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日本代表リーチ マイケル、対アイルランド代表戦へ受けた「納得」の説明とは?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
おもにグラウンド右中間のエリアで持ち味を発揮する。(写真:FAR EAST PRESS/アフロ)

ラグビー日本代表は6月17日、静岡・エコパスタジアムでアイルランド代表とテストマッチをおこなう。フランカーのリーチ マイケルは、トニー・ブラウンアタックコーチから授かったプランに前向きな印象を抱いたという。

札幌山の手高校、東海大学を経て、2011年に東芝入り。2015年からはニュージーランドのチーフスの一員にもなり、国際リーグのスーパーラグビーでも存在感を示してきた。

日本代表へは、キャプテンを務めた2015年のワールドカップイングランド大会以来の復帰。ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ体制下では今回が初だが、堀江翔太キャプテンらの意向でチームを率いるリーダーシップグループという隊列に加わった。

チームはここまで、キックを交えたち密なコンビネーションを標榜。アンストラクチャーからのアタック(攻守逆転の瞬間や相手キックの捕球からの攻め)をち密に練り込んでいる。

リーチが最後に経験した日本代表では、エディー・ジョーンズヘッドコーチのもと複層的な陣形を作り続けてボールキープ。そのスタイルは現体制と異にしている。

今回のツアー合流に際し、リーチはブラウンアタックコーチへ戦術の意図をヒアリング。目からうろこの落ちる回答が得られたという。静岡合宿初日の12日、記者団を前に思いを明かした。

以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――まず、リーダーシップグループに入っていかがでしょうか。

「昨日、すごく面白い話が出て。『セットプレー、アタック、ディフェンスの練習はするけど、リーダーシップグループを強化する練習はないね』と。リーダーシップグループも、これから時間をかけて作っていく。リーダーがリードする場所を作ったり、リーダーってどういうものなのか、自分はどういうリーダーかを考えたり…」

――今回のツアーに入る前、自身のフォーカスポイントに「タックル」を掲げておられたようですね。いくつかあるラグビーのプレーのなかで、そこに的を絞った理由は。

「それ(タックル)は、絶対にしないといけない、ミスしちゃいけないプレーだからです。一番、チームに影響を与えるポイントは、タックルの数と回数と強さ」

――33-21で勝ったルーマニア代表戦(10日、熊本・えがお健康スタジアム)での自身のタックルについては。

「1個、外れて…。まだまだです。(アイルランド代表戦では)でっかいランナーがたくさんいるなか、タックルはしっかりやらなきゃいけないです」

――アイルランド代表戦に向け、ゲームプランと自分がしたいことは。

「アイルランド代表はミスの少ないチームなので、こちらのディフェンスが増える。アタックではキックで(相手の防御を)崩す。アンストラクチャーの状態を作る。ほぼ、ルーマニア代表戦と変わらないです。もっと、ボールを動かしてゆく」

――アンストラクチャーからのアタックに注力する点については、どう消化していますか。

「外から見ていた時は、『もともとアンストラクチャーが弱いのに、何でキックを蹴るんだろう』と思っていました。ただ、それを聞いたら(納得できた)。ブラウンは、素晴らしい!」

――説明を聞いて納得できた背景、お話しできる範囲で教えていただけますか。

「『このサインプレーを何で使うのか』の説明とか、いままでスーパーラグビーを経験してきたなかでも面白いと思えるサインプレー、考えがあって。やっていて楽しい」

――その『面白いプレー』はルーマニア代表戦では。

「まだ出ていないです。次は、あるかもしれない。(ブラウンが指導する)ハイランダーズでも少しは(その片鱗を)見ていて、ブラウニー(ブラウン)がいいコーチだとみんなが言っているのを聞いていて、一緒にやってみたら、面白い。エディーのラグビーはすごく体力を使うけど、ジョセフとブラウニーのラグビーはそんなに使わない。スマートです。(試合までの)1週間の流れもいいし」

チームは17日に続き、24日にもアイルランド代表と戦う(東京・味の素スタジアム)。アイルランド代表は、2019年にあるワールドカップ日本大会の予選プールで日本代表と同組。もっとも今回は日程上、主力を多く欠く。白星が期待されるなか、作戦が奏功するか。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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