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5月5日開幕の韓国プロ野球 再編成の日程が決定。新型コロナへの対応と呉昇桓(元阪神)の復帰日は?

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
韓国KBOリーグのマウンドに復帰予定のオ・スンファン(写真:ストライク・ゾーン)

韓国野球委員会(KBO)は先週21日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期していた今シーズンの開幕戦を、5月5日に無観客で行うと決定。当初の予定通り144試合を行うとし、再編成された日程を29日に発表した。

(関連記事:韓国プロ野球、新型コロナで延期していた開幕を5月5日に決定 無観客で38日遅れのスタート

KBOリーグは昨年12月16日に2020年の公式戦日程を発表。今年は東京オリンピック(五輪)の開催が予定されていたため、野球競技の開催期間とその前後を含めた、7月24日から8月10日までの18日間、シーズンを中断するスケジュールを立てていた。

しかし五輪の1年延期が決まったことで、開幕延期によって順延となった試合の一部を、五輪中断期間に編成。残りを8月の一部と9月末から10月18日までに組み込んだ。

(関連項目:2020年 韓国プロ野球日程表

エントリー枠が増える特例を採用

KBOは38日遅れで始まる今シーズンに関して、いくつかの特例事項を設けた。その一つが「エントリー枠拡大の前倒し」だ。韓国では以前から、9月1日以降は出場登録選手数が増える、拡大エントリーを採用している。

通常は1軍選手登録28人、出場は26人までだが、エントリー枠が拡大される期間になると33人登録、31人出場が可能となる。その期間を今季は9月1日から前倒しし、8月18日からとなった。

ちなみに昨年までは27人登録、26人出場(エントリー拡大時は32人登録、30人出場)だったが、今季から各1人増員されることが今年1月の段階で決定していた。

さらにトレードの期限も7月31日から8月15日までに延長。途中加入の外国人選手は9月1日までの入団であれば、ポストシーズンの出場が可能だ(例年は8月15日まで)。

そして新人ドラフトの日程も決まった。現在の韓国の新人ドラフトは各球団に振り分けられた指定校から1選手を指名する「新人1次指名」と、各球団が順に指名する「2次指名」があるが2次指名は例年より約1ヶ月遅れの9月21日に。1次指名はアマチュアの試合が再開され次第、決定するとした。

新たな新型コロナへの対応も決定

新型コロナ関連では症状が出た選手がPCR検査を受ける場合は、1軍登録を抹消されることが決まった。それが当日の登録締め切り時間以降の場合は、試合開始1時間前まで選手の入れ替えを可能にするとしている。

また、当該選手のPCR検査の結果が陰性の場合は、再登録までの10日を待たず、1軍エントリーが可能だ。

KBOは既に発表している新型コロナ関連のマニュアルに加えて、選手の遠征先ホテルでのサウナの利用禁止と、スポーツジムを利用する場合はマスクと、使い捨てのゴム手袋の着用を義務化。試合中の紙たばこの禁止と、一、三塁コーチのマスクの着用も義務づけられた。

帰って来た守護神の復帰はいつ?

改めて2020年の公式戦日程が決まったことで、昨季途中にメジャーリーグから古巣のサムスンライオンズに帰って来た、オ・スンファン(元阪神)の復帰時期も見えてきた。

オ・スンファンは阪神からメジャーリーグに活動の場を移そうとしていた2015年末、過去に海外での違法賭博に関わっていたとして、KBOから72試合の出場停止処分を受けていた。

昨年8月6日に国内復帰したオ・スンファンは、昨季中に42試合の出場停止を消化。残り30試合となり、最短で6月9日のキウムヒーローズ戦(テグ)には登板が可能だ。

今年38歳を迎えるオ・スンファンは2月の沖縄キャンプで、「アメリカにいた時よりも状態はいい。アメリカで色んなタイプの選手を見ることが出来たし、球種も増えた」と明るい表情で話していた。

4年連続Bクラスに沈むサムスンは、守護神の復帰とともに、上位争いへのチャレンジを目指している。

韓国は来週5月5日、無観客ではあるがプロ野球が開幕する。

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FMコザ)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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