日本代表・立川理道副キャプテン、スコットランド代表戦前に「いい経験」と?【ラグビー旬な一問一答】
4年に1度あるワールドカップの自国大会を2019年に控える日本代表は、6月18日、愛知・豊田スタジアムでスコットランド代表とのテストマッチ(国際間の真剣勝負)に挑む。
現地時間6月11日には、敵地バンクーバーのB.Cプレイススタジアムでのカナダ代表戦でゲームキャプテンを務めた。26―22で辛勝し、日本時間13日に帰国後はそれまでの25名に追加メンバーを加え30名で愛知合宿を始めていた(途中離脱者を除く)。
スコットランド代表は、日本代表にとっては3勝を挙げた昨秋のワールドカップイングランド大会で唯一敗れた相手。両軍のカードは25日、東京・味の素スタジアムでもおこなわれる。
43キャップ(国際間の真剣勝負への出場数)を獲得してきた26歳の立川は、でも、チームの全4試合に出場。今季は、国際リーグのスーパーラグビーに日本から初参戦するサンウルブズにも在籍し、2試合、ゲームキャプテンを務めた。
以下、16日の練習後の立川の一問一答の一部(編集箇所あり。※は当方質問)。
――スコットランド代表戦が近づきました。相手、どう観ますか(※)。
「相手のキーマンであったり、前々からわかっている特徴は抑えています。アタックは(スクラムハーフでキャプテンのグレイグ・)レイドローを中心に組み立ててくる。ボックスキック(接点脇からのキック)、ラック周辺でのアタックも。今日の練習でもそういったことを確認しました。ディフェンスはアウトサイドからシャットしてくる(大外の選手が前方の接点側に向かって斜め前にせり上がる)というか…。ワールドカップ(日本代表との直接対決)でも、その形からインターセプトを狙われましたし。そのディフェンスに対し自分たちがどんなアタックをするかは昨日、確認しました。それは明日も再確認します」
――「アウトサイドからシャットしてくるディフェンス」。2~3月からの欧州6か国対抗で、その対策法を示したチームもあったような…(飛び出す選手が飛び出しきった背後へパスを通すなど、※)。
「アイルランド代表は上手くアタックしていました。イングランド代表はセットピースでドミネートしてきた(スクラムやラインアウトなど、攻防が起きる前段階のプレーで圧倒する)。(体格差と準備期間に劣る)僕らがイングランド代表のようにやるのは難しいので、あまりセットピースをやらせない形にさせたい。ゼロにはできないですが、ゼロに近くする」
――今週から新しいメンバーが入りましたが、チーム作りでの苦労は(※)。
「あんまり、ですね。すぐに皆、チームに溶け込んでくれて。なかには(海外の)違うチームにいた選手もいる。新しいことにすぐ慣れてゆくという経験もしていると思います。いまのところ、凄くいい準備をしています」
――イングランドはバースから、ナンバーエイトのアマナキ・レレイ・マフィ選手が合流。一時は参加可否が流動的とされた突破役ですが、よく戻って来た(※)。
「そうですね。貴重な存在。彼もワールドカップの借りを返したい気持ちは強いだろうし、上手くコントロールしながら、いいところで、ボールを持たせられたら」
――昨季まで4年間続いたエディー・ジョーンズ前ヘッドコーチ体制下と、いま。違いを言葉にするとしたら。
「去年ほどの準備期間はないですが、1人ひとりの経験値やレベルは高い。エディーさんのようなボスがチームを作ったというより、選手が自覚を持っていいチームを作っている。どんなチームかを示すキーワードはないですけど、アタックでもディフェンスでも、選手が1人になってしまわないように戦うところはある」
――チームで戦う。
「じゃないと、勝てない。海外に比べ、飛び抜けた選手は少ないので。1人でだめなら2人、2人でだめなら3人。動き勝つ、というところをやっていきたい」
――運動量は、前年度の長所でしたが。
「今年は、海外の選手、サンウルブズの選手、それ以外にアジアでやっていた選手などがいて(若手主体の日本代表は、4~5月にアジアラグビーチャンピオンシップに参戦)、いままでとまったく違う準備形態。選手にとっても日本協会にとってもいい経験だと思います。正直、いまは(国が)全体としていい準備ができているかは難しい。ただ、いまの僕らのなかではこれが一番、いい準備。来年は、もっといい準備ができるかもしれない」