早稲田大学卒ルーキー岸岡智樹、トップリーグ初先発。【ラグビー旬な一問一答】

左から岸岡、クロッティ

 早稲田大学出身で、学生王者となった2019年度に正司令塔として活躍した岸岡智樹が3月6日、国内トップリーグで初先発した。

 クボタのスタンドオフとして、東京・江戸川陸上競技場での第3節に出場。前節まで先発したオーストラリア代表スタンドオフのバーナード・フォーリーがベンチに控えるなか、最後までフィールドに立った。大外のスペースへのパスでトライを演出し、敵陣ゴール前でのカバー防御でも魅した。

 好判断を長所とする岸岡は、学生時代からSNSを駆使してラグビーにまつわる情報を発信。コンテンツ投稿サイトの「note」で記す詳細なゲームレビューは評判を呼び、本人はかねてこう述べていた。

「教育実習で母校(東海大大阪仰星高校)へ帰り、学問としては数学を教えて、ラグビー部の指導も。3週間続けて教えていると、ラグビーのスキルがあがっていたり、僕が教えた授業の範囲がテストで解けるようになったりと、自分のアクションへのリアクションが明確に見えた(のに興味を持った)。『2部リーグの大学にいるけど(国内最高峰の)トップリーグで戦いたい』という意識の高い選手はいっぱいいますが、彼らには環境が整っていなかったり、考えてラグビーをやっているのに対して周りの仲間がついてこなかったり…ということがある。それに対し、僕は何をしようか。インターネットを通しての発信が一番簡単に早く始められると思ったんです」

 試合は34―24で開幕3連勝を飾り、ニュージーランド代表センターのライアン・クロッティとともに会見した。

 岸岡

「僕としてはクボタで初の10番(スタンドオフ)で80分間、出させていただいたのですが、すごくタフな試合で、ゲームに勝つことをできたことが喜び。試合を楽しむことができた気持ちです」

――収穫と反省は。

「今日はあまり風がなかったなか、戦うエリアでNTTコムさん側にいたかったのですが、前半はボールをキープするところ、(キックで)手放すところの判断を少し誤った反省があります。後半はキックをうまく使って相手が嫌になるような場所でプレーができたのはよかったと思っています。まずスクラムハーフの井上大介さんとコミュニケーションを取って、ハーフタイムにユニット、チームで共有しました」

 確かに前半20分を前後し、大きく左右にボールを振りながら局面を打開できないシーンがあった。もっとも15―10都5点リードで迎えた後半には、キックオフの後に味方の好守をきっかけにトライを奪ったり、早めにロングキックを蹴り込んだりし、主導権を握った。

 会見では、クロッティと親密にやり取りをかわす場面もあった。

――お互いはお互いにとってどんな存在か。

クロッティ

「彼には感銘を受けている。スキルセットも高いし、若く、大卒1年目でこれだけできるのは凄い。謙虚だし、ハードワークすればより高いレベルを目指せる。試合ではゲームコントロールをしていた。12番(クロッティがこの日プレーしたインサイドセンターの番号)としてスタンドオフにどれだけボールを渡すかが大事。彼はエリアのことを反省してはいたが、前半もコントロールしていたと思う」

岸岡

「レジェンドです。何よりプレー中のコールをしてくれる。10番に対して情報を提供してくれる。僕自身もゲームコントロールをするなかでより簡単になる。日本語と英語という壁はあるんですが、誰よりも言葉を発して情報提供してくれるのですごく信頼しています」

クロッティ

「(岸岡に指をさし、日本語で)エイゴ、デキル」

――大学の同級生はトップリーグで活躍中です。

岸岡

「1節、2節と、僕を合わせた5人全員が(最低1度は)メンバー入りしていたのが嬉しかった(齋藤直人、中野将伍=サントリー、三浦駿平=ヤマハ、桑山淳生=東芝、岸岡)。各チームに在籍して日本のラグビーを盛り上げ、そのなかで今日、僕自身10番で出られたので、他の選手にも刺激を与えられると思います。サントリーでは中野選手が第1節、齋藤選手が第2節でスタメン。彼らの活躍には負けていられないと思いますし、これからお互いに相まみえることもあるかもしれないので、その時を楽しみに。お互い、いい試合ができればいいかなと思っています」

 試合中、本来ならゲーム主将が受けるレフリーからのチームへの説明を、新人の岸岡が聞き取るシーンがあった。

 複数のクラブスタッフによると岸岡はゲーム副将を務めていたようで、英語を使うゲーム主将のピーター“ラピース”ラブスカフニに代わって日本人レフリーとのコミュニケーションを託されていたようだ。

 会見はリーグの方針で時間が限られたとあり、本人のレビューも一層、期待される。