ラグビー日本代表は現地時間11月20日、エディンバラのマレーフィールドでスコットランド代表と対戦。18日に出場メンバーを発表し、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチが会見した。顔ぶれは以下の通り。

1  クレイグ・ミラー(5)●□

2  坂手淳史(26)★○■

3  ヴァル アサエリ愛(19)★●□

4  ジャック・コーネルセン(5)○□

5  ジェームズ・ムーア(12)★○

6  リーチ マイケル(71)★□

7  ピーター・ラブスカフニ(12)★◎〇

8  姫野和樹(21)★○□

9  流大(26)★○

10 松田力也(27)★○□

11 シオサイア・フィフィタ(5)○□

12 中村亮土(29)★○□

13 中野将伍(1)□

14 松島幸太朗(43)★○■

15 山中亮平(21)★●□

16 堀越康介(4)□

17 稲垣啓太(38)★○

18 垣永真之介(9)

19 ベン・ガンター(2)○

20 テビタ・タタフ(8)●■

21 齋藤直人(5)●■

22 田村優(68)★○

23 ディラン・ライリー(2)○□

◎=ゲームキャプテン

〇=11月6日アイルランド代表戦先発

●=11月6日アイルランド代表戦リザーブ

□=11月14日ポルトガル代表戦先発

■=11月14日ポルトガル代表戦リザーブ

★=ワールドカップ日本大会登録メンバー

 2019年のワールドカップ日本大会では同カードを28-21で制し、史上初の8強入りを果たしている。しかし現在の世界ランクでは、日本代表が10位なのに対してスコットランドは7位。直近の代表戦(テストマッチ)の結果を受けてのことだ。

 海外メディアの問いに、ジョセフはこう話している。

「パンデミックを経て、自分たちのラグビーをしていない時間が長くなり、短い合宿を経て次のテストマッチをしなくてはならなかった。国内の試合にもたくさんの影響があり、準備は遅れています。その間スコットランド代表は強くなっています。チームとしても成長しています」

 今回のツアーでは、まず10月23日にオーストラリア代表に23―32と惜敗(昭和電工ドーム大分)。さらに現地時間5日、日本大会で倒したアイルランド代表に5―60で大敗する(ダブリン・アビバ)。ここからメンバーを大きく入れ替えて臨んだポルトガル代表戦は38―25と勝利も苦戦を強いられた。

 ツアーを締めくくる大一番に向け、指揮官は再び編成にメスを入れる。若手をやや多く並べたポルトガル代表戦のスターターから、左プロップのクレイグ・ミラー、スタンドオフの松田力也、アウトサイドセンターの中野将伍と好調なメンバーを続けて先発させている。

 意図と意気込みは。

 以下、共同会見時の一問一答の一部。

「ポルトガル代表戦から怪我から復帰したのはラピース、ムーアです。その他、ポルトガル代表戦からは流も戻り、リザーブだった松島も14番に入ります。大きなチャレンジ。いい試合ができると考えています」

——今回、怪我で選考できなかった選手は。

「具(智元=右プロップ)だけです」

——左プロップはクレイグ・ミラー選手。

「彼は調子がいい。試合に出る権利がある。1番のできる選手は3人いますが、中でもミラーが頑張っている」

——フォワード第3列のスターターには経験者が多い。

「自分たちの精度を上げること、フィフティ・フィフティの状況でペナルティを犯さないのが重要。向こうのフォワード第3列はブレイクダウン、ディフェンス、ジャッカルがいい。選手にはそう話しています。ただ我々の側にもリーチ、ラピース、姫野と経験のある選手がいる。どうなるかが楽しみ」

——スタンドオフでは田村選手ではなく松田選手が先発する。

「彼は前回の試合でもコントロールしてもらえたので、今回も試合に出る権利がある。いいパフォーマンスをしてキックもしっかりと蹴ってくれて、自信をつけている。今週どんな試合をするか、楽しみです」

——アウトサイドセンターの中野選手について。

「彼のことは新しい選手として見ている。先を見据え、経験を積ませるのが重要だと思っています。若く、未成熟な部分はあるが、今後を見据えて起用します」

——松島選手がウイングで、山中選手がフルバック。

「松島はワールドカップでもウイングで戦っている。セミシ・マシレワの怪我によって、山中がフルバック、松島がウイングに入ります。2人とも素晴らしい選手。楽しみにしている」

——日本大会組の稲垣選手、田村選手がリザーブスタート。経験者をベンチに置く考えか。

「先発選手の方が良い仕上がりだった。戦術的に2人がリザーブにいるということではない。ただ、優と稲垣は後半から大きな役割を果たすべき。それを期待しています。試合を勝ち切るには後半もいいパフォーマンスを出せないといけませんから」

——スコットランド代表の警戒する点は。

「ひとつ挙げるのは難しいが、前回のワールドカップから成長している。ずっとワールドカップに出続けている国でもある。若いリーダーがいて、チームとして成長している。ランをたくさんするイメージがある」

 今回のツアーで苦戦している要因のひとつに、反則禍がある。活動再開後の代表戦計5試合すべてで、相手に2桁のペナルティキックを与え続けている。その要因と改善策は。指揮官は述べる。

「(反則を)やるなというのは難しいが、その件は選手に伝えています。ポルトガル代表戦では、選手が頑張りすぎてミスを犯し、そのミスを取り返そうとして…という循環が起きていた。リーチがポルトガル代表戦でイエローカードをもらいました。これはメンタリティの問題からだと思います。アイルランド代表戦でタフな敗戦を喫し、次のポルトガル代表戦へは緊張感を持って練習してきた。そして今週はマレーフィールドで、約5万人の前でプレーする…。基本的には、自分たちのラグビーをするのが重要だと思っています」

 チームのスタイルを粛々と体現すれば、おのずと規律は保てるとの考えだ。この日はジョセフが話した後、選手4名がオンライン会見に登壇。リザーブスタートの稲垣は、反則の予防についてより具体的に述べる。

「皆、ペナルティをしたくてしているわけではない。ただ色んなシチュエーションがあるから、その瞬間、瞬間に判断を下す(ことが必要)。よかれと思ってやったことがチームにとってよからぬことだったりする。その辺は判断して、レフリーとコミュニケーションを取る必要がある。

 レフリーとコミュニケーションを取るのは基本的にはキャプテンの仕事。ただ、その周辺で何が起こっているかのすべてをキャプテンが把握することはできない。何か異常があればキャプテンに伝える、もしくは――レフリーに示すというのですかね――いまこういうことが起きている、なぜいまのがだめなのだとジェスチャーをする。ただ、ジェスチャーをしてそのままプレーが流され、相手にチャンスを作られたら元も子もない。その辺の、バランス(も大事)ですよね。あるプレーを僕たちはペナルティだと思っていてもレフリーにとってはOKだとして、そこを僕らが認識しないままプレーを続けてしまっては、相手に一生、アドバンテージを与えてしまうようなもの。そのあたりの判断とコミュニケーションも重要です。

 問題が起きた時にハドル(円陣)を組むじゃないですか。トライを獲った時、獲られた時、プレーが中断した時に。そこで、どんな話が出るか。おそらく皆が皆、色んなことを話せるんです。ただそうしていたら、まとめる時間はない。誰が喋るか、何を喋るか、誰がまとめるか。そこがはっきりしていればうまく時間が使えて、レフリーとのコミュニケーションもスムーズにいくと思います」