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練習生→日本代表。ディラン・ライリー、アイルランド代表戦で代表初先発。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
スクリーンショットは筆者制作

 ラグビー日本代表は日本時間できょう11月5日22時、敵地ダブリン・アビバスタジアムでアイルランド代表戦のキックオフを迎える。前日、代表初先発となるディラン・ライリーが、ベンチスタートの徳永祥尭とオンライン取材に応じた。

 ライリーは身長187センチ、体重102キロの24歳。南アフリカのダーバンに生まれ、10歳の頃に家族でオーストラリアへ移住。20歳以下オーストラリア代表に選ばれたものの、現地でのプロ契約を勝ち取れずに来日する。

 練習生を経て加入が叶ったパナソニックでは、2021年の国内トップリーグでのベストフィフティーンを受賞。今秋、「3年以上の国内連続居住」という条件を満たして日本代表資格を得ていた。

 今度のアイルランド代表戦では、ウイングの位置で初先発。アウトサイドセンターを本職とするライリーの意気込みは。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

——10月23日には、オーストラリア代表との試合で日本代表初キャップを獲得しました。

「本当に信じられない、素晴らしい感覚でした。こういう機会をもらえたことは嬉しい。今後もこれを当たり前だと思わないよう、がんばっていきたいです」

——あなたにとって、日本代表でプレーすることはどんな経験か。

「エキサイティングな気持ちです。国際試合でやるシステムについてはジェイミー(・ジョセフヘッドコーチ)たちから教えてもらっている。他の選手とも触れ合えて色んなことを学んでいる。その過程全体が貴重な経験です。特に私にとっては、チャンスを掴めばそれを最大限、活かせるように自分のプレー、スキルを磨く。特に日本はスキルに長けたチーム。そのなかでやっていくには私自身が(スキルを)会得しなければいけない」

——アイルランド代表戦ではウイングで先発します。向こうが仕掛けてくるであろう空中戦で、長身を強かして欲しいとのリクエストがあるようです。

「ウイングのポジションへのチャレンジ。楽しみにしています。チームのメンバーもコーチ陣も、たくさん手助けしてくれた。ハイボールキャッチはこの1週間、他の選手やコーチとドリルをやってきた。その部分は試合のなかでチャレンジになるが、自信を持って試合に向かいたい」

——オーストラリア代表戦でも後半途中からウイングでプレー。もともとその予定で練習していたのか。

「23番(当時の背番号)ということは、ユーティリティとして違うポジションをカバーしなければいけない。その気持ちで試合に臨んでいました」

——次回が初先発です。

「スターティングは自分でも目指していたので嬉しいですが、基本的にはベンチからでもスタートからでも、ゴールは一緒だと思っています。試合に出た時に結果を出すことが大事」

——相手のスタンドオフで先発予定のジョナサン・セクストン選手は、出場すれば100キャップを獲得します。

「100キャップには、しっかりとした意味合いがあると思います。彼は素晴らしい選手。アイルランド代表でもキーになる。勢いを彼が作ると思っています。それをしっかりと止めるのが重要です」

——現地でのテストマッチへの準備状況について聞かせてください。グラウンドの状況、練習の強度、緊張感などは。

「チームはここに移動してきてからたくさん、いい経験をしています。最初は時差対応が大変でしたが、日本の合宿をおこなってからこちらに入るなか、凄くいいつながりで練習ができている。試合が楽しみです」

 チームは2019年のワールドカップ日本大会で同カード(静岡・エコパスタジアム)を制しているが、今年7月3日の再戦では主力を欠く相手に31―39で敗戦。2021年のテストマッチ(代表戦)で3戦続けて強豪に惜敗の日本代表は今回、タフな状況下で白星を掴みにかかる。

 徳永は「(現地では)強度が高い練習もありますが、日本(国内合宿時)よりもショートで、コンタクトレベルが高く、いい練習ができています」と充実ぶりを語る。結末やいかに。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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