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早稲田大学・古賀由教、年末年始は1人でラグビー観戦。収穫は。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
早明戦(写真は2015年)時はバックスタンドも満員。(写真:アフロスポーツ)

 2018年度のU20日本代表候補にあたる「TIDキャンプ(U20)」は2月9日からの6日間、東京・キヤノンスポーツパークで「2017年度第7回合宿」という名目で活動。正規のU20日本代表は5月30日から、フランスでU20チャンピオンシップへ挑む。

 昨年度に続き2シーズン連続での選出を目指すのが、早稲田大学ラグビー部1年生の古賀由教。身長176センチ、体重81キロというサイズで、おもにタッチライン際のウイングを務める。

 

 2016年度は東福岡高校の一員として高校日本一に輝く一方、7月には20歳以下7人制日本代表のキャプテンに就任(アジアラグビー U20男子セブンズシリーズ マレーシア大会に出場)。昨年3月は15人制の2016年度高校日本代表に加わり、アイルランド遠征を経験した。

 大学ラグビー界デビューを果たした2017年度は、大学選手権3回戦敗退のため年内でシーズンを終えた。正月は生まれ育った兵庫県に帰郷していたのだが、時間を割いたのはラグビー観戦。神戸市にあるユニバー記念競技場での全国中学生大会、東大阪市花園ラグビー場での全国高校ラグビー大会、さらには大学選手権にトップリーグまで、様々なゲームを観戦してきたという。

 カテゴリーを問わずゲームを見てきたことを、今後の自分およびチームにどう反映させるのだろうか。1月中旬、単独取材で語った。

 以下、一問一答の一部(編集箇所あり)。

――年末年始、ずっとラグビー観戦を。

「慶応義塾大学対大東文化大学に帝京大学対流通経済大学(東京・秩父宮ラグビー場での大学選手権準々決勝)から花園、全国ジュニア(中学生大会)、東京に帰って来てからは大学選手権の決勝を見て、この間は東芝と神戸製鋼(トップリーグの順位決定戦)…。ずっと1人で観に行っていました。ラグビーおたくの友達がいないので」

――自チームから離れて色々な試合を観て、感じたことは。

「まず、高校生は、熱い。僕は4年ぶりに(ラグビーをしながらの)年越しができなくて、正月をゆっくり家で過ごすことになってしまった。最後は自分も(けがで)出られずにあっさり終わって後悔していたのですが、大学選手権で優勝した帝京大学さん、準優勝した明治大学さんは、個(人のスキルやフィジカリティ)もブレイクダウン(ボール争奪局面)の激しさも違う。早稲田大学としてはそこで追い付かなきゃ戦えないと、観客席からも感じました。怪我の方はだんだんと治ってきています」

――人の試合を観ても、自分たちのことを考える。

「そうですね。チームが勝たなきゃ。個人としてU20に呼ばれているのは早稲田大学でラグビーができているおかげなので、それなら早稲田大学で優勝したいし、もっと上に行きたい。早稲田大学には外国人選手がいないので、ひとつひとつのブレイクダウンで前に出ていくことでしか(留学生のいる)帝京大学さん、東海大学さんに追いつけない。自分も含め、ブレイクダウンの部分は見直したいと思いました」

――チームは創部100周年を迎えます。

「僕は清宮さん(克幸監督時代)より前のことは(ラグビーを始める前とあって)あまりわからないのですが、いままでの方たちの歴史があることで、僕らの早慶戦、早明戦(関東大学対抗戦での人気カード)を大きく取り上げていただいている。ここに100周年。慶應義塾大学さんは100周年の時(1999年度)に優勝している。早稲田大学も、負けたくない。しっかり優勝したいと思っています」

――ところで古賀選手、U20候補の合宿ではニュージーランドでプレーする日下太平選手など年下のプレーヤーによく声をかけています。

「自分が去年習っていること(戦術)をやっている。それを伝えるのが使命だと思っています。1個下の選手は気を遣っている部分があった。去年、僕らが年下として参加していた時は、先輩たちが気を遣わなくていい雰囲気を作ってくれていた。それは、真似しなきゃいけなくて。しかも太平は日本の高校に行っていない。知らない先輩も多かったと思うので、話せる雰囲気を作りたいと思います」

――いいリーダーになりそう。

「僕は陰でちょろっとやるタイプなので…」

 早稲田大学の山下大吾監督曰く、古賀は「責任感あるプレーをしてくれる」。スペースを切り裂く走力に加え、タッチライン際の粘り腰や相手に捕まった際のボールキープ力なども期待される。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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