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サンウルブズのリーチ マイケル、バイリンガルならではの悩み?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
東京都府中市でコーヒーショップも経営。(写真:アフロ)

 ラグビー日本代表のリーチ マイケルは、ニュージーランド出身で日本国籍を持つ。15歳で来日しており日本語も堪能。国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦のサンウルブズでは、ふたつの言語を使い分ける。

 5月15日、都内での練習後にいまの心境を明かした。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――5月12日にはレッズを相手に今季初勝利。19日には、高温多湿の香港でストーマーズと戦います。

「(暑さは)日本には(有利)。向こうはちょうどチーフスに負けていますし、いい流れで試合ができます。(レッズ戦では)勝って嬉しいです。ただ、海外でも勝ちたい」

――日本代表に選出される場合はストーマーズ戦後にサンウルブズを一時離脱。5月下旬からの代表合宿に備えます。

「(代表選出の場合は)香港の試合の後は1週間の休みがあるから、リフレッシュして、マインドを変えたりできる。(オフの間は)あまり外に行かないで、家にいるようにします」

 5月12日、開幕10戦目にして今季初勝利を挙げた。その背後では、このチームでキャプテンをする流大キャプテンがジェイミー・ジョセフヘッドコーチへメンバー外の選手との対話を増やすように促すなど、対話の質向上に力を注いでいた。

 選手の出生国の数が10に及ぶチームにあっては、異国出身者同士の意思伝達も肝とされている。どの国の選手とも通訳を介さずに話すリーチが、そのあたりの話題に触れる。

――選手たちによれば、サンウルブズは練習前後のコミュニケーションの質が変わってきたようです。

「練習前も練習時も話し合っているし、やることも明確になっている。理解度が上がることで、コミュニケーションの質が高まっている感じです。(試合中も)最初の頃よりもスムーズに連携が取れている」

――サンウルブズは多国籍軍です。言葉の壁はあります。

「たまに、何語でしゃべったらいいかがわからない時がありました。でも、いまはジェイミー(・ジョセフヘッドコーチ)にも日本語を使えと言われています。(海外選手と)1対1なら英語で話しますが。日本人の英語力も上がってきています。困るのは、試合中です。(主力には)外国人が多いから、まず英語を言って、日本語で…」

 2014年から2年間は代表のキャプテンを任され、昨秋も同職を務めた。

 リーチはかねて、「日本代表のキャプテンをするには、英語が話せないと苦労します」と話していた。試合中のレフリーへの意思伝達には英語が不可欠で、2015年のワールドカップイングランド大会時は勝った試合ほど「レフリーとのコミュニケーションが取れた」と振り返っていた。

 英語を母国語としないジョージアの選手も在籍するサンウルブズでも、リーダーズグループに加わり重要項目の共有を図っている。得難き人材だ。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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