30歳代以下の候補者は1割未満

10月31日に投開票が行われる衆議院議員選挙。

若者の投票率が低いのも気になるが、候補者の若者も少ない。

今回、1051人が立候補したが、20~30歳代の候補者は99人のみ。候補者に占める割合は、9.4%で初めて1割を切った。

一方、70歳以上の候補者は、97人(9.2%)で戦後最多となり、30歳代以下の候補者と、70歳以上の候補者の数がほぼ変わらない結果となった。

女性比率は17.7%と、女性も若者もいない、非常に多様性に欠ける候補者の構成となっている。

現状、20歳代の国会議員は一人もいないが、今回20歳代の国会議員は生まれるのか、注目したい。

出典:日本経済新聞
出典:日本経済新聞

ドイツでは約3人に1人が40歳未満

他国はどのようになっているのか。

たとえば、先日9月に連邦議会選挙が行われたドイツでは、大きく若返りが進んでいる。

解散前の40歳未満の議員は約7人に1人だったが、今回の選挙を通して、約3人に1人になった。

ちなみに、米連邦議会の40歳以下の議員は5人に1人であり、平均年齢は58歳。対して、新ドイツ議会の議員の平均年齢は47.5歳だ。

日本は、2017年衆院選の当選者の平均年齢は54.7歳。

最年少で当選を果たしたエミリア・フェスターは、現在23歳で、現役の大学生だ。

出典:インスタグラム
出典:インスタグラム

他にも、「サイクリスト活動家」を自称するマックス・ルクス(24歳)、ツイッターアカウントにLGBTの象徴であるレインボーフラッグを掲げているリア・シュレーダー(29歳)、11歳のときにイラクからドイツに移住したムハナド・アル・ハラク(31歳)など、多様性に満ちた国会議員が誕生している。

そして、若手議員を輩出した、緑の党と自由民主党(FDP)に多くの若者が投票し、緑の党とFDPに投票した24歳以下の有権者は44%に上る。

一方、メルケル率いる中道右派のドイツキリスト教民主同盟(CDU)と、中道左派のSDPに投票したのは25%に過ぎなかった。

なぜ若い世代の国会議員が増えたのか。

この背景には、上の世代に対する若者の不満がある。

その不満を、気候変動と社会正義を重視する緑の党と、市民の自由とデジタルを重視するFDPが受け止めた形だ。

世界的に高い日本の被選挙権年齢

日本でも同様の不満は徐々に溜まってきていると感じるが、日本でこうした若い国会議員が誕生するのは難しい。

なぜなら、ドイツの被選挙権年齢は上下両院ともに18歳で、20代前半でも出馬できるのに対し、日本は25歳・30歳で、20代前半は出馬することすら不可能だからだ。

出典:日本若者協議会
出典:日本若者協議会

筆者が代表理事を務める日本若者協議会では、2015年の団体発足以来、被選挙権年齢の引き下げを各政党に求め、2016年参院選以降、各党の公約に「被選挙権年齢引き下げ」が載っているが、実現には至っていない。

ドイツでは成人年齢が18歳に引き下がったのに合わせて被選挙権年齢も18歳に下がったが、同じく来年成人年齢が18歳に引き下がる日本では、被選挙権年齢が下がる空気は弱い。

2018年には、日本若者協議会が事務局を務める超党派の「若者政策推進議員連盟」で議論をまとめ、各党に対して18歳への一律引き下げを訴えたが、まだ道半ばの状態である。

出典:日本若者協議会 当時政調会長であった岸田文雄現首相に提言
出典:日本若者協議会 当時政調会長であった岸田文雄現首相に提言

今回の衆院選でも、国民民主党や日本維新の会が被選挙権年齢の18歳への引き下げを公約に入れ、他の政党も引き下げを入れているが、成人年齢が下がる今こそ、被選挙権年齢の引き下げ実現を期待したい。

でなければ、ますます国会議員の高齢化は進み、若者からは遠い存在になっていく一方だ。

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