韓国プロ野球、新型コロナで延期していた開幕を5月5日に決定 無観客で38日遅れのスタート

昨年3月、開幕シリーズのソウル・チャムシル球場(写真:ストライク・ゾーン)

韓国野球委員会(KBO)は21日午前に緊急理事会を開き、新型コロナウイルスの感染拡大のため延期していた今年の公式戦を、5月5日から始めると決定した。5月5日は韓国もこどもの日で祝日だ。

試合数は当初の予定通り144試合。開幕時は無観客で行われ、11月末までにその年のチャンピオンチームを決める、韓国シリーズを終えるとしている。

現在、韓国国内における新型コロナの1日あたりの新規感染者数は、一時、1けた台まで減少したと報じられ、政府が屋外での無観客によるスポーツの実施を容認したことがプロ野球開幕の後押しとなった。

徹底した管理で選手の感染者はゼロ

ここまでKBOリーグの選手、コーチ陣に新型コロナの感染者は出ていない。外国人選手は3月上旬までアメリカ、オーストラリア、日本、台湾で行われた春季キャンプ終了後、母国の自宅に戻った選手もいるが、彼らは3月下旬に韓国入り。2週間の自宅隔離を経てチームに合流している。

韓国では2月下旬にドライブスルー型の検査場が設けられ、選手たちがキャンプから帰国した3月中旬の時点では、全国に約70ケ所が設置されていた。

各球団、練習前に選手の検温を行い、発熱症状がある選手がいるとその時点で練習は中止。当該の選手は検査場へと連れて行かれ、翌日の検査結果が陰性と分かっても、2週間の隔離を実施していた。

大気汚染用に作ったオリジナルマスクが活躍

現在、KBOリーグで活動している日本人はLGツインズの芹澤裕二バッテリーコーチ(元中日など)とサムスンライオンズの落合英二2軍監督(元中日)の2人。芹澤コーチによると球場に着くと毎日1枚マスクが配られ、練習後はすぐに帰宅し、外出禁止が命じられているという。

配布されているマスクはKBOオリジナルのものだ。韓国は以前から中国から飛散する黄砂と大気汚染(PM2.5)に悩まされ、PM2.5の警報が出た場合の中止の数値基準も設けている。

そのためKBOは大気汚染対策として昨年、マスクを75万枚制作。その財源は国の行政機関である文化体育観光部が管轄するスポーツトトの収益金でその額は6億ウォン(約5400万円)だった。

筆者所有のKBOオリジナル防疫用マスク(写真:ストライク・ゾーン)
筆者所有のKBOオリジナル防疫用マスク(写真:ストライク・ゾーン)

パッケージにはKBOのロゴ。そして国家機関の食品医薬品安全処が認証し、超微細粒子を94パーセント遮断することから「KF94」と記されている。4層構造の防疫用マスクだ。

選手の体調をリーグ独自のアプリで管理

KBOは17日に新型コロナ対応マニュアルの第2弾を発表。選手は毎日起床後と球場に向かう前に検温し、それをKBO独自のスマートフォンアプリの点検表に入力することを義務付けている。

また試合中のグラウンドとダッグアウト以外でのマスク着用を要請し、ハイタッチや握手の自制、唾を吐く行為は強く禁止する予定としている。

開幕を前に4月21日からは全20試合の練習試合を予定している。いずれも本拠地が近いチーム間での対戦で、移動に宿泊が伴わないよう編成されている。審判はマスクと衛生手袋の着用が必須だ。

(関連項目:2020年 韓国プロ野球 練習試合日程表

東京五輪延期により試合編成に余裕が

2020年のKBOリーグは当初3月28日の開幕で試合編成されていた。今年は7~8月に東京オリンピック(五輪)が予定され、韓国は野球競技の出場権を得ていることから、KBOリーグも7月24日から18日間、シーズン中断を決めていた。

しかし3月24日に東京五輪の1年延期が決定。結果的にプロ野球公式戦の開幕を延期しても、日程に余裕が生まれた。そのため開幕が約5週間先送りとなっても、全144試合は維持された。ただしチーム内で感染者が出るなどした場合は、リーグの中断や試合数を減らすことも検討されている。

その他、7月に実施予定だったオールスター戦は中止に。3位と4位対5位の勝者が対戦する準プレーオフは5戦3先勝制から3戦2先勝制に縮小となった。そして雨天中止ゲームは、通常試合が編成されていない月曜日、またはダブルヘッダー(7、8月は実施せず)にて行うが、その場合、延長戦は行わないとした。

3月上旬の時点では、新型コロナウイルスの感染拡大が日本よりも深刻だった韓国。しかしスピード感のある徹底した対応で、38日遅れでのプロ野球開幕にこぎつけた。