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日本代表、アイルランド代表戦で反則どう減らす? メンバーどう決めた?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
現地で合流の松島(写真提供=日本ラグビーフットボール協会)

 ラグビー日本代表は日本時間11月6日夜、敵地ダブリン・アビバスタジアムでアイルランド代表と対戦する。

 チームは9月下旬から始動し、10月23日のオーストラリア代表(昭和電工ドーム大分で23―32と敗戦)を経て10月29日以降に欧州入り。アイルランド代表戦に向けては、キックオフ48時間前までにメンバーを発表した。

 欧州では、フランスのクレルモンに在籍の松島幸太朗が合流。アイルランド代表戦ではいきなりフルバックで先発入りする。今度のメンバーでは松島の他に、2019年のワールドカップ日本大会組が23名中15名を占めた。

 一方、同大会で主将だったリーチ マイケルは、故障から復帰して時間が経っていないことを受けて選考外となった。

 メンバーは以下の通り。

1  稲垣啓太(37)★○

2  坂手淳史(24)★○

3  具智元(16)★○

4  ジャック・コーネルセン(3)○

5  ジェームス・ムーア(11)★○

6  ベン・ガンター(1)○

7  ピーター・ラブスカフニ(11)◎★○

8  姫野和樹(19)★○

9  流大(25)★○

10 田村優(66)★△

11 シオサイア・フィフィタ(3)○

12 中村亮土(27)★○

13 ラファエレ ティモシー(26)★○

14 ディラン・ライリー(1)△

15 松島幸太朗(41)★

16 庭井祐輔(9)△

17 クレイグ・ミラー(3)△

18 ヴァル アサエリ愛(17)★△

19 德永祥尭(13)★△

20 テビタ・タタフ(6)△

21 齋藤直人(3)△

22 松田力也(26)★○

23 山中亮平(19)★

★=ワールドカップ日本大会登録メンバー

◎=キャプテン

〇=10月23日オーストラリア代表戦先発

△=10月23日オーストラリア代表戦リザーブ

( )はキャップ数

 日本時間4日夜、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチが会見した。

 両ウイングにセンターを本職とする2選手がスターターに入ったことに関し、「コンテストキックが増える(ことで長身選手が必要)」との旨で説明。「フォワードパック」が鍵と、オーストラリア代表戦時と同じ顔ぶれになったフォワード陣の奮起を期待していた。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

——セレクションの方針は。

「ワールドカップに出た経験のある選手を使うことと同時に、ティア1(上位国)チームとの対戦へ経験の少ない選手を使うのも重要な点だと考えています」

——松島幸太朗選手について。

「フランスでも自信をつけていいラグビーをしている。安定感があるので、アタックでチャンスを作って欲しい。

彼は合流して4日目。それほど大きな期待を課しているわけではありません。ただ、日本代表に限らず、ワールドカップに出る選手は海外のプレー先から代表に合流する(ことが多い)。松島も、そういう選手だと見ています」

——普段センターのライリー選手のウイング起用について。

「彼のいいところは攻守ともにハイボールが獲れるところ。この試合では(高い弾道の)コンテストキックが増えると予想していますので、それに対して対応したい。ディランはそうしたスキルをしっかり持っていると思います。

彼は身体も大きく、ランもいい。センターでは他に中村亮土、ラファエレ ティモシーという経験のある選手がいて、この2人にはできるだけ長くプレーをして欲しい。一方、セミシ・マシレワの怪我も影響もある(フルバックとして先発したオーストラリア代表戦で故障)。そんななか、ディランにチャンスが回ってきました」

——今後、ウイングを本職とする選手の起用はあるのか。

「コンビネーションはいろいろと試してみたい。何せ、この2年間で(パンデミックの影響などから)3回しか試合をしていないですから。

次の試合に集中しているので今後について話すのは難しい。オーストラリア代表戦に出たロマノ・レメキ・ラヴァ、セミシ・マシレワ、シオサイア・フィフィタ(※1)もいいプレーをしています。レメキ選手は前回イエローカードを出したことで難しい試合になった。髙橋汰地も一時別メニューだったところから、頑張ってそのポジションを奪わなければいけないところにいます」

※1 本職はアウトサイドセンターもジョセフ体制下ではウイングに固定される。

——スタンドオフの起用について。

「これまでスタートの機会が少なかった力也にとって、オーストラリア代表戦は大きなゲームでした。前回は田村が怪我をしていて先発に入らなかったですが、お互いにプレッシャーをかけ合うのが重要です。今回は優がスタートでパフォーマンスを発揮し、リザーブの力也が後半から影響を与えてほしい」

——試合の鍵は。

「相手はフォワードがセットピースでプレッシャーをかける。そこで対応できればバックスはトライができるのではと思っています。

フォワードパックには満足していますが、まだまだたくさん成長できる。特にロックではヴィンピー(・ファンデルバルト)が合宿前にアキレス腱を断裂しています。さらに長谷川崚太、リアキ・モリは脳震盪。特にモリは合宿前から脳震盪の傾向があり、選手としての未来を考えても重要視しなければならない。秋山は足首を怪我しています。ロックの位置では不運が起きています。そこについて、いい選手を作り、改善したい」

——リーチ選手は選外となった。

「彼はきょうもフルトレーニングに参加していますが、怪我明け(※2)ということで、今回のセレクションには入っていません」

※2=ジョセフ体制下では、試合がある週の月曜日までにベストコンディションでなければセレクションの対象とならないケースが多い。

——オーストラリア代表戦では反則が多かった。

「あれだけたくさんの反則を出すと勝つのは難しい。それはチームにたくさん話をしてきている。精度を上げる。判断をしっかりする。チャレンジするかしないか、ボールに絡むか絡まないかのバランスが重要。その遂行力について自分たちで修正することに、時間をかけてきました。当日、どんな流れになるのか、楽しみにしています。

それとチームに話したのは、『反則を犯したくないからといって守りに入って欲しくない』ということ。精度が悪くなった時、チームでどう修正、対応するかが大事だと伝えています」

 話題になった反則禍へのマネジメント。ここで鍵を握るのはやはりフォワード。フォワード陣が関与する接点、セットプレーが判定の対象となりやすいからだ。

 なかでもオープンサイドフランカーのピーター・ラブスカフニは、接点へ絡むプレーを得意とする。何よりこのツアーではキャプテンを務め、試合中のレフリーとの対話を率先して行わなくてはならない。試合中、笛の傾向を的確に把握し、チームおよび個人の反則を未然に防げるだろうか。

 チームは日本時間5日夜、会場で試合前日練習をおこなう。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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