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「プレバト!!」で再注目。女優・渋谷飛鳥が語る「サザエさんはシンデレラにはなれない」

中西正男芸能記者
「プレバト!!」で再注目される渋谷飛鳥(写真は所属事務所提供)

 TBS「渡る世間は鬼ばかり」で眞(えなりかずき)の元ガールフレンド・吉野杏子役としても知られる女優・渋谷飛鳥さん(32)。今年5月には画力を生かしMBS「プレバト!!」に出演、話題となりました。多岐に渡り、才能を発揮していますが、常に胸の奥にあるのは母親からもらった言葉だと言います。

絵がうまいとは思ってなかった

 5月に「プレバト!!」に水彩画のコーナーで出していただいた時は、反響がとても大きくて。親戚とか友達とか、あらゆる方から連絡が来て、自分のことながら「こんなに見てもらったんだ」と驚くくらいでした(笑)。

 自分では、そんなに絵が得意とは思ってなかったんです。というのは中学時代から、周りの友達みんな絵が上手で。実際、中学の友達はみんなデザイナーとかアニメとか、絵を描くことを生かした仕事に就いたので、その中でいうと、自分がうまいなんて思わなかった。それが正直なところだったんです。

 ただ、絵を描くこと自体は好きではあったんですけど、また本格的にというか、絵を描くきっかけをもらったのが2009年に出演した舞台「最後の忠臣蔵」だったんです。

 出番があまり多くなかった作品だったので、待ち時間もたくさんあって、隣の楽屋だった長谷川稀世さんが「あなた何をしてるの?」と声をかけてくださったんです。長谷川さんは絵を描いてらして「あなたも書いてみたら?」と言われて、すぐに近くの100円ショップで2Bの鉛筆と自由帳を買ってきて、描いてみたんです。じゃ、長谷川さんがその絵を見て、すごく誉めてくださいまして。

 「上手なんだから、もっといい画材を使って描きなさい」と言われて、翌日にすごく良い画材セットを買ってきてくださったんです。せっかくいただいたので、だったら、何かしなきゃと思って、共演している方々の似顔絵を描いて千秋楽にプレゼントしたんです。そうしたら、みなさんすごく喜んでくださったんです。

 そうやって絵を描くということを表に出しだしたら、マネージャーさんがYouTubeをやってみませんかといってくださった。スキルがあるから、前に出しませんかと。「え、YouTubeなんて、私ごときが参入するところじゃないよ…」という思いもあったんですけど、絵の苦手な人でもこういう描き方をしたら描きやすいですよというような動画をアップさせてもらいまして。じゃ、それを見た方がまた違う方に話をしてくださり、そういう流れが続いて「プレバト!!」までつながったんです。

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母からの言葉

 こういう場で言うのはあまり良くないのかもしれませんけど、私はこれまで全然芽が出なかったんです。こういう取材をしていただく機会もあまりなくて。とにかくいろいろなことをやってきたんです。自分で勉強したり、スキルとも言えないようなタネをまいてきた。100円ショップ、リアル脱出ゲーム、銭湯、書道、そして、絵と…。

 タネをまき続けてきたら、ずっと自分が出たいと思っていた番組「プレバト!!」にたどり着いた。まき続けていたら、予想もしないところで縁がつながって、物事が前に進むこともあるんだ…。それを今回、強く感じました。

 あと「プレバト!!」に出ることになって、母から言われた言葉がありまして。それが「サザエさんはシンデレラにはなれないよ」というものでした。

 私はお仕事を前にすると、すごく緊張するんです。実際「プレバト!!」も収録が近づいてくると、本当に緊張してしまって。そこで母がその言葉を言ってくれたんですけど、その瞬間、それまでの思いがスッと変わったというか、肩の力が抜けたというか。不思議なくらい、そんな感覚になったんです。

 私、普段が完全にサザエさんなんです(笑)。ポストに手紙を入れるついでにコンビニに行こうと思って、買い物だけして手紙を出さずに帰ったり。「しまった!」と思ってポストに向かって走っていったら、手紙が机の上に起きっぱなしだったり…。そういったことが日常茶飯事で、妹が私が失敗したことをメモする“失敗日記”をつけるくらい、本当に毎日何かの失敗をするんです(笑)。

 なので、完全におっちょこちょいなんですけど、でも、女優さんって、キラキラしてて、みんなの憧れになるような存在でないといけない。私も、そこを目指さないといけない。ずっとそんな焦りみたいなものもあったんです。

 でも、母の言葉で、その焦りがサッと消えたと言いますか。もともと、タイプが違うんだ。だったら、無理をして、そちらに行かなくてもいいんじゃないか。そう考えるようになったんです。

 それにしても、妹が日記をつけるくらいのミスの仕方はかなりですよね…。無理してシンデレラにはならなくてよいかもしれないけど、純粋に、ミスを少しは減らす努力はしていきたいと思います(笑)。

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■渋谷飛鳥(しぶや・あすか)

1988年7月13日生まれ。新潟県出身。オスカープロモーション所属。 2002年、第8回「全日本国民的美少女コンテスト」のグランプリを受賞しデビュー。TBS「渡る世間は鬼ばかり」では眞(えなりかずき)の元ガールフレンド・吉野杏子役を演じる。13日放送のMBS「プレバト!!」に出演。また、18日放送のMBS「教えてもらう前と後」にも出演する。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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