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王者・帝京大学が全勝キープ。早稲田大学の「プレッシャー」は感じたか。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
写真左から相馬監督、松山主将、江良、高本副将

 2017年度まで大学選手権9連覇を達成し、昨季の選手権も制した帝京大学が、11月4日、埼玉・熊谷ラグビー場で加盟する関東大学対抗戦Aの第5週に臨み、早稲田大学との全勝対決を49―17で制した。

 早稲田大学の鋭い出足の防御を前にミスを重ねながらも、1対1での推進力、ラインアウトからのモールを活かしてスコアを連取。スクラムでも優勢を保った。

 試合後、就任1年目の相馬朋和監督が松山千広主将、スタンドオフの高本幹也副将、3年生フッカーの江良颯が会見した。

 以下、共同会見時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

相馬監督

「試合前に我々が想定してきた通り、早稲田大学さんがいいプレッシャーをかけてきて、いいタックルがたくさんあって、それに負けじと頑張る学生が誇らしく感じる試合でした。これを機により成長してくれたと思います」

松山

「80分間、粘り強く自分たちのラグビーをし続けることにフォーカスし続けました。相手のプレッシャーを受けることもあったのですけど、そこに負けることなく、成長できた部分もあったと感じます」

高本

「個人にとってもチームにとっても課題が見つかる試合で、とてもいい成長ができたかなと思います」

江良

「しんどい場面、辛い場面で僕たちがどれくらい走れるか、運動量を保てるか、身体を当て続けられるかが大事になるだろうと思っていました。そこで走り切れて、こういう結果が生まれたと思います。次の明治大学戦(11月20日)に向けてもいい準備をして、帝京のラグビーを披露したいです」

——防御について。

相馬監督

「粘り強くディフェンスしてくれましたし、1対1のタックルでも肩を当ててくれていたと思います。コンタクトの局面で相手を支配していく。それはいままでもこれからも、帝京大学が大切にしたいところ。それが我々にとっての大切な試合で出たのは嬉しい」

——スクラムは。

江良

「練習からこの1年間を通してやることは変わらない、やることは変わらず、相手がどうしてくるかに関係なく、帝京大学のスクラムを組み続ける意識。僕らのスクラムに向こうが合わせてくれて、僕たちが強くあり続けるのが僕たちの形。いいスクラムを組み続けられたかなと実感しています。

 どこか崩れていたら、修正する。そのための状況判断(も大事)。いま、自分たちのスクラムで何が起こっているかを判断する。例えば1番(左プロップ)が下がっているのであれば、そこを修正する。そこで1番が下がっているという意識が持てなかった時もあったんですけど、いまは段々、自分の(理想の)位置がわかってきて、『自分はその位置にいないといけない』とひとりひとりが判断して、そのなかで、僕がしっかりまとめる」

——11月20日には東京・秩父宮ラグビー場で明治大学との全勝対決があります。上位陣との対戦が続くなか、今回の収穫と課題は。

松山主将

「自分たちの強みの部分は今日の試合でも発揮できた。コンタクトでもセットプレーでも、圧倒できた。ここには自信を持って取り組んでいきたいと思っています。次に向けては規律の部分を高めたいと思っています。今日の試合でも何個かペナルティもあって、隙を見せる部分もあった。隙のないチームを作っていけたらと思います」

相馬監督

「我々の強みはコンタクトとセットプレー。その部分で突き抜けていけるようにしたいです」

——冬の大学選手権で優勝するまでの過程で、今日のゲームの位置づけは。

相馬監督

「すごく平凡な答えですが、シーズンを通して目の前の試合を全力で戦っていくことが大事だと思っています。そのなかで課題が出て、フィードバックして、その部分を強化していく。これから試合をするたびに、学生は色んな方向に成長していくだろうと思います。…すみません、答えになっていないかもしれませんが」

 敗れた早稲田大学では、大田尾竜彦監督、相良昌彦主将、2年生フッカーの佐藤健次が会見。大田尾監督は「上から見ているよりも、選手たちが圧を感じていたとは思います」「全部が全部悪かったわけではないですが、結果として32点差。追っていかなければいけないなと思います」とまとめた。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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