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日本代表ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ、アイルランド代表戦へ「若干変更」?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
フォワード陣は総力戦か。(写真:FAR EAST PRESS/アフロ)

ラグビー日本代表は6月17日、静岡・エコパスタジアムでアイルランド代表とぶつかる。12日、当地で練習を開始し、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチが意気込みを明かした。

昨秋着任以来、キックを交えたち密なコンビネーションを標榜。トニー・ブラウンアタックコーチとの二人三脚で、アンストラクチャーからのアタック(攻守逆転の瞬間や相手キックの捕球からの攻め)をち密に練り込んでいる。

10日に熊本・えがお健康スタジアムでおこなわれたルーマニア代表では、後半の連続失点などに課題を残したものの33-21で制した。

この日は相手の複層的なアタックや激しい肉弾戦を想定し、守備時の連携やタックラーの動きなどをチェックしていた。アイルランド代表は、ワールドカップの予選プールで日本代表と同組。もっとも今回は日程上、主力を多く欠く。日本代表は2連勝を期待される。

以下、共同会見時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――アイルランド代表戦に向け、どんなプランを考えていますか。

「自分たちの戦い方を確立させたいので、そこまで大幅なチェンジはありません。ただ、アイルランド代表は我々のディフェンスに対して凄いプレッシャーをかけます。ニュージーランド代表、イングランド代表に勝ったことのある強豪国が相手なので、ディフェンスを整えないといけない。その対策について、若干の変更があります」

――タックラーが起き上がり、接点で相手のサポート役を引きはがすプレーも確認していました。

「ルーマニア代表戦でのタックルの精度は、過去と比べたら成長が見られます。ただ、そのエリアについては選手が日々取り組んで、改善しないといけない」

――モールへの防御については。

「我々に対し、すべての対戦国はモールを狙ってくると思います。この間の試合でも、よく守れていたところと破られたところがあった。達成率は50パーセント。これからテストマッチを勝っていくには、その精度も上げないといけない」

――若手選手にもチャンスが訪れそうですか。

「経験者と若手のバランスを見て起用したい。またスコッドに選んだ全選手にチャンスを与えたいです」

――24日のアイルランド代表との再戦(東京・味の素スタジアム)では真のベストメンバーを編成するのでしょうか。

「そこまで考えていません。ベストメンバーって、誰だと思いますか? その、答えを見出したいと思います」

――98キャップ(テストマッチ=国際真剣勝負への出場数)を持つロックの大野均選手が先週中盤、追加招集されています。

「最初は招集していなかったのですが、梶川喬介、真壁伸弥が怪我をしたことでチャンスが巡ってきた。彼はこれまで日本代表のジャージィを着て献身的に貢献してきた選手で、ファンからも愛されていると思います。彼がもし出ることがあれば、100キャップを目指してすべてを投げ出して、全力で戦うと確信しています」

――ウイングの山田章仁選手が故障のため離脱しました。実戦練習では、フルバックの松島幸太朗選手もウイングでプレーしていました。

「(代役の)オプションを選択するためにいろいろと見ています。松島も、江見翔太も選択肢のひとつです。この1週間やってみて、様子を見てみたいです」

選手の証言を総合すると、引き続きアンストラクチャーからの精緻な仕掛けを繰り出すようだ。ルーマニア代表戦とは顔ぶれに若干の変化がありそうななか、本番までの準備にも注目が集まる。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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