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「ガンバレルーヤ」が明かす“リアルな悩み”

中西正男芸能記者
「ガンバレルーヤ」のよしこ(左)とまひる

 2017年に拠点を移し、18年には202番組に出演する超スピード出世を果たしたお笑いコンビ「ガンバレルーヤ」。アイドルグループ「吉本坂46」のメンバーにも二人そろって選ばれるなど、まさに多方面で飛躍を遂げていますが、昨年11月にはボケのよしこさん(28)が下垂体腺腫の治療で一時休養。その間は、相方のまひるさん(25)が一人で活動しました。東京に出てきて丸2年。今、二人が考える課題をリアルに明かしました。

東京に来て2年

よしこ:今で東京に出てきてちょうど2年。この2年で変わったこと、なんだろうなぁ、すごく緊張することが増えましたね。

まひる:確かに、増えました。

よしこ:大きな番組だとか、生放送だとか。生放送で、言ったらダメなことを言ってしまいそうになる自分を制御できるかも、ドキドキしますし(笑)。それだけ責任感を伴うお仕事をいただけているのは、本当にありがたいばかりなんですけどね。

さんまさんからのツッコミ

まひる:明石家さんまさんとか「ダウンタウン」さんとか、ずっと見ていた方々とご一緒させてもらう収録とかは、やっぱり緊張しますね。

よしこ:もともと、私、小さな頃からすごく恥ずかしがり屋で。小学生の時にテレビでさんまさんを見て「自分もこんな人になりたい」と思ったんです。だから、ご一緒させてもらった時点で、すごく感慨深いと言いますか。

まひる:本当に優しくしてくださるしね。

よしこ:さんまさんと女芸人たくさんで旅に行く番組があったんです。その中で、さんまさんを囲んでバーベキューをしたんです。たくさん女芸人がいるので、当然、皆さんどんどんボケていかれる。私もボケなきゃと思っていたんですけど、そこで私がやったのが、丸ごとのジャガイモをずっと焼いているというボケでして(笑)。

まひる:本当に、ずっと焼いてたもんね。

よしこ:どこかでボケとして入りたいなとは思っていたんですけど、周りの方々のボケは続くし、なかなかタイミングがなくて、もう流れが過ぎてしまったんです。正直「もう無理だなぁ」と思いながらジャガイモを焼いていたら、そこで、さんまさんが「お前、ずっとジャガイモ焼いとるやないか!」と。それこそ、いろいろなノリをやりながら、これでもかと笑いをとりながら、でも、ずっとこっちを見てくださっていたんだと。視野の広さ、懐の深さ、そして、愛の大きさ。すごく、すごく、うれしかったです。

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今の課題

まひる:私たちが初めて東京に出るきっかけになったのが日本テレビの「内村テラス」という番組だったんです。初めて出していただいた時、やったことが全部ハマったというか、内村(光良)さんも手を叩いて笑ってくださって。すぐにレギュラーにしていただきました。

よしこ:本当にありがたいことだと思います。

まひる:ただ、そうやって、愛のある流れをいただいたということは、次の出番でさらに上のことをやらないといけない。うまくいって、また次に呼んでいただくのは本当にうれしいことですけど、次はもっとやらないといけない。そのプレッシャーは、すごく感じるようになっています。今、いろいろな番組に呼んでいただく流れが、いわゆる1周目、2周目を過ぎて3周目くらいに入っています。となると、さらに新しいもの、上のものを見せていかないといけないなと。

よしこ:それは、すごく強く感じています。

まひる:細かいく言うと、見た目だとか、顔で落とすとか、そういうことに頼ってきていたので、二人で落とすということができないんです。結局、ロケに行っても、二人でワチャワチャしているのをスタジオの皆さんがつっこんでいただいて成立するというか。「それが二人の色だよ」と言っていただいたりもするんですけど、そこに甘えてちゃいけないだろうし。それが今のリアルな悩みですし、課題です。

