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「ガレッジセール」ゴリが考える“恩返し”

中西正男芸能記者
沖縄への思いを語る「ガレッジセール」のゴリ

 司会者、俳優としても活動するお笑いコンビ「ガレッジセール」のゴリさん(47)。近年は「洗骨」(2018年公開)など映画監督としても評価されていますが、ライフワーク的に取り組んでいるのが今年で6回目となる「おきなわ新喜劇」です。今月、来月と東京、大阪、沖縄をツアーする一大イベントですが、根底にあるのは沖縄への恩返しでした。

舞台からの景色

 40歳を超えると、自ずと「残りの人生、半分を切ったか…」と思うんですよね。やっぱり、人間、歳を取ると故郷に恩返しがしたくなるのか、何かしら沖縄に残したい。その思いが年々強くなってきました。

 正直な話、ここまで「ガレッジセール」がご飯を食べられるようになったのも、沖縄出身だったからというのも大きかった。沖縄出身だから物珍しく見てもらえ、沖縄出身だから現地でのロケにも行かせてもらって。だからこそ、沖縄にお返しができないか。その思いは根底にはずっとあったんですけど、それがさらに強くなってきたというか。

 今から10年前くらいですかね、吉本新喜劇さんにゲストで出させてもらったんです。その時に、舞台の上から客席を見て感動したんですよ。というのは、お年寄りから子どもたちまでお客さん全員が心底笑っているんです。

 僕も、もちろんコントなどで舞台には立たせてもらいましたけど、ここまで老若男女がみんな笑っている光景を見たことがない。それを見た瞬間、本来、こちらが楽しませる側なのに、僕自身がとても幸せな気分になったんです。

 「なんと幸せな仕事で、なんと素晴らしいシステムなんだ。これを沖縄に持っていきたい」。その時に強く思ったんです。

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沖縄の産業に

 新喜劇さんのように専用の劇場があって、若手からベテランまでの座員がいて、それに伴うスタイリストさん、メイクさん、監督さん、脚本家さんがいて、その人たちも仕事として生計を立てられる。要するに、産業になる。それが沖縄にできたら、最高じゃないかと。

 沖縄の小学生が休み時間におきなわ新喜劇のギャグをマネして、将来は「おきなわ新喜劇に入りたい!」と言ってくれる。そんなシステムを残せたら素敵だなと思って。それで、会社(吉本興業)に言わせてもらったんです。2014年12月からスタートして今回で6回目になるという流れです。

 吉本新喜劇さんとの違いというか、おきなわ新喜劇ならではのコンセプトは“笑って学べる沖縄”。沖縄に来る方って「きれいな海を見た」「美ら海水族館がすごかった」「沖縄料理美味しかった」という感じで帰っていかれる方がほとんどです。

 でも、できれば、沖縄の知識というお土産も持って帰ってほしい。沖縄にはこういう風習、文化、歴史がありますよと。

 ただ、そんなお勉強みたいなこと、観光に来て、普通はわざわざやらないですから。なので、まずはただただ楽しく笑ってもらって、その中に1つだけも沖縄の文化というか、歴史というか、そういうものを入れて、そこも持ち帰ってもらう。押しつけがましくならないように、ナチュラルに沖縄のことを知ってもらう。そんなことを考えているんです。

最終形はラスベガス

 去年公開された「洗骨」という映画も監督をさせてもらったんですけど、これまで短編も含めて13本ほど映画を撮らせてもらっています。沖縄を舞台にした作品が多いんですけど、沖縄出身だから「恩返しで沖縄を舞台にする」ということだけではなく、純粋に魅力的なんですよ。作り手としてニュートラルに見ても。

 美しい自然もあるし、実はダークな部分もある。リゾート的に金持ちもいれば、貧しいところもある。そして、独特の歴史がある。海一つとっても、47年生きて、47年沖縄を見ていますけど、それでも見るたびに“顔”が違うんです。その海を見ながら、星を見ながら、砂浜で缶ビールを飲んだら、六本木のチャージの高いバーよりも、ずっと美味しいですから(笑)。

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 そういう空気も考えて、僕がやりたい最終形はラスベガスみたいにテーブル席でお酒を飲みながら、新喜劇だけでなく、歌も、踊りもあるというミュージカルコメディーみたいなもの。それをやる専用劇場を作るのが夢です。南国に合うと思いますし。

 これをいろいろなところで言ってるんですけど、なかなか難しくて…。ただ、言霊ですから、言い続ければ何かが起こるのではとも思っています。できるだけ大きな声で言っていたら、直接、吉本のエライ人の耳にも入るかもしれませんしね(笑)。思いを持って、進んでいきたいと思います。

(撮影・中西正男)

■ゴリ

1972年5月22日生まれ。沖縄県出身。本名・照屋年之。95年、川田広樹と「ガレッジセール」を結成する。フジテレビ「笑っていいとも!」などで注目され、俳優としても活動。2009年には初の長編映画「南の島のフリムン」で監督・脚本を務め、昨年公開された監督作品「洗骨」はモスクワ国際映画祭でアウト・オブ・コンペティション部門に出品された。14年から開催し6回目となる「おきなわ新喜劇」を今年もプロデュース。沖縄の文化を入れた「笑って学べる沖縄」をテーマにしたオリジナル新喜劇で、出演者はガレッジセール、普久原明、玉城敦子、田仲メリアン、宝眞榮日也美、ありんくりん、カシスオレンジ、A16、宮川たま子。ゲストは平川美香。東京公演(10月17日、ルミネtheよしもと)、大阪公演(10月18日、なんばグランド花月)、那覇公演(11月6日、7日、琉球新報ホール)、宮古公演(11月28日、マティダ市民劇場)。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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