きょう8月6日は「囲碁界の一番熱い日」 名人挑戦へ井山裕太棋聖があと1勝
8月6日は「囲碁界で一番熱い日」。芝野虎丸名人への挑戦者を決める名人戦リーグ最終一斉対局が行われる。
もっとも挑戦権に近いのが、7戦全勝の井山裕太棋聖。1敗で追う一力遼八段との直接対決は終わっているので、井山棋聖が勝てば挑戦者決定。井山棋聖が負けて、一力八段が勝つと同星になり、8月10日に行われるプレーオフで挑戦者が決まる。
井山棋聖、一力八段とも絶好調だ。
井山棋聖は、2カ月間の中断期間がとてもよい休養期間になったようだ。
昨年、五冠から三冠にまで後退したが、自粛期間が終わり6月に再開されてすぐ始まった本因坊戦七番勝負では最強の挑戦者・芝野虎丸名人を4勝1敗のスコア以上に内容で圧倒し、九連覇を達成。七冠を独占していたころの強さが戻ってきた。
ここ数年ずっとスケジュールが過密で、満足に研究する時間も持てなかった。
13歳でプロデビューして以来、こんなに長く休めたのは初めて。以前は「対局を打つことでリズムを作っている」ので、手合いが空くと調子を崩す傾向もあったが、今回はじっくり研究でき、AIに対しても自分なりにつかむものがあったという。
一力八段も好調の波に乗っていて、現在、挑戦中の碁聖戦五番勝負では8月3日に2勝目を挙げ、悲願のタイトル獲得まであと1勝としている。
私が直接観戦した名人戦リーグでも、自信を持っている雰囲気が感じられ、充実しているのが傍目からでもよくわかる。
一力八段は今春早稲田大学を卒業し、本業の囲碁に費やす時間が増えたことも好調の一因だろう。
一方、リーグ落ち3つの枠は、まだだれも確定していない大混戦(残留が決まっているのが、井山棋聖、一力八段、許家元八段、河野臨九段の4人)。
危機にあるのが、前名人の張栩九段、羽根直樹九段と山下敬吾九段。「平成四天王」のうち3人がピンチなのだ。さらに前十段の村川大介九段、林漢傑八段も負ければリーグ陥落の崖っぷちにいる。
8月6日の対戦カードは以下の通り。
井山裕太棋聖-林漢傑八段
一力遼八段-村川大介九段
張栩九段-羽根直樹九段
山下敬吾九段-許家元八段
持ち時間は各5時間。朝10時に開始され、当日中には終局し、結果がわかる見込みだ。
日本棋院ではYouTubeで中継し解説する予定があるので、是非ご覧いただきたい。