ワールドカップ直前に落選。新日本代表キャプテンの内田啓介が「不安で、楽しみ」【ラグビー旬な一問一答】
ラグビー日本代表が4月30日、神奈川・ニッパツ三ッ沢球技場で今年度最初の試合をする。
24日に都内で合宿を始めたばかりという状況下にあって、キャプテンを務めるのは内田啓介。国内最高峰トップリーグ王者のパナソニックで2季目を迎える、身長179センチ、体重86キロの大型スクラムハーフだ。国同士の真剣勝負であるテストマッチには12試合に出場してきた。甘いマスクと当世風のツーブロックヘアで、女性人気も高い。
日本代表は昨秋、ワールドカップイングランド大会で歴史的な3勝を挙げた。しかし、競技人気の沸騰に貢献した当時のメンバーは、今度のジャパンには含まれていない。ジェイミー・ジョセフ新ヘッドコーチは、現在務めるスーパーラグビー(世界最高クラスの国際リーグ)のハイランダーズとの契約上、秋以降の着任となっている。
内田も過去4年間、エディー・ジョーンズヘッドコーチが率いるジャパンで1日2回、3回は当たり前の猛練習を重ねてきたが、大会直前に落選を言い渡されている。
韓国代表とのアジアラグビーチャンピオンシップ(ARC)初戦を30日に見据え、26日の練習後に内田が意気込みを明かした。
以下、取材時の一問一答の一部(編集済み。質問はすべて当方)。
――2日間、いかがですか。
「短期間の割にはいいコミュニケーションを取って、集中した練習ができている。手応えは、いい感じです」
――代表入りが言い渡されたのは。
「薫田さん(真広・男子15人制ラグビー・オブ・ディレクター)には4月くらいには言ってもらえて。やるしかないって感じですよね。ワールドカップから外れて、また日本代表でやれるチャンスをもらった。常にラストチャンスという気持ちでやってきた。今年、またこのチャンスをもらえたということは、それなりのプレーをしないといけない」
――キャプテン就任。
「自分がどれだけできるか。責任もある。不安であり、楽しみでもある感じです」
――今回のメンバーには、リーダーシップを取れる選手は多いようです。
「だから僕も皆の意見を聞いて、(ミーティングなどで)最後に『こうしよう』と言うだけ。その意味では、すごくいいチームですよね」
――食事中のスマートフォンは禁止らしいですね。
「そうですね。でも、今回は新鮮な人たち(初対面同士)が多いので、ずっと喋っていることが多いですよ。しょうもない話もしながら、いい時間を過ごしています」
――約1週間でテストマッチへの準備を。代表経験者としてどう感じますか。
「短いですけど、それは相手チームの韓国代表や香港代表には関係のないこと。(求められるのは)自分たちがこの状況をどう捉えて、どう行動するかだけ。マイナスに捉えたら、マイナスにしか物事は進まない。プラスに捉えて、伸びしろに期待してやっています」
――改めて、2015年のことを伺います。苛烈な国内合宿を乗り切りながら、ワールドカップのメンバーからは落選。やはり、大きなできごとでしたでしょうか。
「そうですね。これからの人生においてのターニングポイントになっていくんだと思います。逆に、(当時)23歳であれと同じ経験をしている人がたくさんいるかと言ったら、そうではないので。外れたことは悔しいことで、マイナスなことですけど、僕の人生においてはプラスかもしれないです」