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サンウルブズ入りも間近? 松橋周平、トップリーグ選抜で好アピール。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
2018年に社員からプロに転向。大舞台での活躍を誓う。(写真:築田 純/アフロスポーツ)

 大けがからの復活を改めてアピールした。

 

 2月2日、岐阜メモリアルセンター長良川競技場。2017年秋に右ひざ前十字靭帯を負傷した松橋周平が、「日仏ラグビーチャリティーマッチ」にトップリーグ選抜のフランカーとして先発する。フランスのプロクラブ、ASMクレルモン・オーヴェルニュに29-50と敗れたが、接点でのプレーやボールを持っての突進で持ち前の足腰を活かした。

 身長180センチ、体重99キロの25歳。明治大学卒業1年目の2016年度、日本代表デビューを果たして国内トップリーグの新人賞を獲得した。2017年はサンウルブズに入り、大男の懐を切り裂いてきた。サンウルブズとは国際リーグのスーパーラグビーにこの国から参戦するチーム。日本代表の強化を後押しする。

 松橋のパフォーマンスに太鼓判を押したのは、視察に訪れた藤井雄一郎・日本代表強化副委員長兼サンウルブズGM。関係者の話を相互数ると、松橋のサンウルブズへの追加招集の可能性が高まったと言える。2019年の日本代表は当面、ワールドカップ日本大会に向け選手をラグビーワールドカップトレーニングスコッド(RWCTLS)キャンプとサンウルブズのふた手にわけて強化。この日はトップリーグ選抜でプレーした選手のうち8名が、3日からのRWCTLSキャンプに合流すると決まった。

 2018年は代表を離れていた松橋だが、復帰後のトップリーグでは好パフォーマンスを維持。RWCTLSの予備軍的な立ち位置のナショナル・デベロップメントに名を連ねており、本格的なカムバックが期待されていた。今度の試合後は、爽快感ある談話を残してこの先を展望した。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――きょうはいかがでしたか。

「7番(オープンサイドフランカー)としてしっかりディフェンス、ブレイクダウンでリードしていこうかと思っていて、結構、その部分はできていました。ただ、ボールキャリーでは課題がある。ああいう強い相手に対し、自分からもらいに行くために早く(所定の位置に)セットして、隙を見つけてきりに行ったら、もっといいランができる。まぁ、悪くはなかったです」

――相手のフィジカルはいかがでしたか。

「強かったですね。これまでやってきた外国人のレベルなので驚きはしなかったですが、フィジカルに来ているなと思いました」

――「フィジカルに来ている」。松橋選手が2017年にスーパーラグビーで戦った南アフリカカンファレンスのチームが思い出されますが。

「似ているかもしれないですね。ちょっと力で押されるとリズムに乗られるという部分はあったかもしれないです」

――ただ、この日のパフォーマンスを受け、近くサンウルブズのメンバーになる可能性もあります。今後は。

「一瞬、一瞬が大切になってくる。どれだけ自分のやっているプレーを高めていけるか、強みを見てもらえるように出せるか。僕の色を、どんどん出していきたいと思います。入ったらどんどん溶け込んで、自分のやるべきことをやろうという感じでいます」

 2019年に入り、松橋は「自分の強みを活かす」ことにフォーカス。個人練習でもジャッカル(接点で相手のボールを奪いにかかるプレー)とランを重点的におこなってきたようだ。だから2シーズンぶりの国際舞台でも、「僕の色を、どんどん出していきたい」という。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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