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五輪でメダルがないと、どうなる? リオ4位の坂井克行は東京大会でリベンジへ。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
オリンピックでも活躍。身長173センチ、体重85キロとやや小柄も走力に定評あり。(写真:中西祐介/アフロスポーツ)

 2020年のオリンピック東京大会の開幕まで、あと3年。2016年のリオデジャネイロ大会で4位入賞した男子7人制ラグビー日本代表にあって、坂井克行がメダル獲得へ意欲を示した。

 四日市農芸高校、早稲田大学を経て、現在は豊田自動織機に所属する28歳。15人制の国内最高峰トップリーグに参戦しながら、7人制日本代表では一時キャプテンを任されるなど主軸として活躍してきた。リオデジャネイロ大会では、初戦でニュージーランド代表を破る快挙を達成した。

 7月24日から都内でおこなわれているセブンズ・デベロップメント・スコッド(SDS)のキャンプ(~8月2日)に28日から合流。昨季着任のダミアン・カラウナ新ヘッドコーチのもと、代表未経験者を含めた若手をけん引する。

 以下、単独取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――暑いなかでのキャンプ。いかがですか。

「でも、アジア(後述)はもっと暑いので、暑さで負けないように」

――練習の合間には、若手選手に前向きな声かけをしていました。

「セブンズはあっという間に試合が終わってしまう(7~10分ハーフ)。ミスをしても、切り替えが大事になる。一度流れを失ったら、取り返すのに時間がかかる。先行出し切りじゃないですけど、波に乗ってそのままの勢いを保ちたい。そういうことで、ポジティブな声かけは意識しています」

――2016-17シーズンのワールドシリーズへは終盤になって合流が叶いました(下部に降格)。改めて、感じたことは。

「自分も含めて、タフに戦うということ。セブンズでは7分ハーフの試合が1日に3回あって、それが2日間(決勝は10分ハーフ)。どの試合もタフに戦うのが大事だとわかったので、練習も1個1個、タフに、精度高くやっていきたいと思いました」

――日本ラグビー界には、7人制日本代表が15人制に注力する各強豪チームから選手を集めづらいという課題があります。そんななかの6月、鶴ケ崎好昭選手が7人制日本代表の専従契約を結びました。

「我々の念願。嬉しく思います。第1号が生まれない限り、その次もないので。今後もそういった選手が出て欲しい。(自身は)まだ何とも言えないところがありますけれども、代表として必要としてくれるのであれば、喜んで協力したいと思っています」

――確認です。東京大会へは、出たいですか。

「もちろん! それ以降は死ぬまで、東京でのオリンピックはないと思うので。オリンピックってこんなに素晴らしいんだってことを肌で感じたので、それを自分の国でできるなんて、別格です。ベストなのは、選手として活躍してメダルを獲ること。リオの時はあと一歩だったので。やはり、4位と3位の間は遠いなと感じたので」

――「4位と3位の間は遠い」。実感がこもっています。

「解団式の時も『メダル獲った人たとは残って、あとは解散ねー』といったようなこともありますし。それで、メダルを獲った人は(顔付近にメダルを持つふりをしながら)こうやって、写真を撮って…。ラグビー界としてはあの結果も快挙だったのですけど、やっぱり、メダルを獲らないとだめだなというのは感じました」

 大舞台に向け着々と準備を重ねる男子7人制日本代表は、来年7月にあるラグビーワールドカップ・セブンズ2018(アメリカ・サンフランシスコ)の予選を兼ねたアジアラグビーセブンズシリーズ2017を見据えている。

 9月に香港(1、2日)、韓国(23、24日)、10月にスリランカ(14、15日)へ赴くにあたり、8月にはオーストラリア・マッカイ(12~19日)、山梨(24~30日)でSDSキャンプを組む。坂井は、その戦いへも参加したいと意気込む。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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