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元近鉄投手、エルビラさん死去 「陽気でメキシコでは英雄」と元同僚。韓国では防御率のタイトルを獲得

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
2002年サムスン在籍時のナルシソ・エルビラ元投手(写真:ストライク・ゾーン)

2000年から2年間、大阪近鉄バファローズでプレーし、ノーヒットノーランを達成。2002年からは韓国でも活躍したナルシソ・エルビラ元投手が29日に死亡したとメキシコメディアが伝えた。52歳だった。

またそれを受けて韓国の各媒体も報じている。エルビラさんは武装集団の銃撃によって亡くなったという。

エルビラさんは2002年にサムスンライオンズ入り。1年目は22試合に登板し13勝6敗の成績で、左の先発投手として活躍した。防御率はリーグトップの2.50を記録してタイトルを獲得。チームの公式戦1位に貢献し、この年サムスンは球団創設21年目で初めて韓国シリーズを制した。

2002年当時のナルシソ・エルビラ元投手(写真:ストライク・ゾーン)
2002年当時のナルシソ・エルビラ元投手(写真:ストライク・ゾーン)

2年目は5月までに6試合に登板。早い回での降板が続き、1勝1敗、防御率7.06という成績で韓国を後にしている。

エルビラさんが在籍した近鉄でバッテリーコーチを務め、かつて自身もサムスンで選手生活を送ったことがある石山一秀前トゥサンベアーズ監督(69)はエルビラさんの思い出をこう話した。

「とにかく陽気な人だった。日本に馴染もうとして僕らともよく話した。みんなに『チーチョ』と呼ばれていて、若い選手からも慕われていました」

石山さんはエルビラさんのピッチングについて、「テンポが良かった。背が大きくなくオーソドックスなピッチングで真っ直ぐはそんなに速くないけど、スライダーとチェンジアップを上手に使っていた。ノーヒットノーランをやったことも韓国から声がかかったきっかけになったと思います」と振り返った。

石山さんは現役引退後のエルビラさんを、「メキシコではスター、英雄だと聞いた」という。「成功者だから狙われてしまったのか」とかつての仲間の死を悼んだ。

エルビラさんが所属していた頃のサムスンには後に日本でプレーするイム・チャンヨン元投手(元ヤクルト)、イ・スンヨプ元内野手(元巨人など)が在籍していた。

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FMコザ)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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