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日本代表白星ならず…。フランス代表逆転劇、指揮官はどう見た?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
スクラムからの防御シーン(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

 フランス代表は前半、防御で反則を連発。しかし後半に入ると、日本代表の自陣でのエラーと相まって攻撃機会を増やす。スペースでパスやキックを通し、防御に仕掛けては球を繋ぐ。ハーフタイムまで13―13だったスコアを42―23とした。

 世界ランク2位のフランス代表は、7月2日、愛知・豊田スタジアムでの対日本代表2連戦の1試合目を制した。

 対する10位の日本代表に対して、「後半、適切なチームプレーができたのが勝利につながった」とファビアン・ガルティエヘッドコーチ。同国史上最多記録となるテストマッチ(代表戦)9連勝を達成し、シャルル・オリボン主将と会見した。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――難しい試合でしたが、前半特に苦しんだ。後半スムーズにいった。

「テストマッチでは勝つことが重要。内容にはいろいろな要素がある。このチームでは経験の少ない選手が多く、平均年齢20代前半。そのなかでどんなプレーをするかを見極めた。前半、引き分けだったのはよかった。後半、適切なチームプレーができたのが勝利につながった」

――後半から積極的にメンバーを代えた。

「前半は非常に経験の少ない選手が多かった。また日本代表が速く、インテンシティの高いプレーをしていて、我々の対応が後手に回り、ぶつかり合いでも差し込まれた。それが苦戦の要因でした。ただ、それでも前半を同点で終えられたのがよかった。後半は武器を活かすようにした。若い選手が多いので、ここで規範を作り上げるのが大事なことでした。後半は攻撃も守備も、最初の一歩が出るようになったことがよかった。いろいろなプレーに関しては細かいことがあるのですべては申し上げられないが、これから考えていきたいです」

――ブレイクダウンでレフリーが反則を取るジャッジが速かった。前半はそれに苦しめられたような。逆に、後半にはそれに対応できた。

「確かにその通り。我々はブレイクダウンでしっかり対応できた。そこは意識したことです」

――日本代表のスタンドオフ李承信選手のプレーについて。

「選手個人についての話で特別、言うことはない。それでも日本代表の10番は日本代表の攻撃をうまく動かしていて、いいプレーはしていた。またキックが正確で、プレースキックを100パーセント決めていた」

――テストマッチ9連勝。

「我々はまずこの試合に勝つことを最大の目標にしていた。バーバリアンズ戦(複数の同国代表選手らを率いてイングランド代表と対戦)から試合が続いているなか、目の前の試合に集中することが重要でした。9連勝の功績はコーチとともに作り上げたものです。しっかり会話をして作り上げたもの。コーチの頑張りを讃えたい」

 周辺での最高気温が35度という猛暑日にあって、オリボン主将は「肉体的には厳しいものでしたが、それは事前にわかっていたこと」。2連戦の2試合目は、9日に国立競技場である。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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