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侍・稲葉監督も注視した新エース左腕が3勝目 0点台防御率をキープ<韓国KBOリーグ>

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
負けなしの3勝目を挙げたク・チャンモ(写真:NCダイノス)

26日の韓国KBOリーグは全5試合がナイトゲームで行われました。

チャンウォンNCパークのNCダイノス-キウムヒーローズは、ともに若き左腕エースが登場。NCがク・チャンモ投手、キウムはイ・スンホ投手が先発マウンドに上がりました。

どちらも得点を許したのは2回のみ。ク・チャンモ投手は7回を投げて被安打3、失点1。イ・スンホ投手は6回6安打4失点で、ク・チャンモ投手に軍配が上がりました。

ク・チャンモ投手は対戦した28人の打者のうち、13人の初球が見送りのストライク。低めに制球されたスライダーでカウントを稼ぎ、有利なカウントに持ち込んでいきました。

奪った三振は7つ。140キロ台後半の速球、ストライクゾーンからボールになるカーブで、打者のバットは空を切っていきました。

試合は7-2でNCが勝利し3連勝。首位のNCは貯金を12に伸ばしています。ク・チャンモ投手は負けなしの3勝目。4試合で29回を投げて与えた得点は2点、防御率はリーグ唯一の0点台の0.62でトップです。

◆「ク・チャンモを侍・稲葉監督も注視」

昨年9月に韓国視察を行った野球日本代表の稲葉篤紀監督は、滞在中に訪れた球場でこんな言葉を口にしました。「ク・チャンモは(韓国代表に)入ってきますか?」

ク・チャンモ投手は稲葉監督の初陣だった、24歳以下を中心とした大会、「アジアプロ野球チャンピオンシップ」で初めて代表入り。稲葉監督は昨秋のプレミア12でもク・チャンモ投手が代表入りするか、注視していました。

昨年のク・チャンモ投手は10勝7敗、プロ5年目で初の2けた勝利。当初、プレミア12の代表メンバーに入っていましたが、腰の疲労骨折により出場を辞退し、侍トップチームとの対戦には至りませんでした。

今年のク・チャンモ投手は昨季よりさらにレベルアップし、抜群の安定感を見せています。メジャーへ渡ったキム・グァンヒョン投手(前SK)に次ぐ、韓国を代表する左腕エースの風格も出てきました。

韓国は過去の国際大会で、左の先発投手がチームを勝利に導いています。次にその役割を担うのは23歳のク・チャンモ投手かもしれません。

<きょうのアン・グォンス(安田権守)>

8回裏、タイムリー二塁打を放った4番キム・ジェファン選手の代走として出場。9回表からレフトに守備に入りました。試合はトゥサンベアーズが6-4でSKワイバーンズに逆転勝ちしています。

⇒ エリートだった「早稲田の腕立て王子」が遠回りして韓国でつかんだプロ野球選手の座

以下が全5試合の結果です。

◇5月26日(火)の結果

・トゥサン 6- 4 SK(チャムシル)

 勝:クォン ヒョク

 敗:ソ ジンヨン

・KT 1- 4 KIA(スウォン)

 勝:ギャニオン

 敗:ペ ジェソン

・ハンファ 0- 3 LG(テジョン)

 勝:ウィルソン

 敗:キム イファン

・ロッテ 1- 0 サムスン(プサン)

 勝:ク スンミン

 敗:イ スンヒョン

・NC 7- 2 キウム(チャンウォン)

 勝:ク チャンモ

 敗:イ スンホ

⇒ 2020年 韓国プロ野球公式戦日程表(ストライク・ゾーン)

⇒ リーグ順位表(ストライク・ゾーン)

※本項目は韓国KBOリーグ各球団から写真使用の許可を得ています。

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FMコザ)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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