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元劇団四季・雅原慶の挑戦「歌わない自分から歌う自分へ」

中西正男芸能記者
歌への思いを語る雅原慶

 劇団四季時代、数々の作品で主要キャストを務めた雅原慶(みやはら・けい)さん(34)。2016年末に退団し、その後、太田プロダクション所属となり、さらに活動の幅を広げています。12月13日には「雅原慶3rd Live 2019」(東京・ヤマハ銀座スタジオ)も開催。劇団四季時代とは違う景色に出会う日々ですが「劇団四季の時は、分かりにくい表現ですけど、歌っているんだけど歌っていなかった。今、初めて歌っているんです」と新たなチャレンジを明かしました。

再び“一年生”に

 2016年の末まで劇団四季にいまして、本当にありがたい話、主演もやらせていただくようになりました。

 ただ、これは私の感覚ではあるんですけど、ずっと同じところにいると、ある意味、いろいろな状況も分かってくる。もう一つハングリーになるというか、もう一回、一年生になるというか。それが必要だなと思ったんです。自分ができないものにチャレンジしたいなと。

 もちろん、ずっとやり続けることの素晴らしさもあるんですけど、私はまた別のことを考えたので、外に出ようと。人生の歩み方として、新しいこと、新しい人、新しいルール。そういうものと出会って、新しい成長ができればと思ったんです。

 今回で3回目となるライブも12月13日にさせてもらうんですけど、1回目も2回目も全てセルフプロデュース。自分で企画して、アレンジとかそういう部分も自分でやって開催してきたんです。

 それが今回からは、ご縁がありまして、演出の方に入っていただくことになったんです。その方は、やしきたかじんさんのマネジメント、プロデュースをやっていた方なんですけど、初めて第三者の方の“目”を入れてみようかと。

 もちろん私も意見をお伝えしたりはするんですけど、選曲にしても、今までの私ではやらなかったようなことを提案してもらっています。高橋真梨子さんとか財津和夫さん、中島みゆきさん、ASKAさん、山下達郎さんとか、これまで歌ってこなかった方々の曲を歌ったり。

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劇団四季では“歌っていなかった”

 今、太田プロダクションさんでお世話になっているんですけど、いろいろな舞台に出させてもらっています。畑違いと言いますか、劇団四季の時にはお会いしなかった方々とたくさんの出会う。芸人さんもいらっしゃるし、若いイケメン俳優さんもいらっしゃる。

 いろいろな方がいらっしゃるということは、私のこともいろいろな目線で見てくださるんですよね。「こういうことができそうですよね」と今まで私自身も気づかなかったことをポンと言ってくださったり。

 すごく根本的というか、根源的な話になりますけど、私、実は歌を歌うことに興味がなかったんです。そう言うと語弊があるのかもしれませんけど、ミュージカルの中では“歌わないといけないから歌っていた”んです。

 お芝居の中で、例えば、男と女が出会って恋に落ちる。気持ちがどんどん高まっていって、その中で自然に歌になる。それがミュージカルにおける歌なんです。

 普通に端から見たら「ミュージカルで歌うのも、歌を歌として歌うのも同じじゃないか」と思われるかもしれないですけど、実は、それは似て非なるものというか、全然ベクトルが違うものなんです。

 だから、よくミュージカルでは歌を歌うなと言われるんですね。歌うんじゃなくて、ただセリフに音符がついているだけという感覚で。

 ミュージカルの中の歌って、あくまでも起承転結の中の一部としての歌なので、その時の、その役の心境が伝わればいいんです。なので、そこで本当に歌を一曲歌うように出力高く歌っちゃうと、ドラマが切れちゃうんですよね。お客さんがしらけてしまうと言いますか。

 なので、私も実際に(劇団四季芸術総監督の故)浅利慶太さんから「てめぇの歌なんて、聞きたくない!」とよく怒られもしました(笑)。

 だけど、こうやってライブをやるとなると、それはミュージカルの歌ではなく、しっかりと一曲聴かせる歌を歌わなくてはいけない。同じ歌じゃないかと思われるかもしれませんけど、実は、このシフトチェンジみたいなところに今チャレンジしているところなんです。

 なので、そもそも、歌うことに関しては「私はプロじゃない」と思っていたんですけど、今回のプロデューサーさんが「あなたはCDを出せる」と言ってくださったり、これまでのファンの方々が「また歌を聴きたい」と言ってくださったり。そういう言葉に後押しされて、じゃ、ちゃんと歌を歌ってみようと思ってやり始めたのが今回で3回目になるライブだったんです。

 そして、ミュージカルの中でやってきた私だからこそできる歌い方もあるのかなと。一回目、ライブをした時にお客さんからいただいた言葉が「歌詞がスッと入ってくる」ということでした。

 今の人たちは歌っていても、何を言ってるのか分からない。情景が浮かばない。特に年配の方がそうおっしゃるんですけど、私の歌を聴いてくださった方が「あなたの歌詞で情景が浮かんで、涙がぽろっと出てきた」と言ってくださいまして。それは私がミュージカルをやってきたからこそかもしれませんし、私もそういう歌手になっていきたいと思っているんです。

化学反応を求める心

 来年も、ベースは最大の武器であるミュージカルをやっていきたいと思っています。ただ、自分の性格的にも、それのみならず、また新しいこともやっていきたいなと。今年、新しくプロデューサーさんに入っていただいてライブを作ったように。

 あと、コラボレーションもしたいですね。自分と違うものと何かをした時って、化学反応が起きるんです。そうなった時に、自分も驚くほど知らない力が出てくる。一人でできることって限られてくるので、何かと融合して、変わっていけたらなと。

 ふざけた物言いになってしまうかもしれませんけど、すごく具体的なことで言うと、島津亜矢さんと歌いたいとか(笑)。あの方の歌は本当に素晴らしい。ま、私が言うまでもなく、皆さん、ご存知だとは思いますけど、演歌だけでなく、ミュージカルを歌われても絶対にうまいと思います。その島津亜矢さんと自分が一緒に歌ったら何が生まれるんだろうと…。

 それこそ、今、お世話になっている太田プロさんのお力を借りて、なんとか、そんな化学反応を起こしていけたらなと。島津亜矢さんとの接点ですか?それは全くないんですけどね(笑)。完全に勝手に言ってるだけなんですけど…、せっかくいろいろなことができる環境にあるので、自分で限界を定めずにいろいろな動きができたらなと思っています。

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(撮影・中西正男)

■雅原慶(みやはら・けい)

1985年1月14日生まれ。兵庫県出身。立命館大学卒業後、クラシックバレエやジャズダンス、タップダンス、声楽などのレッスンを重ね、2007年に劇団四季研究生オーディションに合格。08年に「マンマ・ミーア」で初舞台を踏む。 「アイーダ」のアイーダ役、「ウィキッド」のヒロイン・エルファバ役などメインキャストとして活躍する。16年末で劇団四季を退団し、2018年からは太田プロダクション所属。12月13日には「雅原慶3rd Live 2019」(東京・ヤマハ銀座スタジオ)を開催する。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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