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明治大学はトップリーグへ挑戦。田中澄憲監督が見たい「欲」とは。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
チームスローガンは「Exceed」。昨年を超えたい。(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 昨季、19シーズンぶりに大学選手権決勝へ進んだ明治大学ラグビー部は7月、トップリーグへ出げいこ。前年はヘッドコーチとしてチームに携わった田中澄憲新監督は、22季ぶりの日本一に向け選手の成長機会を作っている。

 21日は東京・リコー砧グラウンドでリコーと練習試合を実施。14―54と大敗したが、前半の途中までは7―7と競るなど課題と収穫の両方を得られた。

 元サントリーチームディレクターの田中新監督は、今季始動時から高強度の練習で個々の身体能力と判断力を引き上げ。グラウンド外では複数リーダー制を敷くなどし、選手の主体性や規律順守への意識を高めている。

 4月からの関東大学春季大会Aグループでは、大学選手権9連覇中の帝京大学を下すなどして初の全勝優勝を成し遂げている。

 以下、試合後の単独取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――このタイミングでトップリーグのクラブと試合をおこなった意図は。

「もともと7月のタイミングで1、2試合くらい(予定を)入れたいと思っていました。練習だけで1か月間を過ごすのって、学生にとっては(モチベーションの維持が)難しいんです。本当なら下のチーム(控え組)にも試合を入れたかったのですが、なかなか(妥当な)相手が見つからずできませんでした。学生はテスト期間なのでなかなか(大学とのマッチメイクが)できないなか、トップリーグと試合ができるのもモチベーションになると思い、前々からお願いをしていました(29日にも日野と練習試合を実施予定)」

――相手は外国人選手を揃えるなど、公式戦さながらのメンバーを起用していました。

「本当に、ありがたいですよね。ああいうメンバーが来てくれたので。(明治大学は)この試合に対してどういう戦い方をして…という準備はしていないです。(高いレベルを)実際に肌で感じて学ぶことって、楽しいと思うんですよね。きょうも点数的には負けましたが、自分たちで『あ、こういうところが通用したな』『ここは全然、だめだったな』と、これから何をすべきなのか(を考える)欲が出てくれば面白い。ひとつの刺激です」

――例えばフルバックの山沢京平選手も、トップリーグ有数の防御網を誇るリコーを前にすると何度か囲まれた。試合後は田中監督が本人に何かを話していたようですが。

「トップリーグはいま、どこのチームもレベルが高いです。彼はきょう、ディフェンスの上がるタイミング(最後尾の位置から相手との間合いを詰めるタイミング)を模索していたみたいなので。彼は待ってしまうタイプだったのですが、早く上がることにチャレンジして、そこで失敗した方がいいと思うんですよね。そうすれば『いまのは早すぎたな』『次はこうしてみようか』となるじゃないですか。チャレンジして、失敗して、学ぶことを探せという話をしました」

 常にチャレンジの機会を与え、積極的であれば失敗も歓迎する。「実際に肌で感じて学ぶこと」は、シーズンが本格化する秋以降にどう活かされるか。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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