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父娘コンビ「完熟フレッシュ」、父が抱える悩み

中西正男芸能記者
父娘コンビ「完熟フレッシュ」の池田57CRAZYと池田レイラ

 元日放送の日本テレビ「ぐるナイ!おもしろ荘」に出演し一躍注目を集めた父娘コンビ「完熟フレッシュ」。元芸人で会社員の池田57CRAZY(ごなくれーじー)さん(42)と、中学1年の池田レイラさん(12)のコンビですが、頼りない父を娘が辛辣すぎる毒舌で斬りまくる芸風が話題になり、先月からワタナベエンターテインメントの所属となりました。26日には日本テレビ系「人生が変わる1分間の深イイ話」で密着取材をされるなど人気者への階段を駆け上がっていますが、娘の成長を喜びつつも、父が思う今の悩みを明かしました。

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娘を相方に

 57「まずは、ここまでの経緯と言いますか、そこから説明をさせてもらいますね。じゃ、パパが先にお話をするね」

 レイラ「大丈夫なの?」

 57「いきなり言わないでよ(笑)。元々僕はコンビで芸人をやってまして。正直な思いで言うと、辞めたくはなかったんですけど、家庭の事情もありまして辞める選択をとりました。その悶々とした気持ちが残っていて、2015年に『M-1グランプリ』が復活するという話を聞いて、これは出るしかないと。ただ、やっぱり元相方以外にコンビを組むのは抵抗がありましたし、会社員として働いているので、ライブが入ったら入ったで迷惑をかけてしまう。そう考えると、一番迷惑がかからなくて、気持ち的にしっくりくるのが子どもかなと」

 レイラ「もう、その考え方がクズなんですけどね。立派な親御さんだったら、子どものためにすっぱりやめようと思うはずなんですけど、パパは根っからのクズなので、そうはならないんですよね。あのね、一番迷惑がかかるよ、子どもは」

 57「そう言われちゃうと、なんとも…」

父娘コンビとして

 レイラ「ただ、これはあんまり言ってないんですけど、どうしても周りからはいろいろなことを言われるんです。二人の生活は無理だと。父子家庭で異性だし。それが、なんか悔しくて。決めつけられたくないなと。もしかしたら、お笑いで活躍したら認めてくれるかなと。パパも実際、いろいろな思いがあったみたいですし」

 57「何とか認められようと僕も無理をしたんでしょうね。何でも、完璧にしようと思って。そこで体が悲鳴をあげたというか。本当は2015年の『M-1』に出たかったんですけど、その時に、ちょうど病気で倒れてしまって、実際に出たのは2016年でした。もう、そこから無理せず娘に身をゆだねるというか、もう助けてくれと」

 レイラ「そこから、こういう関係になりました(笑)」

 57「ただ、実際に『M-1』の予選に出たら、ま、子どもがやっているというのもあって、ありがたいことにすごくウケたんです。それで、ウケる気持ち良さを知ってくれたみたいで。ただ、僕が死ぬほど緊張して、初っ端からミスっちゃいまして。あろうことか、自分の名前を噛むという…。さらに、ネタをすっ飛ばして、ずっと同じことを言ってたり」

 レイラ「パパはネタを飛ばしても、照れ笑いして終わりだから。そこで、何か切り返して笑いにしなきゃ」

 57「確かに、おじさんがはにかんで終わりじゃね…。ありがとうございます。でも、なんだかんだ言って、しゃべる仕事をしたい思いは前からあったみたいでしてね」

ママがいなくなって

 レイラ「確かに、ちょっとだけあって。小学2年くらいまで、まだママがいた時は引っ込み思案で控えめな子だったんです。チビって言われただけでもワンワン泣いて帰ってくるくらいに。でも、ママがいなくなって周りがあまりにも急に変わったんで、強くなったのか分からないですけど、小学4年の頃からは人前に出てしゃべるお仕事もできたらなと思うようにはなりました」

 57「常に『夢を持ちなさい』とは言ってきました。そうしたら、4年の時に『タレントさんになりたい』と。こちらとしては、よし、これでコンビが組めると。いつかお笑いが復活できるかなと(笑)」

 レイラ「本当にゲス…。ただ、パパが辞めた当時は『エンタの神様』とかがテレビで流れているとテレビを消すんです。予約録画して全部見ていたネタ番組も一切見なくなって。自分の中でいろいろな思いがあるんだろうなとは思っていました」

