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7人制日本代表・小澤大、ワクチン議論に理解もオリンピック開催を信じる。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
身長183センチ、体重89キロの32歳(写真は2018年)。(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

 昨夏開催予定だったオリンピック東京大会は今夏に延期予定で、いまなお開催そのものについて議論されている。

 5月10日、都内某所。オリンピック種目の男子7人制日本代表候補である小澤大が揺れる大会の意義、一部で報じられる選手団のワクチン優先接種の可能性について私見を述べる。

 この日は「男子セブンズ第三次オリンピックスコッド府中合宿」の5日目で、チームリーダーでもある小澤が取材対応。自身は不参加だった4月のドバイ遠征時(エミレーツ・インビテーショナル・セブンズに参戦)および現在のチーム状況、オリンピックまでに克服すべき課題についても話した。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

--チームの雰囲気は。

「海外遠征で出た課題を国内で修正。いい方向には行っています。自分は遠征には行けていなかったので雰囲気はわからないですが、(現地における大会の)映像を見る限りでは1~6試合目で安定したプレーができないと世界で勝つのは難しいと感じました」

--ご自身は。

「怪我が続いてパフォーマンスを上げられませんでしたが、いまは怪我も治ってパフォーマンスも自分としては上がってきている。最大限のプレーを出し、(メンバー入りへ)アピールしたい」

--ドバイ遠征に不参加だったなか、いまからメンバー入りへアピールする点は。

「自分は1~6試合目に出続け、安定したプレーを求められている。厳しい言葉をいただきましたが、それも受け止め、アピールできたらなと」

--いまの時代にオリンピックをすることについて、様々なアスリートが意見を表明しています。そのことについてチームで話し合うことはあるか。

「開催されるのかがわからない現状がありますが、自分たちは開催を信じて動いている。自分たちのコントロールできるところはコントロールして、コントロールできないことは(周囲に)任せて、オリンピックが開催されることを祈りながらチームを作り上げたいです」

--国際オリンピック委員会が選手団に向けたワクチン提供の覚書をかわしたと発表しました。

「世間から『オリンピック選手が打てるなら、なぜ』という声があると思います。正直、自分は打てるなら打ちたいと思っています。それによって安全に大会を進められる。自分たちはオリンピックを見て、開催されることを望んでいる。ただ、自分たちだけが打てるというのは不公平。ここからは自分がコントロールできることではないですが、しっかりと政府の人たちがコントロールしてくれると思う」

 国内でのワクチン流通が思うに任せぬ状況、およびその背景を深く認識し、かつアスリートとしての態度を表明したように映る。

※ 5月13日、一部修正しました。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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