Yahoo!ニュース

話題の15歳。俳優・池田優斗を後押しする言葉

中西正男芸能記者
話題作に次々と出演している池田優斗さん

 フジテレビ「青のSP―学校内警察・嶋田隆平―」、NHK「ここは今から倫理です。」など話題作に次々と出演し注目を集めている俳優の池田優斗さん(15)。6月18日からディズニープラスで配信されるディズニー&ピクサーの最新作「あの夏のルカ」では主人公の親友、アルベルト・スコルファノ役を務め、アグレッシブに自らの可能性を広げています。日々成長を遂げていますが、その根底には上野樹里さんからもらった言葉の力があるといいます。

難しいからこそ

 普段はドラマや映画のお仕事をさせてもらうことが多いので、今回のように声だけで表現するお仕事の難しさを改めて感じました。

 映像のお仕事だと、実際に目の前に相手がいるので、その距離感で話したり、セリフのリズムも自分の感覚でできる。でも、声優のお仕事は既に決まった画があるので、そこに合わせないといけない。確かに、難しい。でも、だからこそ良い経験をさせてもらいました。

 新型コロナ禍でなかなか楽しいことがない中で、ウキウキするようなシーンもたくさんありますし、映像を見ているだけで心が解放されるような作品になっていると思います。そういう意味でも、今だからこそ見てもらいたい作品だとも思っています。

成長とともに出る迷い

 お母さんに聞く話だと、小さな頃にドラマ「ブラッディ・マンデイ」(TBS)が再放送されていて、それをすごく一生懸命に見ていたそうなんです。そして「やってみたい」ということを言っていたと。それプラス、人見知りを全くしなかったそうで、近所の人にもためらいなく、ガンガン挨拶していたと(笑)。

 そういう様子を見て、お母さんが「この子は、人前に出るのが苦じゃないのかな」と思って、習い事感覚で今の仕事を始めさせてみたそうなんです。

 その見立てが合っていたのか、最初は僕もただただ楽しいという感覚でした。周りに大人がたくさんいるけど、そのプレッシャーよりも自分を見てもらえている喜びの方が強い感じだったと思います。

 ただ、そこから年齢を重ねていって、中学に入る頃になると、自分の考えというものも出てくるんですよね。それまでは監督さんの言う通りにやっていたんですけど、自分の考えが出てくると、それが迷いにつながっていく。その頃から、それまでのただただ楽しいという時期から、次のところに行った気がしています。

 そんな中で、意識を変える作品になったのが「青のSP―」でした。これまで経験したことのない、やんちゃではっちゃけた役をさせてもらい、出演者がたくさんいる中でいかに自分を出すか。それを日々考える中で、人として、役者として、成長させてくれた場だったと思っています。

「“普通”を大切に」

 あと「青のSP―」の一つ前の作品として「監察医 朝顔 第2シリーズ」(フジテレビ)にゲスト出演をさせてもらったんです。そこで、主演の上野樹里さんとお話をさせてもらって、本当にありがたい言葉をいただきました。

 「役者の仕事をやっているから、一般の人と違うことをやる。そうじゃなくて、優斗君らしく、しっかり学校の勉強も頑張って、部活も一生懸命やって、“普通”を大切に、生活してほしい。役者はそういう“普通”の中から得ることが多い仕事だから」。

 実は、この言葉がすごく背中を押してくれたんです。

 もともと、勉強でも、部活でも、やる以上はしっかりやろうと考えていたんです。でも、仕事もある中で、何をどうするのが一番なのか。そこの迷いも出てきていたところでの上野さんの言葉だったので、自分が頑張ろうと思っていたことが間違っていなかったというか。そういう感覚をいただいたことが自信になったんです。

 そこから自分の中のブレがなくなって、それが「青のSP―」にもつながっていったんだろうなと。本当に大切な言葉をいただきました。

 これからもっと頑張らないといけないんですけど、いつかは、人をひきつけられる、人に影響を与えられる芝居ができるようになっていきたいなと思っています。

 あと、体の成長というか、身長ももう少し伸ばしたいとは思っています(笑)。今は167センチなんですけど、まずは170センチ。高望みはしないですけど、もう少し伸びてくれたらなと。なので、今はガチガチに筋肉をつけすぎず、背が伸びやすい?ような穏やかなトレーニングをやりながら、成長を待っています(笑)。

(撮影・中西正男)

■池田優斗(いけだ・ゆうと)

2005年6月25日生まれ。埼玉県出身。ワタナベエンターテインメント所属。母親の勧めで子役活動を始め、5歳からCMなどに出演。11年、WOWOWドラマW「深追い」でテレビドラマに初出演。その後も、TBS「ウロボロス~この愛こそ、正義。」やフジテレビ「監察医 朝顔 第2シリーズ」「青のSP―学校内警察・嶋田隆平―」、NHK「ここは今から倫理です。」、NHK大河ドラマ「西郷どん」「麒麟がくる」などに出演する。映画も、14年の「キカイダー REBOOT」への初出演から始まり「ひとよ」(19年)、「糸」(20年)、「キャラクター」(21年)などに出演。15年には「エリザベート」で舞台にも進出する。6月18日からディズニープラスで配信されるディズニー&ピクサーの最新作「あの夏のルカ」では主人公・ルカの親友、アルベルト・スコルファノ役を務めている。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

中西正男のここだけの話~直接見たこと聞いたことだけ伝えます~

税込330円/月初月無料投稿頻度:月3回程度(不定期)

1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

中西正男の最近の記事