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5月1日、緊急会談! 日本代表・中竹竜二ヘッドコーチ代行は「離脱」に前向き?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
皆で組織を盛り立てる「フォローワーシップ」を提唱。(写真:アフロスポーツ)

4月30日の今年度初戦を大勝したラグビー日本代表は、小さなハードルに出くわした。

5月1日夜、現在プレーできる28名中8名の選手の離脱が決定。2日午前の練習を20名でおこなった。次戦は7日に控えるなか、中竹竜二ヘッドコーチ代行が前向きな方向性を明かした。

神奈川・ニッパツ三ッ沢球技場でのアジアラグビーチャンピオンシップ初戦では、韓国代表に85-0と大勝した。敵地の香港フットボールクラブで香港代表との同2戦目に向け、準備を始める折だった。

チームを離れたのは宇佐美和彦、山中亮平ら、かねて在籍していたサンウルブズのメンバー(国際リーグのスーパーラグビーに日本から初参戦するチーム)。サンウルブズ側が自軍で練習させたいとリクエストを出し、代表側が応じたとされる。ジャパンの中竹ヘッドコーチ代行は、報せを受けるや緊急ミーティングを開催した。

5月2日午後には、安藤泰洋、北川賢吾以外の6名が同時間帯に日本代表へ再合流すると発表された。もっとも午前練習直後の段階では、中竹ヘッドコーチ代行はサンウルブズ勢の合流時期を未定としていた。

日本代表は昨秋、ワールドカップイングランド大会で歴史的な3勝を挙げた。しかし、競技人気の沸騰に貢献した当時のメンバーは、今度のジャパンには含まれていない。20歳以下(U20)日本代表のヘッドコーチも務める中竹ヘッドコーチ代行が、若手中心のチームを引っ張る。

ジェイミー・ジョセフ新ヘッドコーチは、現在務めるスーパーラグビー(世界最高クラスの国際リーグ)のハイランダーズとの契約上、秋以降の着任となっている。スコットランド代表戦などが組まれた6月は、スーパーラグビーに日本から参戦するサンウルブズのマーク・ハメットヘッドコーチが代行を務める(その折のメンバーは5月10日に発表予定)。

以下、2日午前の段階での一問一答の一部(質問は全て当方。編集済み)。

――サンウルブズ組がいないなかでの練習でした。

「でも、きょうはいい練習をしようと言っていた。よかったです」

――確かに、練習中の声は活発でした。

「代表チームなので。僕が方針を示し、中の細かいところは選手同士で作り上げていこうと言っています。きょう、ここに来る前にミーティングをしたのですが、色んな提案が出ました。サインにしろ、動き方にしろ…。その意味では、1週間で、大分、チームになってきましたね」

――提案。誰から出てくるのですか。

「基本的に、僕らコーチ陣はリーダーたちと話しています。昨日、選手は選手だけでミーティングをやってもらい、コーチ陣はコーチ陣でミーティングを。そのすり合わせを今日やったのですが、リーダーから『選手からこんな意見が出ていました』と。僕らとしても『では、次からはこうしていこう』と話してゆく。

これは、僕のチームの作り方なんですが、いままでは(全体での)ミーティングで僕が話していたのを、リーダーたちに任せました。グラウンドでやる人間が説明をすると、周りはその選手に質問をするようになる。きょうは、(試合中に使う)あるオプションについて、中村亮土(サントリー、インサイドセンター)が皆の前で説明をしました。

新しいコールの提案は、野口竜司(東海大学3年)から出てきました。大したものですよね。大学生なのに、先輩たちに『こういう意図でこのコールを作ったので、やりましょう』と。野口はU20の頃から、自分たちで考えるという僕のやり方を理解してくれている。

いい雰囲気で、スタートできました。サンウルブズのメンバーが戻ってきたら、きょう(の午前中に)いたメンバーにしっかりと教えてあげようと言っています」

――サンウルブズのメンバーの離脱は、いつから決まっていたのですか。

「昨日、突然、です。本人たちも混乱しましたし、チームも次の試合のメンバーをどうするのかと、緊急ミーティングを開きました。『日本協会(およびサンウルブズを運営するジャパンエスアール)の仕組みのなかでこういうことが起こったけど、折角いい試合をしたのだからぶれずにいこう』と話しました」

――離脱した選手が戻って来る可能性はあるのですか。

「あります。全員かどうかはわからないですが。サンウルブズに残るメンバーには『頑張って来い』と言いたい。行ったり来たりすることは、選手の気持ち的に集中するのは難しいと思います。そこには『(サンウルブズなどでは)2番手という現状を受け入れ、タフになろう』と話しています。そこは、皆、理解してくれて、凄く前向きに今日の朝を迎えられました。いい集中力でした」

――指揮官として、週末の登録メンバー23名を決めなくてはなりません。

「そういう意味では、一番、大事な練習に(多くの選手が)いなかったのは痛いです。ただ、こちらはそれを言い訳にするつもりはありません。大事な日の大事な練習にサンウルブズのメンバーがいないなかで、いい練習ができた。ここにいるメンバーの意識の高さを感じますし、チームになってきているという充実感もありますね」

――韓国代表戦で出番のなかった金正奎選手、意識的に皆を引っ張っていました。

「皆が抜けたなかで引っ張らないといけない意識が高かった」

――ここに集まっている選手は、結果的にいい選手になりそうな状況です。

「だと思いますよ。どんな状況でも人のせいにせず、自分に矢印を向けて自分たちのできることをやる…。そういうマインドはつけたいですね」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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