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五郎丸歩擁するレッズ相手に10点差負け。サンウルブズは「雑なプレーが…」。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
写真は日本でプレー時のもの。(写真:伊藤真吾/アフロスポーツ)

スーパーラグビーに日本から初参戦するサンウルブズは、5月21日、オーストラリアはブリスベンのサンコープスタジアムで第13節をおこない、25-35で敗れた。

後半15分には25-25の同点に追いつくなど食らいついたが、スクラムやラインアウトの防御で苦しめられ、攻め込んでのミスも重なった。

対するレッズには、ワールドカップイングランド大会の日本代表副キャプテンとして英雄となった五郎丸歩が2試合連続で先発した。サンウルブズには同大会のジャパンの一員が7人もメンバー入りし、試合後は旧交を温めていた。

試合後、マーク・ハメットヘッドコーチとゲームキャプテンでセンターの立川理道が公式会見に応じた。

以下、一問一答(編集済み。※は当方質問)

――試合を振り返って。

ハメット 

「最初の20分は雑なプレーが多く、その後から自分たちをコントロール出来始めた印象です。自分たちのシェイプ、パターンが機能したところで、レッズにプレッシャーがかけられた。アタックではサンウルブズが勝っていたが、敗因はセットプレーでのディフェンスです。スクラムを(互角に)組めないと、その後に大きな影響を与える…。また、ラインアウトのディフェンス組織が機能しなかった(ラインアウトからモールを組まれ、トライされるシーンもあった)」

――よかった点、悔やまれる点は(※)

立川 

「点を取った展開は、自分たちのやりたいラグビーだったと思いますし、ああいう時間帯を長くできたら(例えば後半15分の同点トライは、キックオフからボールを確保し、左右にフェーズを重ねて右大外のスペースをえぐったもの)。

ただ、いまハマー(ハメットヘッドコーチの愛称)も言いましたけど、雑なプレーが続くと…。勝負の綾のところでペナルティをしたり、フィフティーフィフティー(一か八かの)のパスをする選手が出た。そこは、反省したいなと」

――「雑」とされるプレーが出た理由は。

立川 

「個人の判断なので、その人が悪いというもの(意見)はないですけど、少しゲインラインを(想定していた以上に)切れて、半歩前に出た時、オフロードパス(相手のタックルを受けながらのパス)をする部分があった。そういったところでも、あえて(着実にラックを作って)ボールキープすれば取れる感覚はあったので。チームとして意識して、それを80分間できたらなと思います」

――前節はシンガポール・ナショナルスタジアムでストーマーズ戦でした(5月14日、17―17で引き分け)。移動が多いなか、互角に戦っていた。

ハメット 

「間違いなく、これまでのオーストラリアチームとの試合ではベストの出来です(本拠地の東京・秩父宮ラグビー場にオーストラリアのチームを迎え、いずれも惜敗。3月19日の第3節でレベルズに9-35、5月7日の第11節ではフォースに22―40とそれぞれ屈した)。シェイプが機能して、それがトライにも繋がった。

このチームの一番ポジティブな点は、毎週月曜日には次の試合に向けて挑んでくれるところです。前の試合がどんなものであっても、ネガティブなことはひとつも出ない。先週はシンガポールでの試合でしたが、その後、本当に選手たちは自己管理ができていた」

――五郎丸選手との対戦について。かねて「特徴は知っているので、そこを突く」と話していましたが。

立川 

「そうですね…。あの、特徴、僕、何て言ったんですか? …ゴローさんはディフェンスする時に上がって来るので、その裏は蹴ろうとしていた…。そういうところですね。もう少しボールキープしたらそういう場面も増えたと思うけど、あまり、そこまでもいかなかったかなと思います」

――エリア戦略と攻撃方法について、改めて(※)。

立川 

「早めに蹴ってエリアを取ろう、と。アタックではボールキープして…と、大まかなところは変わらないです。シェイプを作れば点を取れる。それがこれからのスタイルになっていくのかなと思います」

――後半25分頃、敵陣ゴール前右。2人のタックラーに挟まれて落球しましたが…(※)。

立川 

「あそこは確実にボールキープしながら(次の)アタックをしたかったけど…。後ろにいたミフィ(途中出場のウイング、パエア・ミフィポセチ)が拾ってトライしたがってたけど、それを僕は敵やと思って…。コミュニケーションミスのです」

――2週間、ゲームキャプテンを務めて。

立川 

「周りのリーダー陣がリードしてくれる。あまり先頭に立って引っ張るのではなくて、周りの人の目を見て、意見を考えて言うように、と。勉強させられてる、試されている、いい経験だと思いました」

ハメット 

「リーダーはお手本とならなければいけない。それができているのが、ハル(立川の愛称)のいいところです。グラウンド外でもいいキャラクターで皆を引っ張ることが必要。サンウルブズにいい個性がいっぱいいるけど、ハルほど言い個性はいない。これからは、リーダーとして自信を持って全うすることが大事です」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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