか。何から始めていいのかも分からない。なので、養成所に入ったりもしたんですけど、自分の中でその仕組みだとか流れが落とし込めなかったんです。

 かといって、原宿でスカウトされてそこから一気にスターというのも難しいし、なかなか道が見いだせずに養成所も辞めて、数年が経ってたんです。

 その頃になると、アルバイトも掛け持ちして、一日の中でアルバイトをしている時間が一番長い状況になってしまっていました。

 これではアルバイトをするために東京に出てきたことになってしまう。本腰を入れ進みたい道を進む。それを考えた時に選んだのがYouTubeだったんです。

 養成所に入ったり、オーディションを受けてスターを目指すというのも、結局はそれをやっている側が決めたルールで、方法で、勝負をしないといけない。

 仮に、自分が「その勝負をしても意味がないのでは?」と思っていても、そのルートで上を目指すのであれば、向こうが提示した方法で勝たないといけない。

 売れるということは、言わば大衆を振り向かせることであって、会議室でプロデューサーさんを振り向かせることではない。それならば、既存のルートで進もうともがくのではなく、間を挟まずに直接訴えかけて大衆を振り向かせる。それがYouTubeであり、自分のやり方の正当性を証明する形になると思ったんです。

 自分なりのYouTubeのロジックを考えて「こうやったら確実に登録者数100万人はいく」ということ。そして、その“名刺”を手に、こうやって取材を受けているくらいところまでは始める前にイメージはしていました。

 多くの方に見てもらう方法として、どんどん視聴者さんを追うような形にYouTubeはなっていったと思うんですけど、僕は「チャンネル登録してね」と言ったことがないんです。一番良いのは追うのではなく、追われること。そうなるように考えていきました。

 普通を普通として受け入れないというか、自分の教科書は自分で作る。クソガキみたいな言葉になりますけど(笑)、これは子供の頃からやってきたことでした。

 例えば、小学校で「隣町のあのお店まで競争します」というようなことがあったとして、同級生のみんなは少しでも近そうな道を探したり、抜け道を考えてゴールに向かう。

 一方、僕の考えとしたら「そんなことよりもヘリを使った方が速くない?ダメとは言われてないわけだし」という感じのものだったんです。

 「普通、それはやらないよ」ということをやる。なぜやらないのかをみんなきちんと説明もできないし、誰かがやった後にみんながついてきたりもする。そういうルートを常に模索していた子どもだったと思います。

 そうやって自分の感覚に則ってこれまでやってきたんですけど、エイベックスに入ろうと思ったのはお話をした皆さんとのバイブスが合ったのも大きいし、今後、自分が目指していくべき方向との親和性が高いかなと思ったんです。

 これまでは自分が作品を残してきた側なので、今後は一つの方向として何かの作品に出てみたいというのはあります。

 大きな可能性を感じているのはネットフリックスでもありますし、その中で新しいジャンルを作れたらと思っています。

 そして、少なくとも数年の間で、ネットとマスメディアの両方で活躍できる人間。それになりたいと思っています。

 どちらかで活躍している人はいますけど、両方という存在はまだいないと思うので、それを何と呼ぶかもまだ生まれていない概念だと思うんですけど、そこに自分がなれたらなと思っています。

(撮影・中西正男)

■カルマ

動画クリエイター。YouTube登録者数155万人を誇る中、2020年夏から1年間活動を停止。死亡説や失踪説も出たが、今夏、記者会見を行い復活する。現在はさらに登録者数を増やし173万人となっている。11月18日ローンチのスマートフォン向けアプリ「グランサガ(Gran Saga)」のデジタルアンバサダーにも就任。エイベックス所属。