Yahoo!ニュース

野沢直子、戦う娘への思い

中西正男芸能記者
戦う娘への思いを語る野沢直子

オンリーワンの存在感を放つタレント・野沢直子さん(54)。長女の真珠・野沢オークライヤーさん(24)は総合格闘家として活躍し、昨年末に行われた「RIZIN」でも見事に勝利を収めました。破天荒だった父親への思い、そして、苛烈な環境に身を置く娘への思い。家族へのあふれる思いをストレートに語りました。

画像

娘が総合格闘技の世界に

長女の試合、生で観るのは今回の試合で4回目でしたけど、今でも確実に「…オエッ!!」となっちゃいます。観ていると、いろいろなものが出ちゃうというか(笑)。今のところ、これまでの試合では対戦相手の方の血しか見てないんですけど、それでも試合後に控室に行ったら、しっかりと返り血は浴びていて。なかなか、普通に生きていて、返り血を浴びるようなシチュエーションはないですからね(笑)。本当に、とんでもない世界だと思います。

長女はもともと6歳から空手をやっていて、そこからボクシングをやるようになり、周りの方から「アグレッシブなファイトスタイルがMMA(総合格闘技)向きだ」と言われて、いつの間にか、今に至ると(笑)。やっている方には本当に申し訳ないんですけど「ぶっちゃけ、頭おかしいんじゃないの!?」と思うくらい、すさまじい競技ですからね。金網の中で血だらけで首を絞めて相手を失神させるという。そこに自分の娘が行くとなったら、そりゃ、心穏やかではなかったですけど、とめはしなかったですし、今でもやめてとは言ってません。

父の言葉

というのは、私が何かをやりたかった時に、自分の親から反対されなかったんです。そして、自分が父から言われて、今でも心に残っているのが「結婚したらそれでいいんじゃない。きちんと、自分のできること、やりたいことを持っておきなさい。そのためにも手に職をつけて」という言葉。

父はもう亡くなっているんですけど、亡くなってからも私たちの知らないところに子どもがいたり(笑)、ま、なかなかぶっ飛んだ父親ではありました。自分が人の親になって、親の気持ちが分かるようになって改めて思いましたけど、これは稀に見る親だなと(笑)。「こんなお父さんのおうちだったら、大変だよなぁ。まだ、自分のところの方がマシかも」と心が軽くなってもらえたらという思いから、父との話を本(『笑うお葬式』・文藝春秋)にしたくらいとんでもない人でもあったんですけど、実際、気づいたら、自分は父の言葉通りに生きているんですよね。自分がやってきたのに娘にはさせないというわけにはいかない。それがたとえ、親としたら目をそむけたくなるようなことであっても。

成績で怒らない

それと、私はすごく学校の成績が悪かったんですけど、それで親から怒られたことはなかったんです。だから、自分の3人の子どもたち(長女、二女、長男)にも成績のことで怒ったことはありません。成績が上がった時だけ「すごいね!!」とは言いますけど。ただ、そうすると、意外と子どもが勉強するんですよ!!ガミガミ言われないからか、もしくは、親を見て反面教師的に勉強の必要性を感じたのかもしれませんけど(笑)。

長女は格闘技の方に行きましたけど、二女は環境学、息子は科学が好きなんです。二女と息子がしゃべっていることは私には全然分からなくて孤独感はありますけど(笑)、みんな、ちゃんとやりたいことを見つけてくれている。それは本当に良かったです。

画像

親としての思い

実際、長女の試合を観ていただいたら分かるとも思うんですけど、入場の時から、すごくうれしそうに、楽しそうに入ってきて、リングでも生き生きとしている。そして、コーチにも言ってもらうのが「技術は教えられてもメンタルは教えられない。一番重要なメンタルの部分が、本当に格闘技に向いている」と。

確かに、以前、試合の前の日にニュース番組で長女がインタビューをしてもらっていたんです。そこで「顔を殴られるって、怖くないですか?」と尋ねられた長女が「顔を殴られると“kill switch”が入るんです」と笑顔で答えてまして。そんなスイッチ、いつついたんだろうと…。親としても、つけた覚えはないし(笑)。

ただ、本当に好きな道を見つけて、さらに、それを仕事にするって、また別の勇気がいる。でも、長女は躊躇なく飛び込んだ。それは親としては一番うれしいこと。だから、もうね、こちらが長女の仕事に慣れるしかないんです。慣れる方に寄せていくしかない。親として一番喜ぶべき話ですから。

…ただ、ただ、何か他に違うものはなかったのかなとは思いますけどね(笑)。

■野沢直子(のざわ・なおこ)

1963年3月29日生まれ。東京都出身。本名はナオコ・オークライヤー。高校在学時にテレビ東京系「ドバドバ大爆弾」に出演し、テレビデビュー。その後、叔父・野沢那智の仲介で吉本興業に所属する。83年に芸能界デビュー。「ダウンタウン」「ウッチャンナンチャン」らと共演したフジテレビ系「夢で逢えたら」、日本テレビ系「クイズ世界はSHOW by ショーバイ」などで人気を得るも、91年、芸能活動休止を宣言し渡米する。バンド仲間として知り合ったアメリカ人男性と結婚し、長女、二女、長男が誕生。長女の真珠・野沢オークライヤーは総合格闘家として活躍している。また、破天荒に生きた父親との関係を綴った「笑うお葬式」(文藝春秋)が発売中。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

中西正男のここだけの話~直接見たこと聞いたことだけ伝えます~

税込330円/月初月無料投稿頻度:月3回程度(不定期)

1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

中西正男の最近の記事