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【準プレーオフ】秋男のバットで決めてキウム先勝/ソフトバンク3軍3年ぶり韓国遠征<韓国KBOリーグ>

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
決勝打を放ったソン・ソンムン(写真:キウムヒーローズ)

公式戦3位のキウムヒーローズと、4位でシーズンを終えワイルドカード決定戦を勝ち上がったKTウィズが顔を合わせ、準プレーオフ第1戦が行われた。

試合はキウムの先発アン・ウジンが好投。防御率リーグ1位(2.11)のアン・ウジンは、6回88球を投げて散発3安打。最速156キロの直球とスライダーの制球、カーブとの緩急が決まり、KTに二塁すら踏ませない好投で無失点に抑えた。

今季、国内出身投手で歴代最多となるシーズン224奪三振を記録しているアン・ウジンは、この日も9つの三振を奪った。

6回を終わって4-0でキウムがリードしそのまま逃げ切るかと思われたが、KTはアン・ウジン降板後、7回に3点、8回に1点を挙げて4-4の同点に持ち込んだ。

試合の流れはKTに傾きかけたが、キウムは8回裏に1死一、二塁のチャンスを作ると、9番ソン・ソンムンが右中間にタイムリーヒットを放って勝ち越しに成功。この回さらに3点を追加したキウムが8-4で勝利した。

ソン・ソンムンはシーズン中4、5番の中軸の他、様々な打順で起用され、シーズン後半とこの日は9番で出場。打率は2割4分7厘ながら決勝打はチーム2位の11を記録し、この日も試合を決める一打を放った。過去のポストシーズンでも好成績を残している、秋に強い男の快打でキウムが先手を取った。

準プレーオフは5戦制で上位チームへのアドバンテージはなし。先に3勝したチームが2位LGツインズとのプレーオフに駒を進める。

◇10月16日(日)の結果

・準プレーオフ第1戦

 キウム 8 - 4 KT(コチョク)

 勝:ヤン ヒョン

 敗:キム ミンス

⇒ 2022年 KBOリーグポストシーズン日程表(ストライク・ゾーン)

◆「ソフトバンク3軍、3年ぶりに韓国遠征」

韓国野球委員会(KBO)は15日、これまで秋季キャンプ時に各球団で行っていた練習試合に代わり、教育リーグを開催すると発表。今月18日から29日まで韓国南部を中心に20試合を編成した。KBO10球団のうち6球団と、日本からソフトバンク3軍が参加する。

ソフトバンクは25日にロッテジャイアンツ、27日にハンファイーグルスといずれもキメ(金海)市のサンドン球場(ロッテ2軍本拠地)で対戦。28日にサムスンライオンズとサムスンの2軍球場(キョンサン・慶山)で試合を行う。

ソフトバンク3軍は2012年から韓国遠征を主に6、7月に行っていたが、感染症拡大の影響により19年を最後に中断していた。

一方、KBOの3球団も例年10月は日本入りし、みやざきフェニックス・リーグに参加。しかしこちらも感染症による出入国制限で、3年続けて不参加となっている。

ロッテの2軍施設・サンドン(上東)球場(写真:ストライク・ゾーン)
ロッテの2軍施設・サンドン(上東)球場(写真:ストライク・ゾーン)

◆「スンちゃんが監督に」

トゥサンベアーズは14日、現役時代に日本(ロッテ、巨人、オリックス)でもプレーしたイ・スンヨプ新監督の就任を発表した。

イ・スンヨプ新監督(写真:トゥサンベアーズ)
イ・スンヨプ新監督(写真:トゥサンベアーズ)

(詳細記事:イ・スンヨプ(元ロッテ、巨人、オリックス)が監督に初就任 古巣サムスンではなくライバル球団の指揮官に

※本記事は韓国KBOリーグ各球団から写真使用の許可を得て掲載しています。

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FMコザ)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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