早稲田大学の丸尾崇真。コロナ禍、爆破予告に負けない「もっとできる」の心。【ラグビー旬な一問一答】

身長183センチ、体重100キロのナンバーエイト。最後まで走り切る(著者撮影)。

 昨年度の大学選手権を制した早稲田大学ラグビー部の丸尾崇真主将が9月5日、東京・上井草のグラウンドでの練習後に単独取材に応じた。

 今季は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で練習環境に制限がかけられ、加盟する関東大学対抗戦Aの開幕も例年より遅い10月上旬の見込みだ。取材に応じた前日は、大学側へ爆破予告があったため全キャンパスが閉鎖。ラグビー部もグラウンド、ジムなどを大学の施設としているため、予定変更を余儀なくされていた。

 以下、単独取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、チームの寮は4月に一時解散。本格的な練習再開は6月中旬でした。皆がチームに戻ってきた時の印象は。

「(自宅生活中も)自分で考えてやってきていたんだなと感じました。そこまでコーチ陣も口酸っぱく言っていないですが、それぞれ計画を立て、強み、弱みを見つけ、伸ばすところは伸ばす…と。成長していました。身体が大きくなったやつもいれば、スキルが上がったやつも」

――他方、天理大学ラグビー部はクラスター発生により活動を停止しています。言いづらいこともあると存じますが、思うところは。

「いつそういう状況になってもおかしくないのは、うちも同じだと思います。防いでいても(ウイルスに)かかってしまう場合がありますし、感染者を責めてはいけない。いつ練習ができなくなるかがわからないことも、重々、承知しています。(早稲田大学は)半分は通いの選手。寮生よりリスクが上がることは、仕方がないことは仕方がない」

 現在はキャンパスでの授業がおこなわれないなか、合宿へも出かけていない。主力組は、3度の食事を寮で摂れている。丸尾は他の部員が帰省する間も寮に残り(伝統的に主将は1人部屋)、個人練習に励んでいた。

――そういえばきのう、大学側に爆破予告があったようで。結局は何もなくよかったですが、予定変更はありましたか。

「午前中のウェイト(トレーニング)ができなかったことはありました。爆破とは関係ありませんが、午後は雷雨の影響で下のチーム(控え組)の練習ができなくなりました。イレギュラーなことは、ありますね」

 落雷の際は、安全面を考慮して練習を止めるのが現代の主流。雷探知機で天候のリスクは避けていても、突発的な雷雨には悩まされるという。ちなみに6日、控え組の練習は気温の上がる前の朝に設定。前日におこなえなかった分、強度を上げたようだ。

――さて、今後について伺います。キャプテン就任当初、全部員がレギュラーを目指す集団を作りたいと話していました。

「下のチームの選手にも、『最後は自分が決勝の舞台に立って、勝つんだ』という思いを持ってグラウンドで戦ってくれと伝えていて。まだまだ、もっとできると思います。(ウイルス禍のため)試合が少ないなか、(レギュラー入りへアピールする)チャンスも少ないと思われがち。でも、それは違うと考えていて。毎日、練習しているのだから、そこで魅せればいい。(両軍が控え組を出す)試合で誰かを倒すんじゃなく、自分の1つ上(のカテゴリー)の選手をこの上井草で倒せばいい。それをコーチ陣は見ている。ここでもっと、バトルをしてくれと話しています」

――加盟する関東大学対抗戦Aは、10月に開幕見込みですが。

「どういうシステムになるのか、それが途中で変わるのか、感染者が出て中断するのかもわからない。試合が始まれば様子見はせず、初めからトップで行きます。取れる点は取り、防げる点は防ぐ。80分のうちに取れる点は、取りつくす」

 

 学生ラストイヤーという特別な年が特異な状況に置かれるなか、やれることをやり続ける。