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大学ラグビー明日開幕。注目選手の注目ポイント15選【ラグビー雑記帳】

向風見也ラグビーライター
明大主将の箸本。「自分たち主体でやらないと、いいチームは作れない」(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

 関東大学ラグビーの対抗戦Aとリーグ戦1部が10月4日、各地でスタートする。コロナ禍にあって、今年の日本でおこなわれる唯一のトップレベルリーグだ。

 本稿では、注目選手の注目点を挙げる。現日本代表ヘッドコーチのジェイミー・ジョセフは、どんな状況下でも役割を全うできる「タフ」さを求める。今回も「タフ」に映る、またはいままで以上に「タフ」になれば才能が爆発しうるラグビーマンを挙げた。

1,近藤芽吹(帝京大)…タックル、素早いリロード、スイープ、突進と、すべてのチームのすべての選手に求められる項目を常にやり切れる。

2,江良颯(帝京大)…自陣ゴール前でタックルを重ねたり、攻守逆転を決めてから抜け出した味方ランナーへ首尾よくサポート。ピンチとチャンスに顔を出せる。

3,細木康太郎(帝京大)…力強い突進に加え、追いすがるタックラーをかわすランニングスキルもある。防御でもタフに身体を張る。

4,相部開哉(慶大)…激しい音の鳴るタックルで何度でも相手を仰向けにする。相手防御網へ躊躇なく突進するさまも光る。

5,箸本龍雅(明大)…今年は最後列のナンバーエイトに転向。プレーを始める瞬間の加速力、防御と対峙した際のフットワークと推進力が光る。

6,上山黎哉(帝京大)…強烈なタックル、攻守逆転のチャンスを逃さぬ反応。

7,山本凱(慶大)…接点で相手とぶつかった際、簡単に身体が左右にぶれない。背骨が曲がらない。接点で攻撃側の反則が取られやすいのが昨今のトレンド。強靭さをジャッカルに反映できるこの人は一層、注視される。

8,サイモニ・ヴニランギ(大東大)…身長197センチ、体重117キロで文句なしの突破力。昨季は故障で出遅れも今季万全ならインパクト大。

9,友池瞭太(専大)…相手の圧のかかる接点からも精度の高いパスを放つ。従来以上に他者へ強い興味を持つようになれば、より試合を支配できるような。

10,丸山凛太朗(東海大)…点差、時間帯、状況、数的優位などの情報を踏まえた最適解を下す確率が高い司令塔。木村季由監督曰く、「いかにチームマンになるかが一番の課題。本人も感じている」。劣勢時に下す一手やプレーの合間の周りとの連携などに、進化の跡が表れるか。

11, ハラトア・ヴァイレア(日体大)…大外のスペースを駆けあがるスピードと推進力。フランカー、ナンバーエイトに回った昨季は課題だった防御も改善されたような。

12, 森勇登(明大)…名脇役。タックル後に素早く起き上がり、網の穴を素早く埋める。相手の防御が固い時も、攻撃ラインの深さを調整して見えない穴を露出させる。

13, 長田智希(早大)…捕球役が視線を落とした瞬間に懐へ飛び込むようなキックチェイスからのタックルなど、黒子の働きが際立つ。

14,イノケ・ブルア(流経大)…抜群に足が速く、フットワークが鋭く、多方向へのオフロードパスなど相手に捕まってからのプレー選択も豊富。日本語が上手。

15,山沢京平(明大)…体幹の強さは防御をぬるりと抜け出す瞬間に凝縮される。スペースへ大胆に放つパスやキックも魅力。昨季は司令塔のスタンドオフでプレー。今季はシーズン中盤に復活か。

 10月4日の開幕戦では上記選手のうち3名が怪我やチーム方針のためか欠場(一部は確認済み)するうえ、他にも逸材は多い。学生選手の選考に慎重な傾向が強い現日本代表へ加われるタレントは、どれだけ現れるだろうか。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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