 57「『メイプル超合金』のカズレーザーとかは同じ事務所の後輩で可愛がっていたし、彼らがどんどん活躍していると、純粋に頑張ってほしいと思う反面、正直、ジェラシーもあって。『なんとか自分も』という思いはずっとありました」

新たな船出

 レイラ「ただ、実際にまたお笑いを始めると、いちいち自分の名前をネットで検索して、悪いことが書いてあるとすごく気にするんですよね。もし直接言ってくるんだったら、まだ言い返すこともできますけど、顔も見えない相手に落ち込んでいる暇はないよと」

 57「おっしゃる通りです…。新たにワタナベエンターテインメントの所属にもなったし、やるしかないですからね。今も、普通に会社員の仕事はして、うまく休みをとりながら調整しています。もちろん、こっち(レイラ)の方が注目されているのは分かってますし、彼女の夢であるタレント活動のきっかけとして、今の流れがプラスになるんだったら、それは親としてはとてもうれしいですし」

 レイラ「ここからどうするのか。進学するのか、このお仕事をずっと続けていくのか。今考えているのは、周りの方々の期待に応えられたらなと。今はお笑いというか、そういう部分で期待してくださっている方の声に応える。周りが続けてほしいと思えば、それに応えようと思いますし、学業ならば、それに応えようと思いますし」

 57「…ま、でもね、自分の人生だから。自分のしたいようにした方がいいよ」

 レイラ「こんな親らしいことを突然言ったりもしますけど、普段はまた全然違いますからね。ネタ合わせの時なんて、ムダにピリピリしてますから。漫才の台本でパパから『ここを付け足して』と言われて、結構長い文章だったりするので、考えながらしゃべってちょこっと間違えたら『さっきもそこ間違えたじゃん!!』と。『本番で飛ばしたらどうするの!?』とイライラしながら言ってくるんですけど、本番で間違えるのは全部パパなんです」

 57「ま、それはそうなんだけど」

 レイラ「なのに、インタビューとか普段のトークとかでは、出たがりなんです。悪い癖で。事務所の方からも、周りの方からも『父親は控えめにして娘が言った方がいいんじゃないですか』と言われているのに、ガンガンいっちゃうんですよ。インタビューでも、アドリブとか流れじゃなくて、決め打ちで最初から言いたいことを決めてきてるんですよ。だから、言いたい気持ちが見えちゃってウケないんです」

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父の悩み

 57「からくりを言いなさんなよ…。あと、最近、悩みというか、これは困ったなと思うことがありまして。(レイラが)自分でネタを作りたいと言ってくるようになりましてね。今はネタをこっちが作っているのが唯一の生命線なわけですよ。それがメチャメチャ良いネタを作るようになってきたら、それこそ、もうこっちが完全に要らなくなっちゃうんで。そこは多少ヘタであってほしいなと」

 レイラ「同じ人がネタを書くとどうしてもワンパターンになりますからね。父子家庭というのがベースにあって、また新たな形が見いだせればなと。今、お仕事でいろいろな芸人さんともお会いしますので、いろいろとお話をうかがった上で作ってみるのも良いのかなと思っています」

 57「親としてはうれしい成長ですけど、相方としては恐怖しかないです…」

(撮影・中西正男)

■完熟フレッシュ(かんじゅくふれっしゅ)

1975年8月17日生まれの池田57CRAZY(いけだごなくれーじー、本名・池田哲也)と2005年3月1日生まれの池田レイラの実の父娘コンビ。父はお笑いコンビ「ジャンボジェット」(プロダクション人力舎)、「ロックンロールコメディーショー」(サンミュージック)で活動していたが、芸人引退後はスポーツジムにトレーナーとして就職。その後、離婚し娘を引き取る。再びお笑いへの思いが募り、16年に父娘コンビ「完熟フレッシュ」を結成。アマチュアとして「M-1グランプリ」に出場し、2017年では準決勝進出を果たす。今年元日に放送された日本テレビ系「ぐるナイ!おもしろ荘」に出演し注目を集め、1月8日にワタナベエンターテインメント所属となる。頼りない父の自虐ネタを娘がさらに辛辣な毒舌で返すというネタがメイン。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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