よしこ:東京で一線でやってらっしゃる方と触れ合えば触れ合うほど、力のなさを痛感すると言いますか…。生き残るには、やっぱりネタを強くしないといけないなと。私たちはネタを作るスピードが遅いんです。ただ、それでも、もっとネタを作って、単独ライブもしっかりとやっていく。中身を磨かないといけないと思っています。

病気で分かったこと

まひる:あと、私としては、去年よっちゃんの病気があって、一人でお仕事をさせてもらう時期がありました。そこで思ったのが「一人じゃ何もできない」ということでした。いつも、よっちゃんが先陣を切って盛り上げてくれたところに、私がこっそりついていくみたいな感じだったので、よっちゃんがいないとまず突破口が開けないというか。よっちゃんがいないと何もできない。分かってはいたけど、それを痛感しました。この仕事が向いていないんじゃないか。もう引退した方がいいんじゃないかなとも本当に思いました。

よしこ:…。

まひる:本当は二人で行く予定だった企業さんのイベントとかにも一人で行って。現場で台本を見るんです。もともともらっていた二人が出演するパターンの台本では、進行だとかボケのところがよっちゃんのセリフになっているんですけど、現場の台本ではそこが私のセリフになっているわけではなく、全てカットになっている。スタッフさんや関係者の人からしたら、私が一人でワーッと盛り上げるイメージもないだろうし、その評価がストレートに台本に表れている気がして…。だからこそ、今、私が頑張らないといけないんだなとも思うことができました。

よしこ:コンビとして一番「頑張らなきゃ!」という時期の病気だったので、私としてはとにかく申し訳ない気持ちでいっぱいでした。ただ、私はまーちゃんが一人で出ているイベントとかの映像を見て、一人で笑いもしっかりとっているし、なんというか“一人感”がないんですよ。成立しているというか。もちろん、二人でやりたいですけど、まーちゃんは一人でもできると感じました。

まひる:…。

よしこ:もう一つ、申し訳ないと思ったのは、いつもまーちゃんは私に説明してくれるんです。「よっちゃんは、ここがこんな風に面白いんだよ」と。だから、私はボケられるし、前にも出られるんですけど、私はまーちゃんにそうやって分析して伝えてあげる能力がないので、一人でやっているまーちゃんにかけてあげる言葉がなかったんです…。それが申し訳なかったです。それでも、一人でやっているまーちゃんを見て「すごい相方を持っているんだな」と改めて思いました。

まひる:今は番組でコンビとして笑いをとるというのが、なかなかできてませんけど、これからはもっとそこをやっていきたいと思っています。

よしこ:今まではコンビ芸ではなく、フリが来たら単発でも何でもとにかく返す。それだけで必死だったんです。でも、病気もそうだし、いろいろな時間を過ごして、もっとコンビとしての芸をやっていきたいと思うようになりました。…フフフ、今、私、ものすごく真面目にしゃべってますね(笑)。でも、本当に、そうやっていきたいと思っています。

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(撮影・中西正男)

■ガンバレルーヤ

1993年8月30日生まれで鳥取県出身のまひると、1990年10月24日生まれで愛知県出身のよしこが2012年にコンビ結成。NSC大阪校35期生。同期はゆりやんレトリィバァ、「からし蓮根」ら。大阪時代から独特の存在感で注目を集め、17年に拠点を東京に移す。すぐに日本テレビ系「内村てらす」のレギュラーを獲得し、全国的な知名度を得る。日本テレビ系「世界の果てまでイッテQ!」、文化放送「大竹まことゴールデンラジオ!」などにも出演中。昨年11月、よしこが下垂体腺腫と診断され、手術のため約1カ月休養した。昨年結成されたアイドルグループ「吉本坂46」に二人そろってメンバーに選ばれる。「吉本坂46」のセカンドシングル「今夜はええやん」が5月8日にリリースされる。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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