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日本代表リーチ マイケルキャプテン、南アフリカ代表戦で何したい?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
総仕上げへ(著者撮影)。

 ラグビー日本代表は9月6日、埼玉・熊谷ラグビー場で南アフリカ代表と対戦。20日からのワールドカップ(W杯)日本大会を前に、準備の総仕上げにかかる。2大会連続で同代表主将を務めるリーチ マイケルが、4日に会見した。

 4年前のW杯イングランド大会では、過去優勝2回の南アフリカ代表から日本代表が勝利。「史上最大の番狂わせ」と話題を集めた。しかし、日本代表陣営はそれを「過去のこと」と口を揃えている。

 

 ニュージーランド出身のリーチは15歳で来日し、札幌山の手高校、東海大学を経て2011年に東芝入り。2015年には母国のチーフスと契約して国際リーグのスーパーラグビーで活躍。日本で成長した世界的選手の1人として知られ、日本代表としてはワールドカップに過去2大会連続で出場中だ。実体験に基づき、競技やチーム作りの本質を率直に語る1人でもある。

 

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――試合に向けて。以前と比べてどこで上回りたいか。

「まずは小さい動きから。立ち上がるスピード、ボディランゲージ…。細かいところから頑張らないといけないです」

――4年前に勝った強豪国と、この時期に再戦。

「最後、ワールドカップに行く前にテストマッチがあるのはとても大事。前回大会前もジョージア代表と試合をした。ティア1(強豪国)ではないけど、セットピースに関してはティア1以上の力があった。それまでの4年間、ジョージア代表にはスクラムとモールでやられまくって、ジョージア代表を目標にしてやってきて、最後のジョージア代表戦はスクラムも安定して、モールも止めて、最後の最後にモールでのトライが取れた。4年間やってきたことが自信になって、それがワールドカップに繋がった。今回の南アフリカ代表はティア1でも優勝も狙えるくらいのチーム。自分たちの準備をするにはいい相手です。ティア1に対してどれくらいできるかが今後の2週間に影響すると思います。4年間で積み上げたことを全て南アフリカ代表にぶつけ、このチームがどれだけ強くなってきたか確かめたいです」

――相手のメンバーを見て。

「どんなメンバーを出してきても強い。そのなかでも皆が予想するベストメンバー。それを見てかなり嬉しかったです。日本代表にリスペクトをしているし、この試合を大事にしているなとは感じました」

――対するシヤ・コリシ主将に対して。

「きつくなった時にも彼が先頭に立っている。チームを引っ張っている人。彼は1人のキーマンになる。彼にどれだけプレッシャーをかけられるかが大事になります」

――4年前のことを経て、どのチームも日本代表を強豪とみて倒しに来る。それを上回るには。

「さっき言った小さい動き(が大事に)になります。小さいスキルが試合にかなり影響している。トップレベルになると、戦術よりも1つひとつのディテールが大事です。この前のインタビューでも言いましたが、このチームはフィットネスもフィジカルも戦術も世界レベル。あとは細かいところと、試合のマネジメントをしっかりやれば、トップとしっかりやれる力はあります」

――今度の試合に向けて特別な話はしたか。

「今回、特別な思いは特になくて。月曜に言ったことは『1パーセントの努力』。フィールド外のこと――ウェイトの記入、コンディションのチェックをしっかりやる、ペットボトルの1個1個の片づけ――からしっかりしましょうと。試合中の小さな動きも意識していきましょうと言いました。明日(5日)、最後のミーティングでもプレゼンしたいです。その内容はまだ決まっていません」

――チケットは完売。どんな試合にしたいか。

「この試合はかなり面白い試合になる。ワールドカップ以上に注目を浴びるだろうし、世界中が楽しみにしています。ふたつ言えることがあって、勝てば相手にプレッシャーをかけられるし、負けた場合も自分たちが何をやらなきゃいけないかが明確になる。満員のなかでプレーできて、ワールドカップを観に行けない人たちに日本代表の強さを改めて見せたいです。南アフリカ代表は世界で一番、身体が大きいチームかもしれません。世界で一番小さい日本がどれだけできるか、楽しみにして欲しいです」

――どこで圧力をかけたいか。

「相手が僕らに圧力をかけるのはスクラム、モール、ブレイクダウン。僕らがどこで圧力をかけるかというと、相手の身体が大きいのでどれだけ動かせるかが大事になってきます。自分たちのゲームはどれだけカオスを作れるか、です。そこから圧力をかけたいです」

――トップリーガーも多い。

「正直、前回やった時は南アフリカ代表は上の存在にしか見えなかったです。今回もそうです。オールブラックス相手にも勝つ力を持っている。ただ大事なことはひとりひとりを見ること。そうすればひとりひとりの弱点が見えてきます。そうすれば、強いイメージが少しずつなくなって、人間対人間の勝負になると、僕らも速いし、強いし、力もある。チームとしてはかなり強い。ただひとりひとり見えれば、僕たちの上回るポイントがある。熊谷へ行ったら、(紙を)張り出して、ひとりひとりの強み弱み、1人ひとりが何をやるべきか(を確認する)作業はしなくてはいけないです。毎試合、細かい分析はやっています」

――タックルについて。

「ディフェンスがキー。僕らも点数を取れる能力は高い。どこの相手からもトライを取ってきている。ただ負けている試合ではディフェンスが悪い。この試合ではディフェンスがポイントになります。相手もでかいし、速い。どれだけ我慢できるかがポイントになります」

 注目の再戦を、あくまで近未来のビッグイベントのリハーサルとして捉えるリーチ。今度のワールドカップに向けては、目標を「毎試合に勝つ」と定めている。その背景に、あの時の南アフリカ代表が存在するのが興味深い。

「目の前のことだけに集中すればいい。シンプルに。目標ももちろん立てていますけど、先を見ずに1試合、1試合やっていった方が、このチームの強さが出ます。前回大会の後、南アフリカ代表の何人かと喋ったら、日本代表戦の前にサモア代表戦のことを喋ったりと、先のことを考え、結果は負けてしまった。毎試合を見るのが、大事」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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