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トップリーグ初勝利の鼓動。村田毅が感じた日野が強くなる条件とは。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
2016年も若手中心の日本代表でプレー。(写真:アフロスポーツ)

 その高揚感は、入場シーンを見れば明らかだ。

 国内最高峰トップリーグに今季初昇格した日野のキャプテンである村田毅は、チームの先頭で入場する際に猛ダッシュでグラウンド入り。8月31日、東京・町田市野津田公園陸上競技場で宗像サニックスとの開幕節に挑んだ。

 果たして、33―3で同リーグ初勝利を挙げる。ロックやフランカーに入った村田やフランカーおよびナンバーエイトのアッシュ・パーカーらが防御で魅した。試合後、細谷直監督と勝利会見に臨んだ。

 村田は身長186センチ、体重103キロのサイズで強烈なタックルとジャッカル(接点でボールに絡むプレー)を繰り返す29歳だ。一昨季までNECに在籍も、昨季プロ転向を機に現所属先に移籍。下部リーグからの昇格を決めた。

 2015年にはエディー・ジョーンズ元ヘッドコーチが率いる日本代表の一員として、ワールドカップイングランド大会直前の宮崎合宿でハードワーク。大会出場こそ逃したが、急な出番に向け合宿解散後も毎日朝練習をしていたことで知られる。

 以下、共同会見時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

「きょうはたくさんのお客さんに来ていただいて力になりました。グラウンドのなかでも、ファンの皆さんの声に背中を押されました。遠くの方からも、どっちが優勢なのかがわかるような声を出してくれました。

 開幕戦に向け、いい準備ができたと自信を持って臨めたのが勝因です。出られないメンバーも腐ることなく、チームが勝つために何ができるかを考え、行動してくれたことが勝利に繋がったと思います。

 嬉しい反面、気が引き締まる思いです。これでようやく、(当初の目標である)トップ8を目指せると胸を張って言える状態になりました。今日の勝利は喜んで、また次に向けていい準備をしていきたいです」

――「準備」について。

「過去の分析からすると、サニックスさんは3フェーズ以内にスコアすることが多かったのでまずはそこをシャット。また、相手の強烈なランナーたちが自由に持ち込んでくるのをどう我慢するかを意識してきました。練習中のグラウンド内でも『3フェーズ』と言い続け、その後も互いのコネクションについて声を出し合っていました。

 中にいる僕らにとって、後半のずっと自陣にいる時間帯が苦しかったです(20点リードを奪った後、しばし防戦一方になる)。それでも皆で『我慢』と、外国人選手も『ペイシェント』と言い続けた」

――村田選手にとっては、久しぶりのトップリーグでした。

「NECにいた時は『また今年も開幕』と、毎年のルーティーンのようなところがありました。こんなに待ち遠しいトップリーグは、いままでになかった。ジャージィ授与式でもそれぞれの思いを話すんですけど、本当に色々な背景を持った皆が色々な思いを持ってこの試合に臨んでいたんだな、と。思いの強さがひとつになったら、うちが強みを出せるのかなと感じました。チーム皆が今年の開幕を待ち望んでいて、特別じゃないと言ったらうそになります」

 日野は9月8日、愛知・ウェーブスタジアム刈谷で豊田自動織機との第2節をおこなう。初勝利を決めた直後の円陣で、村田は「史上初の連勝に向けて…」と皆に発破をかけていた。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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