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東芝リーチ マイケルは「安心した」。質問は日本代表関連のみに限定。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
世界選抜戦でも背番号6をつけ先発(写真:アフロ)

 ラグビー日本代表のリーチ マイケルキャプテンは11月2日、都内の会見場に姿を現すや「東芝のニュース。今日、ウェブサイトを見てすごく安心しました。これから明日の試合に向けて準備したいと思います」と話した。

 1日夜にリーチの所属する東芝がラグビー部の撤退を検討していると報じられ、2日朝には東芝が「撤退を検討している事実はありません」と声明を発表していた。ここでわかることは、報道機関が何らかの裏付けをもとに「撤退を検討」と報じたこと、東芝が現時点で「撤退を検討している事実はありません」と言っていることのみだ。

 リーチは続けて、当日に使用するボールについてコメント。その後の質疑応答に際し、協会関係者が「ご質問は明日の試合に関することのみで」とした。

 4年に1度のワールドカップ日本大会を見据える日本代表は11月3日、東京・味の素スタジアムで世界ランク1位のニュージーランド代表(オールブラックス)と戦う。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――チームの状況は。

「今週はいい準備ができてわくわくしています。個人的にもできるだけの準備をやってきた」

――ニュージーランド代表に経験の浅い選手が多い一方、日本代表のメンバーにもこれからキャリアを積むような選手が揃う。

「とてもいいです。緊張している選手は何人かいるだろうけど、オールブラックスの方が緊張していると思います」

――勝つためには。

「ディフェンスとワークレート。キャプテンとしてはプレッシャーを理解してどうプレッシャーをかけるかを考えなくてはいけないです」

――日本代表がトライを奪う自信は。

「あります。サンウルブズ(日本代表の兄弟チーム)でも、スーパーラグビーの上位のチーム(その多くはニュージーランドベース)からも取っている。トライを取る自信はあります」

――10月26日の世界選抜戦は28-31で敗戦も、一時7-31とされた後に巻き返しました。

「前回(6月)のイタリア代表戦でも後半になってから点数を取れるようになった。ただ、試合に勝つには前半が全て。プレッシャーをかけ続けることが大事。ディフェンスで相手にチャンスを与えない。向こうはこぼれ球をトライに持っていける能力が高いから、それも理解して対応しなきゃならない」

――スコアは。

「近ければ近いほど、相手はプレッシャーに感じる。できるだけ近いスコアでやってきたい」

――強豪に勝つには、キャプテンの状況判断力も問われます。何を大事にしたいか。

「修正ばかりを考えるより、相手にどうプレッシャーをかけるかが重要だと思います。試合の流れ、誰が勢いを持っているかによって戦術を変えたり、どうやって相手の勢いを止めるか(を考えたり)。この後、リーダー陣で話をしないといけないです」

――何で相手を驚かせたい。

「ラインスピード」

――相手にはリッチー・モウンガやネヘ・ミルナースカッダーら実力者が揃います。どう止めるか。

「スペースを与えないことです。コンテストボールにして、相手が走りたいスペースを消す」

――相手のメンバーを見た時の印象は。

「強いメンバー。あとはキャップ数を見ると、少ない。その経験(の少なさ)はプレッシャーをかけられるところ」

――相手選手の分析は、どれくらいしてきたか。

「ひとりひとり、ずっとしてきました」

 ニュージーランド代表の先発メンバー15名中10名が10キャップ(代表戦出場数)未満で、そのうち2名がノンキャップ。10月27日に神奈川・日産スタジアムであったオーストラリア代表戦のメンバーの大半は次のイングランド遠征を見据えている。

 10月中旬からの合宿で連携を強化してきた日本代表にとっては勝機を見出すポイントが生まれた格好だが、同ジェイミー・ジョセフヘッドコーチは「オールブラックスは全く新しいチームを日本代表戦に充てるだろうと準備していましたが、ふたを開けてみれば半々。(本来の)23人に入るか入らないかくらいの選手も入っている」。想定以上に豪華な陣容であったと見ているようだ。

 以下も、ジョセフの発言だ。

「ただオールブラックスは、どんなメンバーが選ばれようが世界最高のチームなので強い。1本目の試合を見てもそのメンバーをこちらに当ててこないと思ったので、準備は自分たちフォーカスでやってきました。スピードをつけられれば、速い球出しができれば、自分たちもいいゲームができると思っています」

 2015年のワールドカップイングランド大会時で同大会優勝2回の南アフリカ代表を破った際は、各選手の特徴を丸裸にしていたことも知られている。もっとも、来年のワールドカップ日本大会をピークに見据える今回は、スカウティングの分量や質は未知数。ジョン・ブラムツリーディフェンスコーチが仕込んだ鋭い出足の防御など、手持ちの武器をフル活用したい。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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