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日本代表、韓国代表に大勝。中竹竜二ヘッドコーチ代行&内田啓介キャプテン会見。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
ワールドカップ時はバックアップメンバーだった内田キャプテンは、果敢に仕掛けた。(写真:アフロスポーツ)

ラグビー日本代表が4月30日、神奈川・ニッパツ三ッ沢球技場で今年度最初の試合として韓国代表とのアジアラグビーチャンピオンシップ初戦をおこなった(神奈川・ニッパツ三ッ沢球技場)。試合は85―0と大差で制した。

日本代表は昨秋、ワールドカップイングランド大会で歴史的な3勝を挙げた。しかし、競技人気の沸騰に貢献した当時のメンバーは、今度のジャパンには含まれていない。ジェイミー・ジョセフ新ヘッドコーチは、現在務めるスーパーラグビー(世界最高クラスの国際リーグ)のハイランダーズとの契約上、秋以降の着任となっている。スコットランド代表戦などが組まれた6月は、スーパーラグビーに日本から参戦するサンウルブズのマーク・ハメットヘッドコーチが代行を務める。

中竹ヘッドコーチ代行率いる今回のチームは、24日に都内で集合。わずかな時間でテストマッチ(国際間の真剣勝負)に挑んでいた。

以下、中竹ヘッドコーチ代行と内田啓介キャプテンの会見時の一問一答の一部(編集済み)。

中竹

「このチームにとって初めての試合だったのですけど、選手たちは自分たちから仕掛けるアクションラグビーを体現した。全ての局面で、ただ何となくやるのではなく、意志を持ってボールを繋ぎ、フォワードとバックスが一体となった攻撃ができた。ディフェンスのテーマはダブルタックルだったのですが、常に2対1の状況を作り、いいターンオーバーも増えました。あまり今回力を入れなかったターンオーバーからのアタックでトライが生まれたのは、選手の意識の高さのおかげ。想定以上です。

後半、メンバーを全員出しましたが、切れることなく、韓国のフィジカルを活かした攻撃を受けながらもターンオーバーし、大きな成果が出た。

最後の円陣で言ったのは、『これをスタートとしてレベルアップ』。今日試合に出られなかったメンバーも、悔しい思いを持ってサポートしていた。この後、どんな人間が出ても強くなれるようなチームにしたいです」

内田

「準備期間が短かったんですけど、そのなかでやらなくちゃいけないことを決めたことで、今日の結果が出たと思います。一番よかったのは、ディフェンスでどんな時でも切れなかったことです。無失点で終われたのが、自分にとっては大きな成果です。次の試合まで短い期間ですけど、またやることを明確にして、いい準備をして、成長した姿を見せられたらと思います」

――キックオフから前半1分のファーストトライまでの流れ。

内田

「風上だったので、エリア執ってペース掴んでいこうというプランでした。相手がノックオンしてくれて、セットプレーからスタートできた。ただ、あそこでトライを取れなくても、あのエリアに入れたので、自分たちのなかではよかったと思います」

――後半、猛攻を耐えた場面もあった。

内田

「前半にブレイクダウンでペナルティーが多かった。後半はそこを修正して、次のタックルプラス1人が入って、もしプレッシャーをかけられなかったら、次のディフェンスに行こうと話していました」

――(当方質問)戦っていて、頼りになった選手は。

内田

「今日は外側のプレーヤーが多くスコアしていました。(両ウイングの)児玉健太郎が5トライ、山下一が3トライ…。彼らがしっかりと取ってくれたのもよかったのですけど、それまでに内側のプレーヤーが相手を崩してくれた。内と外、両方で皆がいいプレーをしていました」

中竹

「内側のプレーヤーがしっかりディフェンスしていたし、相手の足を止めたセンター陣もすごくよかった。最初のトライの起点にもなった、スクラム。ここでのフロントロー3人を評価したい。展開ラグビーで点を取った時、フロントローはあまりフォーカスされません。ただ、相手ボールのものも含め、プレッシャーをかけられていた。 フロントロー3人を評価したい。サンウルブズで活躍できなくてこちらでチャンスをもらった山中亮平(スタンドオフ)、安藤泰洋(フランカー)からも、魅せてやるぞという気持ちが伝わって来ました」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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