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「ひとつにするのは難しい。ただ…」。明治大学・梶村祐介が欲す「修正力」とは。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
攻防戦を時に力強く、時に軽やかに突破する。(写真:アフロスポーツ)

 明治大学ラグビー部では、兵庫の報徳学園高校時代に日本代表の練習生となった梶村祐介が今季の副キャプテンを務める。

「前へ」を部是とし過去に12回の大学日本一に輝いた同部だが、前年度は関東大学対抗戦Aで3位、大学選手権では1回戦敗退と不完全燃焼に終わっている。

 梶村は身長180センチ、体重95キロの大型センターで、鋭いフットワークによる突破を持ち味とする。3年時からゲームリーダーを任されるなど中心的な役割を担い、今季は古川満キャプテンを支える。長野・菅平での夏合宿中に胸中を明かした。

 以下、単独取材時の一問一答(編集箇所あり)。

――リーダーとして。

「部員もたくさんいるので、考えをひとつにするのは難しい。ただ、それをそうできるような仕掛けをリーダー陣のなかでしています。この合宿で、ひとつになっていけたら」

――古川キャプテンとの役割分担は。

「満は正直、喋りよりも身体で引っ張るタイプ。僕も喋れない方なのですが、福田(健太)、松尾(将太郎)のような下の学年の選手にも頼りながらやっていきたいです。最後は4年生がやるのですが、下の学年にも『4年生のチームじゃなく、自分たちのチームだと思ってくれ』と話しています」

――日本一になるには、帝京大学の壁を避けては通れません。帝京大学は同じ関東大学対抗戦Aにいて、大学選手権8連覇中です。

「毎年、帝京大学に勝ちたい、帝京大学に勝ちたいと言って、結局、選手権では帝京大学と当たる前に負けてしまっています。目の前の1試合、1試合にフォーカスして、ちょっとずつでも課題をつぶしていけるようにしたいです。ただピークはもちろん、1月。そこに向けて、いまはチームの基礎を固めていきたいです」

――遡って3月4日からの約1か月間、ニュージーランドのオークランドへ留学していたようですね。

「マイター10カップ(地域代表選手権)に出るオークランド代表のBチームでプレーしました。動きはよくなかったですが、取り組み方が勉強になりました。向こうはオフが多いのですが、(練習が)始まると味方同士でも怪我するんじゃないかというほどゴリゴリコンタクト練習をする。試合では、よく喋りますね。それは英語なのでわかる部分、わからない部分もあるのですが、とにかく情報をいっぱいくれるのでやりやすい。喋るというのは、大事なのだと思いました。今年の合宿のテーマも『コミュニケーション』にしました。

 帝京大学との違いは、試合中の修正力。僕らも準備できているものはどこに対しても通用するのですが、相手のしたことに対して修正する能力に関しては、少し経験値が浅い。いまは(合宿期とあって)色んな選手が起用されていますが、色んな選手に経験を積んでもらって、いい形に持っていきたいと思います」

 下級生時代は早期の日本代表入りを目指していたが、いまは「目の前の1試合、1試合にフォーカス」。地に足をつけ、大暴れを期す。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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